Rauber Kopsch Band2. 263   

会陰の筋肉の神経:肛門挙筋は仙骨神経叢から1枝を直接に受けており,それは57%では第3仙骨神経から,43%では第4仙骨神経からきている.そのほかの筋は陰部神経によって,つまり第2~第4仙骨神経から支配されている.

c)骨盤筋膜Fasciae pelvis

 小骨盤の筋膜は内閉鎖[筋]筋膜および内と外の骨盤隔膜筋膜である.

[図337]骨盤筋膜の後部 骨盤後壁の前面,23才の少女.(H. Luschka)

 a 内腸骨動脈;

 b 内腸骨静脈;

 c 仙骨神経叢,前2者とともに少しく前方に引っぱってある.** 骨盤筋膜;d 大坐骨切痕の高さにおける骨盤筋膜の凹縁;I~V腱性の起始尖頭,これらはたがいにつながっている.穴のなかには交感神経の仙骨神経節演ある;e 第1の起始尖頭の分れで,これは静脈の外膜に移行している.下方ではこの筋膜は前仙尾靱帯(f)と合している.そこでは筋膜が靱帯から趣きはがしてある.靱帯のそばには前仙尾筋(g, g)がある;

hh 中仙骨静脈;

i 尾動脈;

k 尾動脈糸球,尾骨の尖端の後方には前方を開いた尾骨筋嚢(I)がある.

 (Sitz.-Ber. d. k. Akad. d. W., math. naturw. Kl., Bd, 35,1859. )

1. 内閉鎖[筋]筋膜Fascia m. obturatoris interni(図332, 333, 335, 336)

 これは内閉鎖筋の内側面を被っていて,その起始を囲んでいる骨面の骨膜とつづいており,小坐骨孔を閉ざしている.下方にゆくにつれて強さを増し,骨盤出口のところで仙結節靱帯から起る鎌状突起と結合している.この筋膜の下部は坐骨直腸窩,すなわち内閉鎖筋と肛門挙筋のあいだにあるくぼみの外側壁を被っている(図332).そのさい骨盤の外側壁をすすんでいる内陰部動静脈とそれに伴なう神経を包んでいる.この筋膜は次に記載する筋膜と重要な関係をもっている.

 内閉鎖筋膜は閉鎖管の内口の後縁に一致してかなり強い弓状の索をなしており,これを閉鎖筋膜腱弓Arcus tendineus fasciae obturatoriaeといい,きわめて個体差が大きいものである.

S.263   

最終更新日10/08/31

 

ページのトップへ戻る