Rauber Kopsch Band2. 407   

それゆえこの細胞を籠細胞Korbzellenという.第2のいっそう大きい方の細胞は軸分枝細胞と最も近い関係にある.なぜならば1本,あるいはそれ以上の数の神経突起を顆粒層に送りだして,これが枝分れしてきわめて豊富な,広くひろがったごく短い細い枝の叢をつくり,またその樹状突起は髄質稜を通過したのちに灰白質にまで,あるいは向い合っているがわの顆粒層にまで達するのである.

 さらに髄質稜からはかなり多数の太い線維,すなわち苔状線維Moosfasernが上行してくる.この線維は遠くにある細胞から来るもので,顆粒層のなかで枝分れして終末となっている.遠くにある細胞からおこるいま1つ別のかなり数多くの線維(図472)が顆粒層を貫いて灰色層に達している.その線維から出る側枝がプルキンエ細胞に達し,その細胞体を籠ないし網に似た形の密な終末分枝となって包んでいるが,一方これらの線維のうちでさらに表面に向かって走っている部分はプルキンエ細胞の樹状突起の幹をよじ登り,プルキンエ細胞の枝にまきつくので,Cajalこのかた登上線維Kletterfasernとよばれている.

 苔状線維は脊髄小脳路とオリーブ小脳路の線維のつつづきであり,登上線維は前庭小脳路,あるいは橋核小脳路の線維のつづきをなすといわれる.

[図472]小脳皮質の神経細胞の主要形と線維の種類

 小脳の髄質Kleinhirnmarkはほとんど全部が小脳に出入する3対の小脳脚のつづきよりなっている.それゆえ投射神経路Projektionssystemeよりなるのである.連合神経路Assoziationssystemeには回転弓状線維Fibrae arcuatae gyrorumが属し,そのうち短回転弓状線維Fibrae arcuatae gyrorum brevesは1つの回転から小脳溝の奥のところを回って隣りの回転に,長回転弓状線維Fibrae arcuatae gyrorum longae(花かざり線維Girtandenfasern)はその数が比較的少なくて,小脳半球の範囲にだけある.両側の小脳半球をたがいに結合する交連神経路Kommissurensorstemeは欠けている.

 虫部皮質に達する線維は虫部の髄質層の中で交叉し,前と後の大交叉交連vordere und hintere große Kreuzungsleommissurのなかにある.

小脳皮質グリア(図472~474)

 小脳皮質の全層にはグリア細胞のあらゆる形のものがみられる.

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最終更新日13/02/03

 

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