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- 125_00【Cervical vertebrae [CI-CVII]頚椎[C1-C7] Vertebrae cervicales [CI-CVII]】 The seven cervical vertebrae.
→(脊柱上部の7個の椎骨。ナマケモノ2種を除くすべての哺乳類の頚椎は7個で共通している。第1頚椎(環椎)と第2頚椎(軸椎)は特異的な形をしているが、他の5個の頚椎は共通の特徴をもつ。第3~第7頚椎は下位のものほど大きいが、椎体は小さくて丈が低く、上・下面は前後に圧平された楕円形をしている。椎弓はやや横に張り出し、椎孔の形は三角形に近く、その内径も大きい。頚椎の横突起は他の椎骨に比して著しく幅が広く、かつ短い。その前半は肋骨の遺残であり、後半は本来横突起であって、上面では両者の間に脊髄神経溝がみられる。横突起の前後両部の間を、横突孔というかなり大きな孔が貫通しており、椎骨動脈が通っている。頚椎の棘突起は台7頚椎を除いて、一般に短小であり、ほぼ水平であるが、下位のものほど斜め後下方に傾斜する。棘突起の尖端は、多くは二分しており、その間を項靱帯が上下に走る(第6頚椎では二分が不明瞭なことがあり、第7頚椎では二分していない)。第7頚椎の棘突起は長大で、尖端が結節状に肥厚しており、皮膚の上から容易に触知できるので隆椎とよばれる。頚椎の上および下関節突起は丈が低く、前者は後上方に、後者は前下方に向かっており、下位の頚椎ほど突起の傾斜が著しい。第7頚椎では横突起の前半部が遊離していることがあり、頚肋という。)
- 125_01【Atlas; First cervical vertebra; [CI]環椎[C1];第1頚椎 Atlas [CI]】 First cervical vertebra. It does not have a body.
→(第一頚椎(環椎)は、ほかの頚椎と比べて特殊な形をしていしている。環椎(第一頚椎)には椎体と棘突起は存在せず、短い前弓と長い後弓および外側塊の三つの部分が大きな椎孔を囲んでいる。前弓は椎体の前縁部に相当し、前面中央には前結節が、後面の中央には歯突起窩がある。後弓は椎弓に相当する部分で、後面の中央には棘突起に相当する部分で、後面の中央には棘突起に相当する後結節がある。外側塊は前弓と後弓を結合する分で著しく肥厚している。外側塊からは外側へ向かってかなり大きい横突起が出ており、横突起の基部には比較的内頚の大きな横突孔がある。外側塊の上面には長楕円形の上関節窩が、下面には平らな下関節窩があって、それぞれ後頭骨の後頭顆、軸椎の歯突起がおさめられてりう。後半の部分は本来の椎孔に相当し、三角形状である。頭上に天空を支えるギリシャの神Atlas(Titan)にちなんで命名された。)
- 125_02【Axis; Second cervical vertebra; C2 vertebra; [CII]軸椎[C2];第2頚椎 Axis; Epistropheus [CII]】 Second cervical vertebra.
→(軸椎(第二頚椎)上半部は特異的な形をしており、犬歯によくにた歯突起が上方に突出している。これは本来環椎の軸体であり、発生の途中、椎体の周辺部から分離し、軸椎体と結合したものである。歯突起の前後面にはそれぞれ前関節面、後関節面があり、前者は軸椎の歯突起窩に、後者は環椎横靱帯と対向する。頭蓋の回旋運動は歯突起を軸とする環椎の回旋運動にによって行われる。椎体上面の上関節面は対向する環椎の下関節面の形によく似て円形平坦である。また、椎弓は強大であり、下椎切痕も著明であるが、上椎切痕は明らかでない。横突起はやや小さく、尖端では後結節だけが認められる。)
- 125_03【Third cervical vertebra; C3 vertebra; [CIII]第3頚椎 Vertebrae cervicalis III; [CIII]】
→(第三頚椎では上関節突起の両関節面が互いに後方に向かって開く角度(開口角Öffnungswinkel, Putz)は142℃の状態にあるが、第4~7頚椎でのこの角度は約180°である。(分冊))
- 125_04【Fourth cervical vertebra; C4 vertebra; [CIV]第4頚椎 Vertebrae cervicalis IV; [CIV]】
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- 125_05【Fifth cervical vertebra; C5 vertebra; [CV]第5頚椎 Vertebrae cervicalis V; [CV]】
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- 125_06【Sixth cervical vertebra; C6 vertebra; [CVI]第6頚椎 Vertebrae cervicalis VI; [CVI]】
→(第六頚椎の前結節は特に強大で、頚動脈結節と呼ばれる。第3~7頚椎椎体の上面では側方に2つの高まり、鈎状突起(=椎体鈎)がみられる。(分冊))
- 125_07【Vertebra prominens; Seventh cervical vertebra; C7 vertebra; [CVII]隆椎;第7頚椎 Vertebra prominens; Vertebrae cervicalis VII; [CVII]】 Seventh cervical vertebra. Its name originates from its prominent spinous process (in 70%).
→(第七頚椎は、頚椎のなかでも最も下にあるだけあって、多分に胸椎に似た性格をおびてくる。椎体の大きさも上位の胸椎と大差がないし、棘突起も長大で、尖端の2部は見られない。上・下関節突起にある関節面の傾斜もかなり急になってきている。第7頚椎の棘突起は、生体で「クビ」を前に曲げたときに最も後方に突出している見えることが多い。そのために第7頚椎は隆椎という別名を持っている。)
- 125_08【Dens axis; *Dens of axis歯突起;軸椎歯突起 Dens axis】
→(軸椎の椎体はその頭側面に歯突起という歯の形をした突起をもっており、この突起は歯突起尖に終わる。この突起を軸として軸椎が回転する。)
- 125_09【Inferior articular surface (of atlas)下関節面;下関節窩(環椎の) Facies articularis inferior; Facies articulares caudales; Fovea articularis inferior (Atlas)】 Roundish, slightly convex surface with a cartilage lining.
→(外側塊の下面には第2頚椎の上関節面と関節する下関節窩(下関節面)が円形で平坦な面を見せている。)
- 125_10【Superior articular facet of axis; Superior articular facet for atlas上関節面(軸椎の) Facies articularis superior (Axis)】
→(環椎に対する上関節面)
- 125_11【Anterior tubercle (of cervical vertebra)前結節(頚椎の) Tuberculum anterius (Vertebrae cervicalis)】 Anterior protuberance found on the second to seventh cervical vertebrae for muscle attachment.
→(第二~七頚椎横突起の根もとが横突孔により前・後の2部分に分かたれた形となっている。そのうち横突孔よりも前方の部分が前結節で元来は肋骨に相当するものが椎骨に癒合したものであり、後方の部分が後結節で本来の横突起である。)
- 125_11a【Transverse process of vertebra横突起(椎骨の) Processus transversus vertebrae】
→(横突起は外側に向かって突出する1対の突起である。横突起と棘突起は主として多数の背筋の起着点となる。)
Chassaignac's tubercle
- 125_12Chassaignac's tubercle【Carotid tubercle頚動脈結節(第6頚椎の) Tuberculum caroticum】 Prominent anterior tubercle on the sixth cervical vertebra. Possible compression of the common carotid artery from anterior.
→(第6頚椎の前結節は総頚動脈のすぐ後方に位置するので、特に頚動脈結節と呼ばれる。)
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- 125_13【Costal facet肋骨窩 Fovea costalis】
→( 関節突起、とくに上関節突起はつよく突出し、その関節面は後外方に向いて、ほぼ垂直位をとる。 関節突起の形状によっても、胸椎の屈伸運動は制限される。
椎体の側面に半円形または円形浅い凹み、すなわち肋骨窩がみられる。肋骨窩は肋骨と連結するための関節面で、胸椎の最も著しい特徴となる。
第1~9胸椎は、椎体の側面の上下両端に半円形の上肋骨窩と下肋骨窩とがあり、隣接する椎骨の上肋骨窩と下肋骨窩とが合して1個の肋骨の後端と関節をつくる。
第10胸椎には、上肋骨窩のみがあり、第11・12胸椎には、椎体側面の中央に1個の円形の肋骨窩のみがみられる。
横突起の先端の前面にも肋骨結節と連結する横突肋骨窩がある。(解剖学講義))
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