A11_3_00_001

甲状腺Thyroid gland(Glandula thyroidea)

甲状腺【こうじょうせん】 Produces thyroxine and triiodothyronine, hormones that increase metabolic processes. Pathological enlargement is known as goiter.(甲状腺は前頚部の後頭前側にある不規則な楕円形嚢胞からなる内分泌腺で、成人で25~40gである。甲状腺は舌根の上皮が落ち込んで生じた原基が、下の方へ伸びだして出して現在見る位置に落ち着いたものである。舌根の陥入部の名残りが盲孔であり、移動経路に尾を引いて残った原基が発達したものが錐体葉である。この一部が筋組織から成るmのを甲状腺挙筋という(出現率20~30%)。甲状腺挙筋が存在する場合は、舌骨または甲状軟骨から起こって甲状腺に停止している。甲状腺は2種類のまったく異なったホルモンを分泌する。主な甲状腺ホルモンはヨウ素を含むアミノ酸誘導体で全身の物質代謝を亢進させる。1分子に含まれるヨウ素原子の数によって、T4(チロキシン)とT3(3-ヨードチロニン)を区別する。もう一種の甲状腺ホルモンはポリペプチドでカルチトニン(またはチロカルチトニン)という、血中カルシウムイオンの濃度を低下させるホルモンである。ヨウ素をふくむホルモンは甲状腺濾胞を形成する濾胞細胞から分泌され、カルチトニンは濾胞の間あるいは濾胞の周辺に存在する濾胞傍細胞から分泌される。濾胞は甲状腺の構造単位であって中空球状の細胞集団であるが、細胞はその周辺に1層にならんでいるだけで、内腔はコロイドという濃厚な蛋白溶液で満たされている。この蛋白はチログロブリンとよばれ、ヨウ素を含む糖蛋白である。濾胞[上皮]細胞は機能状態によって形が異なり、単層立方または単層円柱上皮が普通であるが、コロイドが極端にたまっているときは、単層扁平上皮となる。この細胞はよく発達した粗面小胞体とGolgi装置をふくみ、糸球体も被い。分泌物はGolgi装置で径150~200nmの小果粒あるいは小胞につめこまれて、濾胞内腔に近い細胞表面の知覚に運ばれる。これは細胞先端部あるいはそのやや下方に集まっていることが多いので、subapical granule(またはvesicle)とよばれる。この果粒は開口分泌によって、その内容を濾胞腔に放出すると思われる。甲状腺が下垂体前葉ホルモンの一種であるTSH(甲状腺刺激ホルモン)によって刺激されると、細胞表面に偽足状の突起が現れて、コロイドを貪食する。そのようにして貪食されたコロイドをふくむ空胞を、コロイド滴という。これに水解小体が融合して、加水分解酵素を得ると、コロイド滴内でチログロブリンが分解され、甲状腺ホルモンであるT4およびT3が生ずる。これらのホルモンは低分子であるから、細胞内を拡散して、基底側に運ばれ、濾胞に近接して分布している毛細血管に吸収されるのである。濾胞傍細胞は動物によって発達が異なり、ヒトでは非常に少ない。細胞質が明るくみえるので、clear cellの略としてC-cellとよばれることがある。これは鰓後体に由来する細胞で、血中カルシウムを低下させるホルモンを分泌する。濾胞細胞のやや外方に位置するが、共通の基底膜で包まれる。しかし、この細胞は濾胞腔に面することはない。径200nm前後の小果粒を多数含んでおり、動物にカルシウムを注射するとこの果粒が著明に減少することから、カルチトニン産生細胞であることがわかった。この果粒は一般のペプチドホルモン産生細胞であることがわかった。この果粒は一般のペプチドホルモン産生細胞と同様に、Golgi装置で産生されて、細胞基底部(基底膜に面する表面)から、開口分泌の様式で放出される。)

Spalteholz

実習人体解剖図譜(浦 良治)

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 I巻

人体局所解剖図譜 IV巻

Moore人体発生学

10-11.咽頭器管の要約

Rauber Kopsch

Band2(167)

Eduard Pernkopf

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

現代の組織学 435

ネッター解剖学図譜

R.V. Krsti?組織篇

R.V. Krsti?(HMA)

 

ページのトップへ戻る