351_00【Joints of foot足の関節;足関節 Articulationes pedis】 →(距腿関節をも含めて、足根骨、中足骨および足の指骨の間に生ずるすべての関節を総称していう。狭義では距腿関節のみを指す。(解剖学辞典:河西達夫))
351_01【Cuboid bone立方骨;方形骨 Os cuboideum】 Bone located between the calcaneus and the fourth and fifth metatarsals. →(足根骨の遠位列に属し最外側にある。踵骨と第4および第5中足骨との間にあり、内側縁が外側縁より長く、背面が背外側に向いた立方形をしている。外側楔状骨の外側にあって上面が外方に傾いた立方状である。外側面から足底面にかけて後外側から前内側へ走る溝が長腓骨筋腱溝で、溝の後方を境する隆起が立方骨粗面である。内側面中央に外側楔状骨に対する関節面があり、この外後方に舟状骨に対する関節面がある。近位端に踵骨に対する大きな関節面が、遠位端には第4および第5中足骨底に対する関節面がある。ギリシャ語のKybos(立方体)+Oeides(様)に由来する。)
351_02【Groove for tendon of fibularis longus; Groove for tendon of peroneus longus長腓骨筋腱溝;腓骨筋腱溝 Sulcus tendinis musculi fibularis longi; Sulcus tendinis musculi peronei longi】 Groove on the lateral aspect of the calcaneus below the fibular trochlea. →(踵骨外側面の中央やや前よりの部は踵腓靱帯の付く隆起があり、そのすぐ前には後上方より前下方に向かって斜めに走る浅い長腓骨筋腱溝がある。)
351_03【Tuberosity of cuboid bone立方骨粗面;方形骨粗面 Tuberositas ossis cuboidei】 Bony prominence on the inferior aspect of the cuboid proximal to the groove for the tendon of the fibularis longus. →(長腓骨筋腱溝の後縁は高い稜状の隆起の外側半分を立方骨粗面という。長足底靱帯の着く所である。)
351_04【Long plantar ligament長足底靱帯 Ligamentum plantare longum】 Firm band that passes from the calcaneus just anterior to the calcaneal tuberosity to the cuboid and the bases of metatarsals II-V. It supports the longitudinal arch of the foot. →(長足底靱帯は足底の靱帯のうち最も表層にありまた最も長い。そのほかの底側足根靱帯はこれにより下方から被われ、その間に粗な結合組織が介在する。距骨隆起の下面から起こって前方に広がり、その深層の線維は立方骨の長腓骨筋腱溝の後の立方骨粗面に着く。浅層の線維は同腱の表面を越えて少なくも3束に分かれて中足骨底に着く。)
351_06【Plantar calcaneocuboid ligament; Short plantar ligament底側踵立方靱帯;短足底靱帯 Ligamentum calcaneocuboideum plantare】 Shorter fibers of the long plantar ligament. →(底側踵立方靱帯は踵骨下面の前方部(踵骨結節)から起こり、前方に放散して立方骨粗面に着く。)
351_08【Navicular bone舟状骨[足の] Os naviculare】 Bone situated medially between the head of the talus and the three cuneiform bones. →(足の舟状骨は中心足根骨に属し、足根の内側で距骨と楔状骨の間にある。前後に扁平な骨で、背側で凸面、足底側で凹面となっている。前面に3個の凸面の関節面があり、それぞれ内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と関節する。後方は距骨頭に対する関節窩をなす。内側面は粗面状で下方に突出し舟状骨粗面をなす。皮下で触知できる。外側面で立方骨関節することも多い。底側面で舟状骨粗面に近い部に後脛骨筋腱の深層のものが通る浅い斜めの溝がある。ラテン語のNavisの縮小形Navicula(小舟)に由来する。)
351_11【Plantar calcaneonavicular ligament; Spring ligament底側踵舟靱帯;スプリング靱帯 Ligamentum calcaneonaviculare plantare】 Ligament that passes from the sustentaculum tali to the plantar and medial surfaces of the navicular, augmenting the articular surface for the head of the talus. →(底側踵舟靱帯は踵骨の載距突起の前縁下面と内側縁から起こり、舟状骨の底面、内側縁と上面の内側部を結ぶ幅の広い厚い靱帯で、距踵舟関節包の一部となる。一部は同関節腔内に露出して距骨頭の下面に接する凹面となり、線維軟骨化している。この靱帯の内側部は内側靱帯脛舟部の線維と合し、それによって補強されている。上面は距踵舟関節の関節腔内に露出して、距骨頭を下方から支える関節面を形成し、この部分は線維軟骨化して滑液膜におおわれている。この靱帯の下方は後脛骨筋の腱によって支えられ、その内側縁は距腿関節の内側靱帯の前部と癒合している。足弓を支持する役割をもち、距骨と舟状骨の間に張って足弓の頂点の位置にある。この靱帯の無力化は、距骨頭が体重の負荷によって前内下方に押されて扁平足の原因となる。またこの靱帯は弾性線維を含んで足弓に弾性を与え、spring ligamentともよばれる。)
351_12【Sustentaculum tali; Talar shelf載距突起 Sustentaculum tali】 Shelflike process located inferomedial to the middle talar articular surface. It supports the talus and bears most of its bulk. →(中距骨関節面と前距骨関節面はともに距骨の前半部をのせ、載距突起という台状突起の上面をなしている。踵骨の前端には立方骨に対する関節面がある。)
351_13【Groove for tendon of flexor hallucis longus長母趾屈筋腱溝;長母指屈筋腱溝(足の) Sulcus tendinis musculi flexoris hallucis longi】 Groove on the posteromedial aspect of the posterior process for the tendon of the flexor hallucis longus. →(距骨後突起の尖端は上下に走る長母趾屈筋腱溝によって、内側の内側結節と外側の外側結節とに分けられる。)
351_15【Medial talocalcaneal ligament内側距踵靱帯;脛側距踵靱帯 Ligamentum talocalcaneum mediale; Ligamentum talocalcaneum tibiale】 Ligament on the medial side of the foot that extends from the medial tubercle of the talus to the sustentaculum tali. →(内側距踵靱帯は距骨後突起の内側結節から出て前方に向かい、踵骨の載距突起に着く。)
351_16【Talus; *Ankle bone距骨 Talus】 Bone situated between the tibia, calcaneus, navicular, and fibula. →(距骨は脛骨および腓骨と関節をなす足根骨。下腿の骨と他の足根骨との連結する。長軸は後外側上方から前内側上方へ向かう。遠位端の丸い頭と近位端の大きな立方形の体、中間の細く短い頚とに分ける。距骨体の上面は脛骨下端に対する関節面をなし、前後に凸面、左右に軽い凹面をなす。内側縁は直線的で外側縁は後方で内側方へ向かうので、関節面は前方で広く後方ほど狭い。内側面前方上方部にあり脛骨内果関節面に対する関節面が内果面である。広い前方部が前下方へ向かいコンマ状を呈する。内果面以外の部分はは粗面をなし多数の血管孔がある。外側面にあり腓骨外果関節面に対する関節面が外果面である。外果面は逆三角形状で上下に凹面、前後に軽い凸面をなす。外側面の下方への先端部分が距骨外側突起である。上面と内果面および外果面は互いに連絡し全体が隆起して、脛骨の下関節面と内果関節面および腓骨の外果関節面に対する鞍状の関節頭をなす。この関節頭全体が距骨滑車である。後面は狭く、後方に向かう突起が距骨後突起である。距骨後突起は外上方から内下方へ走る長母趾屈筋腱溝により、外側部の大きな外側結節と内側部の小さく踵骨の載距突起の後方に位置する内節結節とに分けられる。外側結節が距骨体から独立し、または軟骨で距骨体と連絡していることがある。この独立した小骨が三角骨である。足底面の後方で踵骨の後距骨関節面に対する長楕円形の凹面をなす関節面が後距骨関節面である。長軸は後内方から前外方へ向かい、矢状面とは約45度をなす。距骨頭は楕円球状で後上外側から前下内側へ突出している。前方の凸面を呈する楕円球面が、舟状骨の後面に対する舟状骨関節面である。距骨頭の足底面には3個の関節面がある。舟状骨関節とは細い隆起線で境され、最後方にある最大の関節面が中踵骨関節面である。関節面は凹面の楕円形で載距突起と関節する。この前外側にあり舟状骨関節面に連絡する比較的平坦で小さな楕円形の関節面が踵骨の前内側上面に対する前踵骨関節面である。前2者の内側にあり舟状骨関節面に連絡する小さな凹面部が、踵舟靱帯に対する距舟靱帯関節面(J.N.A.)である。距骨頚は頭と体の間の狭窄部で、上下に圧平された形をしている。外側上方から内側上方へ傾き粗面をなす。足底面で内側後方から外側前方へ走る深い溝が距骨溝で、踵骨の踵骨溝とともに足根洞を形成する。ラテン語のTalus(踵の骨・くるぶし)に由来する。)