A02_0_00_005

軟骨部Cartilaginous part(Pars cartilaginea)

軟骨部【なんこつぶ】(軟骨はゲル状基質に細胞と線維が埋まった形の一種の結合組織である。基質がゲル状であるために軟骨の硬さと弾力性が生じる。関節面で関節軟骨が露出する場合を除き、軟骨の表面はすべて軟骨膜とよばれる線維性膜で被われる。3種類の軟骨(硝子軟骨、線維性軟骨、弾性軟骨)を区別する。硝子軟骨は豊富な基質を有するが、その基質の光屈折率が基質内に埋もれた線維成分のそれと同程度であるという特徴を示す。小児期および思春期個体では硝子軟骨は長骨の骨端軟骨をなして、個体の成長に重要な役割を果たす。また硝子軟骨は機械力に対する抵抗性が大であり、ほとんどすべての滑膜関節における関節面を被う材料として用いられている。硝子軟骨は再生不能であって、それにいったん傷つくと傷の部分は線維性組織で埋められる。線維性軟骨は比較的少量の基質中に豊富な膠原線維が埋められた形となっている。関節円板(顎関節、胸鎖関節、膝関節などの)や鎖骨、下顎骨の関節面を被う軟骨として存在する。線維性軟骨が損傷を受けた場合は、徐々にではあるが一般の線維性結合組織におけるのと似た方法で修復される。ただし関節円板は血流に乏しいため、いったん損傷すると修復不可能である。弾性軟骨は基質内に埋められた大量の弾性線維を有する。したがってこの種の軟骨は弾性に富み、耳介、外耳道、耳管、喉頭蓋などに分布している。弾性軟骨の損傷部は線維性組織で置き換えられる。個体の老化に伴い、硝子軟骨と線維性軟骨は石灰化ないし骨化の傾向を示す。)

Pocket atlas of human anatomy

 

ページのトップへ戻る