歴史的な偉大な解剖学書
1の乳頭に存在する乳頭孔Foramina papillarum, Harnporenの数は以前にはもっとずっと多いものと考えられていた.P. Müllerによると小さな単一の乳頭では平均10~15個の乳頭孔がある.わりあい大きな乳頭は24個までもっているが,まれにはそれより多いことがある.しかし複合乳頭は20~80個ないしはそれ以上の乳頭孔をもっていることがある.
a)腎小体(マルピギー小体)Corpuscula renis, Malpighische Körperchen(図245~248, 250)マルピギー小体は球形をしていて0.13ないし0.22mmの直径を有し,それゆえ肉眼でも観察することができる.これは球形の糸球体Glomerulumという糸玉状の血管と糸球体嚢Capsula glomeruliすなわちボーマン嚢Bowmansche Kapselからなりたっている.
[図245]子供の糸球体1個の鑞模型(W. B. Johnstonによる) ×400 AV 輸入細動脈; EV 輸出細動脈.
[図246]腎臓のマルピギー小体の糸球体上皮とポーマン嚢 模型図
[図247]マルピギー小体の糸球体 ネコの腎臓(C. Ludwigによる)
[図248]ヒトの腎臓の糸球体の被蓋細胞 ×800
(K. W. Zimmermann, Z. mikr.-anat. Forsch.,18. Bd.,1929から)
糸球体嚢は多角形の細胞からなる単層の低い上皮とガラスのように明るい薄い基礎膜とその外をここにむ少量の線維性結合組織からできている.糸球体嚢に2つの極を区別するが,1つは尿管極Harnpolで,そこから尿細管の頚が出ている.その反対側にあるのが血管極Gefäßpolである.血管極には輸入細動脈Arteriola afferensという1本の細い動脈がはいってくる.そして糸球体に達するとたいてい何本かのいっそう細い枝に分れる.これらの枝が糸玉のように強くからみあった毛細管係蹄を作っており,これらの係蹄のあいだには吻合がわずかしかない.
最終更新日13/02/03