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[図643] 眼動脈とその枝(1/1)

 眼窩(左).前頭洞, 論骨洞は上方から開いてある.海綿静脈洞の内容を示すために硬膜の外葉を取除いてある.

α)脈絡膜動脈Aa. chorioideae. は12~15本あって視神経が眼球に達するところの近くで眼球内に入り,脈絡膜(眼球中膜)にいたる.

β)虹彩動脈Aa. iridisは2本あって外側虹彩動脈A. iridis temporalisと内側虹彩動脈A. iridis nasalisのそれぞれ1本である.これらは脈絡膜動脈とともに眼球内に入り,強膜と脈絡膜のあいだを前方にすすみ毛様体と虹彩に達して初めて枝分れする.

e)外側前頭動脈A. frontalis lateralis.これは上眼瞼挙筋の上で,眼窩の天井の近くを眼窩骨膜の下に密接して前方に走り,外側前頭孔または外側前頭切痕にいたる.

 この動脈は1本の細い枝を眼窩骨膜に送り,また眼窩の上縁において前頭骨にもたいてい1本の枝を送っている.そして外側前頭動脈は眼窩の外にでて眼窩上縁からいろいろな距離で枝分れして上方に向かっている.この動脈は眼輪筋ならびに前頭筋を養い,また浅側頭動脈の前頭枝と吻合している.

f)篩骨動脈Aa. ethmoideae.篩骨動脈は左右ともたいてい前・後の2本があり,ときどき3本になっている,後方のがいっそう細くて後篩骨動脈A. ethmoidea posteriorといい,眼窩篩骨孔を通って特に篩骨洞にいたり,多くの場合その他に小枝を鼻中隔と脳硬膜にあたえている.

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最終更新日13/02/03

 

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