歴史的な偉大な解剖学書
[図516] 頭部の筋(IV)および舌骨上筋 広頚筋,耳下腺咬筋膜,側頭筋の浅葉とその深葉の一部,耳下腺と顎下腺とを取り除いてある.また眼輪筋の眼窩部,笑筋を取り除き,大頬骨筋,オトガイ三角筋,眼角筋,眼窩下筋,小頬骨筋,下唇方形筋を切りとってある.
この筋の下の境はオトガイ唇溝に一致し,上の境は側方では鼻唇溝に一致している.また中央部は鼻中隔と上唇とのあいだの角よりも上方にある.
神経支配:顔面神経による.
作用:この筋は口裂を狭くし,あるいは閉じさせる.また口笛を吹くとき,接吻するとき,母音OおよびUを発音するときのように,口唇にある程度の緊張をあたえるのである.
変異:鼻起始, 上顎起始, 下顎起始が全部あるいは一部欠如していることがある.
この筋は上下両顎の歯槽突起の外面で第2と第3の大臼歯のある範囲からならびに頬咽頭縫線Rhaphe bucipharyngicaという1本の靱帯条から馬蹄形の線をえがいて起る.この靱帯条は頬筋と頭咽頭筋1とを分けており,蝶形骨の翼突鈎と下顎骨とのあいだに垂直に張られている.
最終更新日13/02/03