Rauber Kopsch Band2. 466   

 下歯槽神経は下顎管の内部で下歯神経叢Plexus dentalis mandibularisを作る.それらから出る枝は下歯枝Rami dentales mandibularesと下歯肉枝Rami gingivales mandibularesである.

 オトガイ神経N. mentalisはしばしばすでに下顎管のなかで分れていて,オトガイ孔から外に出るときにオトガイ三角筋に被われており,オトガイ枝Rami mentalesと下唇枝Rami labiales mandibularesとに分れる.前者は頭部の皮膚に分布し,後者は下唇の皮膚と粘膜とにいたる.

[図517]下顎神経の分枝 外方からあらわしてあり,さらに顔面に分布する眼神経と上顎神経の枝を示す.(4/5)

4. 舌神経N. lingualis(図61, 517, 518, 524, 525, 536)

 舌神経は外側翼突筋と内側翼突筋とのあいだで顎動脈の内側面を下行し,そのとき上に述べた下歯槽神経の前内側にある(図517, 518).内側翼突筋の前縁から前上方に凹をむけたゆるい弓形をなして曲り,まず顎下腺の上を通り,次いで顎舌骨筋の上を越えて舌の外側縁に到り,それも舌骨舌筋の外面に達するのである.つぎにその枝が舌骨舌筋とオトガイ舌筋とのあいだで舌の内部に放散する(図524).舌の外側縁では粘膜のすぐ下にあり,またこの神経の外側でその上方を通りすぎるところの顎下腺管Ductus submandibularisと交叉する.

S.466   

最終更新日13/02/03

 

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