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頭蓋;ズガイCranium(Cranium)

頭蓋;ズガイ【とうがい;ずがい】(頭蓋は日常語として一般にズガイと読まれているが、1943年(昭和18年)制定の医学用語、解剖学用語ではトウガイと読むことに定められた。しかし日常語としてのズガイも併用されている。 頭蓋は15種23個の骨、すなわち10種16個の頭蓋骨および5種7個の顔面骨の連結により形成されている。また頭蓋は5種7個の脳頭蓋(神経頭蓋)および10種16個の顔面頭蓋(内臓頭蓋)にも分類されている。 頭蓋骨(10種16個)を形成する骨は、後頭骨(1個)、蝶形骨(1個)、側頭骨(1対2個)、頭頂骨(1対2個)、前頭骨(1対2個)、篩骨(1個)、下鼻甲介(1対2個)、涙骨(1対2個)、鼻骨(1対2個)および鋤骨(1個)である。顔面骨(5種7個)を形成する骨は、上顎骨(1対2個)、口蓋骨(1対2個)、頬骨(1対2個)、下顎骨(1個)および舌骨(1個)である。 頭蓋は頭蓋冠と頭蓋底にもわけられているが、前者は頭蓋腔を円蓋状におおい、後者は頭蓋の底部をなし、両者の境界に冠する緒学者の見解は一定していないが、一般には外後頭隆起、上項線、外耳孔上縁、側頭下稜、眼窩上縁、鼻棘をむすぶ環状線をもって境界と定めている。頭蓋腔を円蓋状におおい、後者は頭蓋の底部を成し、両者の境界に関する諸学者の見解は一定していないが、一般には外後頭隆起、上項線、外耳孔上縁、側頭下稜、眼窩上縁、鼻棘を結ぶ環状線をもって境界と定めている。頭蓋腔の容積は1,200~1,500mlであるが、性差があり、女は男より約10%少ない。なお頭蓋腔の大きさは、脳の大きさに密接な関係をもっている。頭蓋の形態は個人差、年齢差、性差などのほかに人種差もあり、これは人類学的に重要な意義を有している。骨格のうちで最も人種の特徴の差違が著明に現れるのは頭蓋であるといわれている。頭蓋の人種間の差違を具体的に表すために、18世紀末より頭蓋計測がおこなわれてきたが、多数の計測値のうちで最も重要なものは最大脳頭蓋幅径を最大脳頭蓋長で除して、その値に100を乗して得た頭蓋長幅示数である。この数の値によって頭蓋を長頭(74.9以下)、中頭(75.0~79.9)、および短頭(80.0以上)の3型に大別することができる。頭蓋骨間の連結には下記の4種がある。(1)縫合:15種23個の骨のうち、下顎骨と舌骨とを除いたすべての骨は、縫合という骨間結合組織によって不動結合をなす。頭蓋には34種の恒常性の縫合がある。(2)軟骨結合:頭蓋底の軟骨性原始頭蓋すなわち後頭骨、蝶形骨、側頭骨にみられる不動結合で5種ある。(3)靱帯結合:側頭骨の茎状突起と舌骨との間にある頭蓋で唯一の靱帯結合すなわち可動結合である。(4)関節結合:下顎頭と側頭骨下顎窩との間にある頭蓋で唯一の関節すなわち可動結合である。)

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 III巻

Moore人体発生学

15-3.軸骨格の発生

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Band1(090)

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Pocket atlas of human anatomy

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