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神経線維が全体としてやはり著しい太さの差を示す(人間で1~16µ).太い神経線維は概して太い軸索をもっている.知覚神経と運動神経の一定した目印となるようなことは太さの点では存在しないが,それでも知覚神経の方が個々の線維の太さでいっそう大きい変動をあらわしている.しかしKirsche(1952)によると,運動神経と知覚神経で軸索の直径を比較すると,計測できるだけの差異が“平均において”みとめられるという.神経線維の長いもの,また上方でおこるもの,そしてまたおそらくたびたび使う神経線維は太くなっているようである(Schiwalbe);しかしなんといってもまず豊富な終末分枝や豊富な結合をもつことが太さの増加にあずかっている(Cajal).動物の体の大きさとその神経線維の太さのあいだに直接の相関関係にくらべると割合に細い神経線維をもっているようである(Hägguist, Anat, Anz.,96. Bd. ).

[図132]上衣細胞とグリア細胞 14cm長さのヒト胎児の脊髄.(v. Lenhossek. )クローム銀染色法.

[図133]上衣細胞と上衣線維 家兎の脊髄より.×100. 上衣線維は細胞に近い部分のみが示されている.

神経線維の分岐Teilungen der Nervenfasern

 神経線維の分岐ははなはだ多くみられるものであって,それは線維が中枢神経の中をとおるばあいにも側枝などを出すことによって,また末梢では例えば表皮の上皮細胞間隙や筋線維の運動終板に神経が終わることところ,および運動終板に達する少し前のところなどでたくさんみられる.しかし普通に通っている神経幹の内部では分岐は比較的まれにしかおこらない.それに反して脊髄神経節の領域では分岐は当たり前の現象である.末梢の神経線維が分岐するところには常にランヴィエ絞輪がある,図118,120.

中枢性のグリア(神経膠)zentrale Neuroglia.

 中枢神経系の支持成分であるグリア細胞(神経膠細胞)には3群が区別される.

 a)上衣細胞Ependymzellen,

 b)星状膠細胞Astrocyten (蜘蛛細胞Spinnezellenともよばれる),

 c)特殊な形のものbesondere Formen.

a)上衣細胞(図132,133).この細胞が集まって上衣Ependymをなしている.上衣は単層絨毛上皮の形で,脊髄の中心管や脳室の内面を被うのである.

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最終更新日13/02/03

 

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