歴史的な偉大な解剖学書
[図495]大脳皮質の運動性領域(赤)と知覚性領域(青) ( 4/5) (皮質領はZiehenによる)
右の大脳脚を切断し,右の大脳半球の内側面および側頭葉と後頭葉との下面を示す.
聴覚中枢Hörzentrtimは横側頭回Gyri temporales transversiにある.聴覚性言語中枢(ウェルニッケの中枢Wernickesche Stelle)は横側頭回とこれに近接する上側頭回の頭頂弁蓋に向いあった部分とにある(図494).
聴覚中枢の内部にいろいろな高さの音の皮質性局在があるかどうかは,いままでまだ確実なことがわかっていない.
求皮質性の伝導路Corticopetalleitungは蝸牛神経の続きよりなっていて,これは1連をなす核(図501) (蝸牛神経腹側核および背側核,後脳オリーブ核,外側毛帯核)がらおこっている.これらの線維は根線維の直接のつづき(Held)といっしょになって(聴覚の)外側毛帯を作って,内側膝状体と下丘核に終る.ここで聴放線Hörstrahlungすなわち(聴覚の)膝状体皮質路Tractus geniculocorticalis(acusticus)が始まる.かくして各側の蝸牛が線維を両側の聴覚中枢に送るが,しかしそれも主として他側にいたる線維が多いのである.
遠皮質性の伝導路Corticofagalleitungは次のものよりなる:すなわち 1. 側頭葉から下視床脚のなかを通って視床に達する線維,2. 側頭葉から淡蒼球に達する線維,3. 側頭弁蓋から黒核(その黒色部)にいたる線維,(側頭)皮質橋核路Tractus corticopontinus(temporalis),これは上側頭回と中側頭回とから出て橋核に終る.橋核からは伝導路がさらに小脳などに行く.
海馬傍回鈎と海馬足には嗅覚と味覚の中枢がある.嗅傍野も梁下回も嗅覚中枢Geruchszentrumに属している.--Bechterewによれぼ(図499)皮質の味覚中枢は頭頂弁蓋にあるという.
最終更新日13/02/03