Rauber Kopsch Band2.695   

3の静脈網は真皮の下半にあり,その網の目は不規則で,たいてい外方の2つの網より目が粗い.個々の静脈が多くは細い伴行静脈をもっていることを特徴としている.ここではまた静脈がしばしば動脈の伴行者でもある.4の静脈網は真皮と皮下組織との境のところにあって,汗腺の層に接して一部はそのすぐ上に一部はすぐ下にある.ここでもたいてい静脈性の細い伴行血管がある.しかしここでは静脈と動脈が多くははなれている.

 輪走筋線維は動脈では真皮の中央まで,静脈では第4の静脈網(ここには弁も存在するようである)までみとめられる.

 皮下組織は2つの方法で養われている.すなわち脂肪層の深部は,小動脈幹が脂肪層を貫くあいだに,それから出る枝によって血液があたえられる.また表層の部分は真皮から逆行する小血管によって血液をうけるのである.そして両血管はところどころでたがいに吻合している.

 Spalteholz, W., Blutgefäße der Haut. Handbuch d. Haut-u. Geschlechtskrankh., Bd.1,1,1927.

皮膚のリンパ管(図730)

 皮膚の比較的太いリンパ管については脈管系のところを見られたい.

 真皮ではリンパ管が乳頭層のところで細かい管の密に集まった網をなしている.そしてこの外方の網は,深い所にある)より太い管の目の粗い網につづいている.外方の細かい方の網からリンパ管が乳頭の中にも入りこんで,ふつうその中ほどの高さで終ることがTeichmannによって初めて証明された.このリンパ管は腸絨毛の中軸にあるリンパ管(中心乳ビ腔)に相当している.弁は深い方の網から起る幹(これはまもなく皮下組織に達する)に初めて現われる.

11.皮膚の神経

 皮膚は外方の2層(表皮と真皮)とも体の中でもっとも神経に富む組織の1つである.皮膚の神経支配はどこでも著しいものであるが,その程度が一様ではなくて,特定の場所,とくに手掌・足底のほか,顔面の多くの部分や外生殖器の皮膚がとくに豊富な神経をうけている.

[図732]表皮内の皮膚神経終末 模型図

1 脊髄神経節細胞,2 その突起,3 末梢への部分,4 胚芽層の上皮細胞間迷路における終末分枝,5 中枢への部分,6 脊髄内の上行枝,7 下行枝,8 知覚性側枝,E 表皮(G. Retzius)

[図733]ヒトの胎児の口唇皮膚の垂直断

E 上皮,b 基底細胞層,n, n 神経,e, e上皮細胞間迷路における神経の終末分枝(G. Retzius)

S.695   

最終更新日13/02/03

 

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