Rauber Kopsch Band2. 444   

2. 下行性の伝導路系absteigende Leitungs-Systeme

 下行性の伝導路系は大脳皮質Hirnrindeめ細胞の神経突起よりなり,これらは下部にある諸核に達する.これらの核からおこる神経突起が末梢にすすみ,それは運動性の脳神経として,また脊髄の運動性の前根線維として末梢に走る.後根からの下行性線維と知覚性の脳神経からのそれとだけが例外をなしている.脊髄に達する線維は皮質脊髄路Tractus cqrticospinales(図507)と呼ばれ,脳神経核に達する線維は皮質延髄路Tractus cortlcobulbares(図507,  508)と呼ばれる.

[図506]錐体路 側方よりみる.(Bechterewによる)

 Nn 黒核;Np 橋核;Pv 錐体前索路;Pl錐体側索路;Rv 前根;Tpc 橋[核]小脳路.

 錐体路Porramidenbahn(図506)はヒトでは中心前回の領域と上前頭回および中前頭回(?)の後部において巨大錐体細胞をもって始まり,その神経突起は放線冠の一部をなして下行し,内包の後脚の内側1/3のところに達する.次いで錐体路の線維は大脳脚に入り,横断面で大脳脚を5つに分けたうちの第2~第4の部分を占める(図468).さらに進んで橋縦束となって橋の腹方部を貫くが,そこでは一部が横走する橋線維によっていくつかの束に分割される.次いで延髄においては錐体をなし,その大部分の線維は錐体交叉をなして他側に達する(図507).

 錐体路の大部分のものはここで交叉して,側索の背方部にいたり,外側皮質脊髄路(錐体側索路) Tractus corticospinalis lateralis (Pyramidenseitenstrangbahn)をなしている.錐体交叉で交叉しない少部分の錐体路線維は前索の内側部を前皮質脊髄路(錐体前索路)Tractus corticospinalis ventralis (Pptramidenvorderstrangbahn)となって下方に走り,その線維はけっきょく脊髄の白前交連を通って他側に達するのである(図405).

S.444   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る