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 Wiedersheim, R., Der Bau der Menschen als Zeugnis für seine Vergangenheit. IV. Aufl., Tübingen,1908.-Maurer, F., Über Restorgane . . . beim Menschen. Jen. Z., 58. Bd.,1921.

 いろいろの諸器官は,それがどんな種類であっても,体の中で何かのぐあいに盲めっぽうに混ぜ合わしてるのでなくて,その配置と分布にはきちんとした規則正しい計画がある.人間ではこの計画はすべての脊椎動物,そしてまずもって哺乳類にあてはまる規則に従っている.すなわち脊椎動物型であり,哺乳動物型である.他の動物界にはまた違った型がある.もっともどの場合にも移行型はるのだが.

 正中面は哺乳類の体を対称的な両半分に分ける.正中面のすぐ近くに,あるいは正中面に切られて不対称の器官がある.しかしこの付帯焦性の器官はやはり対称的な両半部からできているというのが規則である(脊椎,脊髄,腸,肝臓,心臓).また一部は正中面のすぐ近く一部はそれよりも外側に対をなす器官が存在する(筋肉,肋骨,肺,腎臓).

 なおまた,正中面の左右でだけ諸器官の区分がめだつのでなくて,頭尾(すなわち上下)の方向,とりも治さず正中面にそってもそれがめだっている.左と右にあってたがいに相当する諸器官は対側分節Antimeren, Gegenstückeをなす.縦軸の方向にならんでいる諸器官は縦軸分節Metameren, Folgestückeである.この各分節は多少の差はあれたがいに似ていること,多少ともたがいに分離していること,あるいは初めから分離していないことがある(脊柱,分節的な筋肉,両側の生殖腺,皮膚).

 生物体を全体としてみると,個体の生活作用をあらわすために身体の各部分が調和して共同に働いているのであって,それは機能を営んでいるすべての諸器官がその本性,その大きさ,その仕組みに関して,互いの間で密接な関係を持っていることになるのである.その仕事を完全に遂行している器官の1つが何かのぐあいで変更させられたなあば,必ず他の器官に反応を起こし,ひいては全身にも影響を生ずるのである.

 人間の諸器官は人類という範囲の中でもたがいにある程度は違っている.個体的の変異ははなはだ大きいものであって,同一の人の体の左右両半の間にも絶対的な対称性は決してないのである.2人の人間の間で諸器官をくらべて全く同じということは遙かにいっそう少ない.

 諸器官の個体的にちがう程度は予期以上に大きいものである.それになお,年齢の段階,性,人種,血糖が支配する諸器官の変動をあわせて考えると,差異の尺度はいっそう大きいものとなる.

 器官の異常として最も重要なものは,動物での正常な状態と一致を示すものである.そういう異常は動物類似形Theromorphienとよばれて,すべての器官系統にみられる.

 身体の器官系統を分けて並列的な2都濃郡にすることができる.その1群は個体の保存にあずかるものである,他は種族の保存にあずかるものである.後者は生殖器Organa genitalis, Genitalien, Geschlechsorganeとよばれる.

全体として9つの器官系統がある.すなわち:

1. 骨格系(骨と関節)

2. 筋系

3. 消化器系

4. 呼吸系      内臓系

5. 尿生殖系

6. 脈管系

7. 神経系

8. 感覚器

9. 皮膚(全身にわたって被うもの,あるいは外皮)

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最終更新日11/02/23

 

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