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脊髄第VII層-第XI層Spinal laminae VII-IX(Laminae spinales VII-IX)

脊髄第VII層-第XI層【せきずいだい7そう-だい9そう】 Layers of the anterior horn. They are especially thick and varied in shape at the enlargements. They are more simply arranged, for example, in the thoracic spinal cord. The seventh and eighth laminae are presumably zones concerned with intrinsic spinal reflexes that are controlled by the mesencephalon or by bulbospinal and propriospinal connections. The seventh lamina is also connected with the cerebellum, which is necessary for regulation of posture and movement. Its cells form an inhibitory center in the enlargements. The ninth lamina is comprised of motor neurons of the spinal cord.(脊髄の前角はRexedの層区分に従えば、Rexedの第Ⅶ層の腹側部、第Ⅷ層、第Ⅸ層が属する。第Ⅶ層は中間体として知られているが、前角と後角の中間に位置する。この層の境界は脊髄レベルにより変化しており、脊髄の膨大部では腹側方へ広がって前角の中まで入っている。しかしその他のレベルでは、脊髄灰白質を横切る比較的狭い帯状の領域を成し、ここに側角が含まれる。明るく染まるニューロンは大多数介在ニューロンであるが、この層の中に均一に分布している。この層の中で一定の領域に吻側から尾側方向ににびている、境界のハッキリした細胞柱が明瞭に存在する。このような細胞柱として、背核、中間質外側核、中間質内側核などがある。クーラークの背核(胸髄核)は、第Ⅶ層の内側部にある、円形ないし卵形の神経細胞からなる著明な細胞柱であって、C8からL2のレベルにかけて存在する。この核の神経細胞は多極性ないし卵形で、粗大なニッスル小体と、特徴的な偏心性の核を持っている。後根求心性線維の側枝が、この核の神経細胞に強固にシナプスを形成しており、それは多数の脊髄レベルにおいて著明に互いに重なり合っている。背核の大型神経細胞から、非交叉性の後脊髄小脳路がおこる。第Ⅶ層と、これに接する第Ⅴ層、第Ⅵ層の部分にある神経細胞は、明瞭な神経核を形成してはいないが、前脊髄小脳路をつくる交叉性の線維を出す。第Ⅷ層は前角底部にある不均一な神経細胞からなる領域で、その大きさと形は脊髄レベルにより相違する。脊髄の膨大部では、第Ⅷ層は前角の内側部を占めるのみであるが、それ以外の脊髄レベルでは第Ⅶ層の腹側にあって、前角の基底部を横切って広がっている。この層は、特定の下行性伝導路の多数の神経線維がその境界内に含まれる神経細胞に終末するゆえに、一種別個の存在となっている。筋緊張、姿勢の反射的調節にあずかる前庭脊髄路や網様体脊髄路からの下行性線維を受ける。この層のニューロン細胞体からのびる軸索は、同側および反対側の第Ⅶ層と第Ⅸ層に終わる。 第Ⅸ層は、体性遠心性ニューロン(前根から脊髄をでて骨格筋に向かう軸索を有するもの)の細胞体が内・外側集団をつくる。内側集団(別名:内側核)は体幹筋支配にあずかり、脊髄全長における第IX層で認められるのに対して、外側集団(別名:外側核)は上・下肢筋支配にあずかる関係で頚膨大と腰膨大における第Ⅸ層にしか認められれない。アルファ運動性、ガンマ運動性の両方のニューロン脂肪体が第Ⅸ層に存在している。)

Pocket atlas of human anatomy

 

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