Rauber Kopsch Band2. 315   

 背核(クラーク柱)の細胞は,やはり多極であって,樹状突起をはなはだ豊富にもつことが著しい.その神経突起は細胞の前方または外側から出て,次いで側枝を出すことなく弓なりに外側に向い,側索の周辺の部分に達し,そこで上方に向きを変えて後脊髄小脳路Tractus spinocerebellaris dorsalis, dorsale Seitenstrang-Kleinhirnbahnとなる.

 前脊髄小脳路Tractus spinocerebellaris ventralis, ventrale Seitenstrang-Kleinhirnbahnの線維および脊髄視床路Tractus spinothalamicusの線維は,同側および反対側め後柱の核から出ている(図405).別の意見によれば,これらの線維は同側および反対側の中央細胞Mittelzellenから起こっている.

γ)後索に線維を出す索細胞は後柱の後索に接する領域に散在している(図405).その神経突起は密にならんで後交連のうしろで両側の後柱のあいだの角を満たし,後索の腹側部,すなわち後索基礎束Hinterstranggrundbtindelを作っている.

 後ローランド帯Zona postrolandicaの中にある神経細胞を辺緑細胞Cellulae limitantes, Cellulae postrolandicae, Marginalzellenといい,その神経突起は後柱膠様質を前方に向かって貫き,弓なりに曲がって側索の中に達するか,あるいはこの神経突起が2本に分れて,その1本は側索に,他の1本は後索に達して,縦の方向に移行している.

 後柱膠様質ししんの中にある細胞,すなわちローランド細胞Cellulae rolandicaeは,その神経突起が辺緑帯Zona terminalisの部分に達しており,この神経突起は小さい側枝をもつことがある.その他のローランド細胞は1本より多くの神経突起をもち,そのばあいはこれらの神経突起がブルダッハ索に,あるいは上に述べた縁辺帯に,あるいは側索に入っている.後柱の細胞で,その神経突起をゴル索に送っているものは最もまれである.

[図400]脊髄の構造を模型的に表わした図 左側は側枝,右ボわは神経細胞を示す.(v. Lenhhossék)

右側は運動性細胞で,その神経突起に側枝がある;赤は前側索に線維を出す索細胞,その中にはまたクラーク柱の細胞およびローランド膠様質の辺縁帯の細胞もそれぞれ1つずつ含まれている;前索細胞の側枝がよく発達していることに注意せより紫は交連細胞,この種に属する「短い」突起をもつ細胞の1つを斜線で示してある; 緑は後索細胞,小さい細胞はローランド膠様質の細胞である;は短い神経突起を有つ細胞;9 側索基礎束.左側は脊髄神経節の細胞,後根,その分岐部および灰白質のいろいろな領域に終る側枝,しかも左から右へ次の順序になっている:後柱における終末,灰白質の中間部における終末,前柱における終末(反射側枝Reflexkollateralen), クラーク柱および他側の後柱における終末;赤は前側索の側枝として総括されうるもの;は交連細胞の神経突起の側枝;は錐体路の側枝の終る様子.

 総括:つまり索細胞の神経突起は,同側性および交叉性に前索の基礎束および側索の基礎束のなかに達している.

S.315   

最終更新日13/02/03

 

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