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そこでは骨の上に密接しており肩甲回旋動脈の枝と吻合する.かなり大きい枝である肩峰枝R. acromialisは僧帽筋の停止部を貫いて肩峰の上面で枝分れして,そこで胸肩峰動脈の肩峰枝と吻合する(図640, 646).

 変異:肩甲上動脈が前斜角筋の外側で起こっているのはヨーロッパ人で8.1%,日本人で18. 9%である(Adachi).またときどき鎖骨下動脈から直接に出ている(ヨーロッパ人で. 7A%,日本人で15.2%, Adachi).あるいは内胸動脈といっしょになって出る(ヨーロッパ人で1.7%,日本人で4.3%, Adachi).また頚横動脈といっしょに出る(ヨーロッパ人で2%,日本人で3.6%, Adachi).この動脈が近くの動脈によって一部おきかえられていることもまれでない.

[図645] 頚部における椎骨動脈の走行 (Tiedemannによる) (1/2)椎骨動脈の起始が甲状頚動脈の外側にある非常にまれな場合である.

6. 頚横動脈Arteria transversa colli (図639, 640, 646, 648, 649)

 この動脈はふつう鎖骨下動脈の外側部,または甲状頚動脈,あるいは肋頚動脈から起る.肩甲上動脈と浅頚動脈とのあいだを走るが,またこれらの動脈と共通な1本の幹をなしていることもある.肩甲鎖骨三角の深部を横走し,腕神経叢の根のあいだを通って中斜角筋と後斜角筋の上に密接して後方にすすんで肩甲骨の上角にいたり,そこで上行枝Ramus ascendensと下行枝Ramus descendensに分れるが,そのさいしばしば肩甲拳筋を貫いている(図646).

a)上行枝R. ascendens.これは肩甲挙筋と板状筋のあいだを上方にすすみ付近の項筋群に分布する.

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最終更新日13/02/03

 

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