歴史的な偉大な解剖学書
c)後方への枝dorsale Äste:
1. 迷走神経の節状神経節 Ganglion nodosum n. vagiとのあいだに短いがしかし太い1本あるいは2本の結合枝が存在する.
上頚神経節と節状神経節とが完全に1つに融合していることは W. Fick(Z. mikr.-anat. Forsch., 2. Bd.,1925)によれば14.3%にみられる.
2. 舌下神経との1結合枝.
3. CI~IVとの交通枝(Wrete[1934]によればCVおよびCVIとも交通枝で結ばれる).
d)前方への枝ventrale Äste:
1. 外頚動脈神経Nn. carotici externi,これは2~3本の小幹よりなり,後頭動脈の起始のあたりで外頚動脈に接し,これを取り巻いて神経叢を形成しつつこの動脈に伴なって上方と下方とにすすむ.
その下方の部分からは総頚動脈が内外の頚動脈に分れる角のところにある頚動脈糸球Glomus caroticumに1枝がでる.また上甲状腺動脈にまつわってこの血管とともに甲状腺に達する上甲状腺動脈神経叢もこれからでている.
上方への諸枝はいっそう太いもので,
外頚動脈神経叢Plexus caroticus externusをなしている.この神経叢は外頚動脈に伴なって上方にすすみ,この動脈が分岐するところにまで達する,そして後耳介動脈がでるところには1つの小さい神経節をもち,さらに外頚動脈からの多くの枝を取りまく神経叢に続いている.
細い枝がオトガイ下動脈A. submentalisに伴なって三叉神経の顎下神経節Ganglion submandibulareに達する.これが顎下(および舌下)神経節の交感根Radix sympathica ganglii submandibularis(et sublingualis)である.また中硬膜動脈に伴なっている神経叢は上顎神経および下顎神経からの硬膜枝を受けており,1枝を耳神経節Ganglion oticumに送っている.これが耳神経節の交感根Radix sympathica ganglii oticiである(図518).
2. 喉頭咽頭枝Rami laryngopharyngici,これは2~3本あって,かなり太い枝であり,その一部は頚神経の上半分に属する交通枝の直接の続きを含んでいる.
3. 迷走神経の上喉頭神経と結合する若干の細い枝.
a)節間枝Rami intergangliares,上方への1本と下方への2本がある.
b)CVおよびCVIとの交通枝.
c)頚動脈神経Nn. caroticiは灰色をした小枝で,その一部は総頚動脈に,また一部は下甲状腺動脈に達し,下頚神経節からでる2本の小枝といっしょになってこれらの動脈にまつわっている.かくして多数の枝を甲状腺にだすところの総頚動脈神経叢Plexus caroticus communisといくつかの小さい神経節をもつところの下甲状腺動脈神経叢Plexus thyreoideus caudalisとが生じている(Braeucker).
d)中心臓神経N. cardiacus medius.これは多くのばあい上心臓神経(この方が長い)よりもいっそう太くて,中頚神経節が欠けているときにはそのあたりの節間枝より発する.総頚動脈の背側面に密接して下行し,鎖骨下動脈の前方あるいは後方で心臓神経叢に達する.これは甲状腺にいく本かの枝をあたえる.これがNn. thyreoidei medii(中甲状腺神経) (Braeucker)である.中心臓神経はときとして胸腔内で1つの楕円形の神経節をもっている.
下頚部の2つの神経節からの枝は,これらの紳経節じしんがそうであるように,通常はその全体をはっきりとたがいに分けることができない.なおその枝というのが上と中の両頚神経節からの諸枝とよく似ている.
a)節間枝Rami intergangliares.
最終更新日13/02/03