Rauber Kopsch Band2.564   

 交感神経によって支配される諸器官の内部では交感性の神経線維が終末する前に先ず比較的疎な,次いでいっそう繊細な神経叢あるいは網をなし,これから終末枝が出ている(図569).結合組織の中で交感性の線維がいわゆる「自由」終末“freie”EndigungenをなすことはStöhr jr. によれば無いのであって,これは不完全な染色によって現われ,われわれはそれに欺かれるのであるという.

 Stöhr, Ph., jr., Handb. mikr. Anat., Bd. 4,1928およびActa neurovegetativa 1. Bd.,1950.

[図574]交感神経細胞(黒)と副細胞(着色してある)

ヒトの腹腔神経節から得たもの(Ph. Stöhr jr.1939による)拡大×200.

[図575]交感神経細胞とその被包形質胞体Hüllplasmodium

ヒトの上頚神経節より得たもの.(Ph. Stöhr jr.1939による)拡大×500

[図576]交感神経細胞,これは樹状突起dと神経突起nとを有っている;e 側枝Cの終末分枝(細胞周囲網Perizellulares Geflecht);f 別の細胞からの線維,これから側枝c が出ている.(SALAによる)

[図577]交感神経細胞

1 細胞体;2~4 隣り合せている交感神経細胞の細胞体,これらは細胞1の樹状突起(d)の終末分枝により作られた細胞周囲の籠perizellulare Körbeの中に閉じこめられている;n 神経突起.(Retziusによる)

3. 副細胞Nebenzellen(A. Kohnはこれを神経原副細胞neurogene Nebenzellenとよんだ)は群をなしたり,索をなしたりして(図574)神経細胞のあいだにあり,また神経細胞の周りに被いとして存在する(図575).これらはPh. Stöhrによれば形質胞体Plasmodiumを形成し,これはまた神経細胞ともつながっている.

 交感神経細胞とその被包形質胞体Hüllplasmodiumを合わせたものはPh. Stöhr jr.(Z. Zellforsch., 29. Bd.,1939)によれば「形態学的にもまた生理学的にも分けることのできない1つの単位である」という.

4. 結合組織はそれぞれの個々の細胞の周りに特別な1つの被いを成し,この被いの内面には外套細胞Kapselzellenがあり,またこの被い(図575)が神経細胞の枝の上にも続いている.

S.564   

最終更新日13/02/03

 

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