Rauber Kopsch Band2. 467   

[図518]耳神経節とその結合 (内側面からみる) (Fr. Arnoldによる).3/4右側.蝶形骨は卵円孔のあたりで,側頭骨の錐体は中耳を通って鋸で切りとってある.顎関節は内側から剖出してあり,内側翼突筋の一部を取り除いてある.

 結合Verbindungen:a)下歯槽神経からでて斜めに下行し,舌神経に達する1枝が下歯槽神経との結合を示している.b)鼓索神経Chorda tympani(図518, 520)との結合.鼓索神経は錐体鼓室裂からでて,斜めに下前方にすすみ舌神経と鋭い角をなして合する.

 鼓索神経によって舌神経に導かれた線維は舌神経のなかをすすんで舌の前方部ならびに顎下神経節と顎下腺に達する.生理学的にみると,鼓索神経は一部は顔面神経の中間神経にいたる求心性の線維で,味覚をつかさどり,一部は顎下腺と舌下腺とへの遠心性の分泌線維からなっている(図499).

 c)舌神経が顎下腺の上方を通り過ぎるときに短い枝によって顎下神経節Ganglion submandibulareと結合する.

 d)舌骨舌筋の外面で舌神経は1本あるいは2本の小枝,すなわち舌下神経との交通枝Rami communicantes cum nervo hypoglossoによって舌下神経N. hypoglossusの終枝の1つと弓状をなして結合する.

 かくして舌下神経は舌のなかでその終末分布Endausbreitungのための知覚性の線維を受け,あるいはその知覚性の線維が舌下神経のなかをさらに中心の方にzentralwärtsすすみ,この神経が頭蓋腔から出るところですでに知覚性をもつことの原因をなす.

:1. 舌神経はなお内側翼突筋に被われているところで若干の細い枝を口腔底の粘膜の後部にだす.これが口蓋枝Rr. palatiniである.

2. 舌下腺の後縁で舌神経から舌下枝N. sublingualisがでる.これは舌下腺の外側面に接して前方にすすみ,一部は舌下腺に,一部は口腔底の粘膜に,また一部は歯肉の前方部に細い枝をもって分布する.

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最終更新日13/02/03

 

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