Rauber Kopsch Band2. 434   

4. 他の線維群で索状体の内側部にあるものが核小脳路.Tractqs nucleocerebellaresであって,これは三叉神経・前庭神経・舌咽神経・迷走神経の終止核から出て室頂核と虫部とに達する.

5. 上に述べたものにさらに脊髄オリーブ小脳路Rückenmark-Oliven-Kleinhirnbahnが加わる.その線維は頚髄の灰白質に始まり,側索の腹方部の縁を脊髄オリーブ路Tractus spinoolivaris(図405)となつつて走り,けっきょくオリーブ核と副オリーブ核とに入る.オリーブ核の細胞はオリーブ小脳路Tractus olivocerebellaresを出して,この線維群は部分的に交叉し,索状体とともに小脳半球に達する.副オリーブ核から出る線維は虫部と片葉とに達する.

 上に述べたすべての小脳性の伝導路は,それから先きは結合腕を通って大脳の方に走るが,この結合腕はたくさんの個々の系統のものが集まってできており,小脳の中心部にある核を介して小脳皮質を赤核や視床外側核とむすびつけている.それより先きの結合をなすものは視床皮質線維であって,これは上行して頭頂葉の皮質と中心前,後両回とに達する.

 上行性の特別な1つの線維系が前索の内側縁に存在する.これは脊髄灰白質の深部の細胞から出るが,その細胞の所在を正確につきとめることは今日までに達成されていない.脊髄から延髄に移行するところでは,この伝導路は縫線の近くで後縦束の腹方に見られる.そして遠く脳幹の中まで追求できるが,どこに終るのかはまだ不確かなままである.とにかくこれは上方に向かって次第に弱くなるが,それは線維を失うからであって,これらの線維はおそらくつぎつぎと分れて出て網様体の核に行くのであろう.この系統は最初にP. Marieによって記載されたのであって,脊髄延髄路Tractus spinobulbarfs(あるいは脊髄網様体路formatio reticularisTractus spinoreticularis)と呼ばれており,そのなかには脊髄のいろいろな高さを脳幹の網様体の核と結びつけるいくつかの線維束が明かに存在している.

[図498]三叉神経の核と伝導路 (BechterewおよびR. Richterによる)

内側毛帯(三叉神経毛帯)およびその側枝で上丘核に達するもの. 三叉神経の小部および三叉神経起始核の細胞.

I 眼神経;II 上顎神経;III 下顎神経;C 頚髄;Fi内弓状線維;Ll外側毛帯;Lm内側毛帯;Ncr上丘核;Nlt視床外側核;No 三叉神経起始核(赤);Nt 三叉神経終止核;Ntsp 三叉神経脊髄路核;Pma 三叉神経大部;Pmi三叉神経小部(赤);tc視床皮質路.

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最終更新日13/02/03

 

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