感覚 sensation

最終更新日:2002年05月10日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)(p71)から引用

 客観的外界が人間感覚器に生じさせる、まず最初の結果であり、外界の種々さまざまなな要素が感覚器官の外面的部分を刺激することからはじまる。すなわち、この刺激は神経系の伝わって大脳皮質に達し、ここで感覚が生じきたるものである。この関係からみられるように、物質的実在たる外界に対して、感覚は第二次的なものである。感覚には、視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚・温度感覚・圧覚・痛覚などがあるが、これらは感覚器官を刺激する外界がもつ特殊的な性格による。ここに区別されるそれおれのかんかうは、同一性格の刺激から成るグループをつくっていて、その各々の感覚のグループは他の感覚のグループとは、相互に異なっている。たとえば、さまざまな色(視覚)のグループは、音や味などのグループとは似てはいない。これらの異なった感覚の内で、もっとも発達しているのは視覚であり、触覚・聴覚・味覚などがこれにつづくとみられている。外界の対象がもっているいくつもの特性は、感覚においても光の性質、たとえば各種のいろとしてあらわれるように、人間が客観世界を知るのは、まず感覚においても光の性質、たとえば各種の色としてあらわれるように。人間が客観世界をしるのは、まず感覚をもってはじまるものであり、このさい感覚は、1)個々のの感覚がひとつの信号の役をするという機能がある、白色とか赤色の感覚は熱の信号となるように。これえは、熱は色によって得られる知識ではないから、色と熱との相互の関係が前もって知られている場合である。こうして、2)感覚は客観世界そのものに属している結合とか関係とかをとらえて、知覚としてあらわれる心像の構成部分を供給する機能をもっている。→感覚論