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- 005_01【Nutrient foramen栄養孔 Foramen nutricium】 Opening of the nutrient canal at the surface of the bone.
→(どの骨をとってみても、骨の表面には虫が食ったような孔がポツポツとあいている。これらのうち、こまかい孔やくぼみは主としてシャーピーの線維(骨膜から骨質に入り込む結合組織線維)が侵入する孔であるが、輪郭のハッキリした直径1~2mmの丸い穴は細い血管が骨に出入りするためのもので、栄養孔とよばれる。厳密にいえば、これらの孔の開口部が栄養孔で、骨に入り込んだトンネル状の部分は栄養管と名づけられる。この栄養孔ないし栄養管は骨質を貫いて髄腔(骨髄を収容する腔所)に達している。したがって、栄養孔からはいる動脈は主として骨髄を養うが、その枝は髄腔に近い深部の骨質も養う。また栄養孔から出てくる静脈は骨髄と骨からの炭酸ガスや老廃物を運ぶだけでなく、骨髄で形成された新しい赤血球や白血球を末梢血流に導き出す役割を持っているのである。なお骨の表層の緻密質は、骨膜の動脈叢から出る無数の細い枝で養われが、その進入路は非常に細くて肉眼的にはほとんど見分けられない。それぞれの骨における栄養孔の数や位置は、大体の原則はあるものの個体差ははなはだしい。たとえば椎骨では、栄養孔はとくに椎体の表面に多くみられるが、その数・位置・大きさなどは千差万別でる。なお、椎孔をのぞきこんでみると、椎体の後面にはとくに大きい栄養孔(ここを通る主な血管は椎体静脈)を見いだすことができる。)
- 005_02【Nutrient canal栄養管 Canalis nutriens; Canalis nutriens】 Canal for the passage of vessels nourishing the bone.
→(栄養孔につづく管で、骨に入り込んだトンネル状の部分は栄養管と名付けられる。)
- 005_03【Medullary cavity; Marrow cavity髄腔;骨髄腔 Cavitas medullaris】
→(骨幹部は管状で、厚い緻密骨からなる緻密質が広い髄腔を囲む。髄腔と海綿質の網目の小腔とは造血組織である骨髄で満たされる。)
- 005_04【Fibular articular facet on tibia腓骨関節面(脛骨の) Facies articularis fibularis tibiae】 Posterolateral surface articulating with the head of the fibula.
→(脛骨を後方から見ると、外側顆は内側顆より強く張り出し、その後下外側には卵円形の小さな関節面がある。これが腓骨頭と関節する腓骨関節面である。腓骨関節面というのは腓骨に関する(接する)関節面の意で、ラテン名のなかのfibuolarisが形容詞であることに注意。もしも腓骨そのものの一部をなす関節面であればFacies articularis fibulaeとなるはずである(fibulaeはfibulaの単数所有格)。このようにラテン名は日本名よりも正確にものを表現することができる。)