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ただ白線と鼡径靱帯とにおいて,後者では前腸骨棘から皮下鼡径輸にいたる間だけ,浅腹筋膜が腹筋の腱膜としっかりと結合している.鼡径輪では筋膜の下にある部分と固く着いていないで,挙睾筋膜Fascia cremastericaとなって精索に伴って下方に伸びて,陰嚢の肉様膜Tunica dartosに移行し,なお陰茎筋膜にも続いている.前に述べた脚間線維Fibrae intercruralesは浅腹筋膜の一部である.

 陰茎係蹄靱帯Lig. fundiforme penisはその大部分が弾性線維よりなり,白線の前面で浅腹筋膜から起る.これは左右の両脚に分れ,これらは左右から陰茎海綿体を包み, 陰嚢の基部に放散している(図493).

 陰核係蹄靱帯Lig. fundiforme clitoridisは非常に弱く,且つ弾性に乏しい.

 陰茎(陰核)提靱帯Lig. suspensorium penis(clitoridis)は恥骨結合の前面から起り,陰茎- あるいは陰核海綿体の背面に終る.この靱帯は腹直筋の腱と外腹斜筋の腱膜との線維をふくんでいる(図490, 492).

[図494496] 前腹壁の横断面(4/5) 図494.腋より下部,図495.臍をとおる横断,図496.臍より下部.

2. 腹横筋膜Fascia transversalis. (図498)

 この筋膜は腹横筋の内面およびその(停止)腱膜の上部を被い,薄い膜となって横隔膜,腰方形筋の上に広がり,腰方形筋の内側縁で腰筋膜につづている.

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最終更新日13/02/03

 

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