Rauber Kopsch Band2. 127   

I.外鼻Nasus externus, äußere Nase(図180182)

 外鼻は次のものからなっている.

 1. 一部は軟骨性,一部は骨性の骨組み;2. 筋;3. 外皮;4.外皮の一部が内部へ続いたもの.

 これらのものからできている顔面の突出部であって,その形は人によってきわめてまちまちであるが,基本形は不正三角錐であるといえる.これがもつ面のうち3つすなわち外鼻孔で貫かれている下面と,両側面は遊離している.しかし外鼻は基底面または固着面をもって顔面に根を下している.両側面は正中面に向かって集まり,そこで円みをおびた稜をなして合している.この部分を鼻背Dorsum nasi, Nasenrückenという.

[図180]鼻軟骨 下からみる(1/1)

 青は軟骨.

[図181]鼻軟骨 側方からみる(1/1) 

 青は軟骨.

 上端,つまり鼻が前額につながるところを鼻根Radix nasi, Nasenwurzelという.鼻背の下端は鼻の下面と合しており,そこを鼻尖Apex nasi, Nasenspitzeという.両側面の下部はかなり強く突出していて,動かすことができる.この部分が鼻翼Alae nasi, Nasenflügelである.1本の浅い溝が鼻翼と側壁の動かない部分との境界をなしている.外鼻の下面は三角形をしていてその側方は鼻翼で境されている.下面の中央部は鼻中隔の皮部Pars cutaneaとなっている.これは鼻翼とともに左右の外鼻孔Nares, Nasenlöcherを境している.外鼻孔は長円形で広げたり狭ばめたりできる.

 鼻の左右の各半は非対称にできている場合が少くなくて,ゆがんでいるSchiefstellungこともしばしばである.

 外鼻は強大な歯と小さな脳をもっている哺乳動物には見られない.初めて外鼻が現われるのは類人猿である.原始人と未開人種は低い鼻をもっている.高度の精神生活を営なむ人種はその高く突きでだ鼻によって特徴づけられる.

S.127   

最終更新日13/02/03

 

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