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脊髄第VII層;脊髄の中間帯Spinal lamina VII(Lamina spinalis VII)

脊髄第VII層;脊髄の中間帯【せきずいだい7そう;せきずいのちゅうかんたい】 Lamina surrounding the greater portion of the intermediate column.(第Ⅶ層はまた、中間帯としても知られているが、前角と後角の中間に位置する。この層の境界は脊髄レベルにより変化しており、脊髄の膨大部では腹側方へ広がって前角の中まで入っている。しかしその他のレベルでは、脊髄灰白質を横切る比較的狭い帯状の領域を成し、ここに側角が含まれる。第Ⅶ層には、いくつかの大きな細胞集団が多数の介在ニューロンとともに含まれている。中間質外側核と呼ばれる細胞集団は第1胸髄から第2腰髄までの高さにおける脊髄灰白質の側角をなすものであるが、この細胞集団は交感系節前ニューロン細胞体の第Ⅶ層での集まりにほかならない。中間質内側核という名の細胞集団は脊髄の全長にわたって第Ⅶ層存在するものであり、第Ⅶ層の内側部、中心管の外側部にある小形細胞柱で、あらゆる脊髄レベルで臓性求心性線維群を受ける。胸髄核(クラーク背側核とも呼ばれるもの、この核の神経細胞は多極性ないし卵形で、粗大なニッスル小体と、特徴的な偏心性の核を持っている。後根求心性線維の側枝が、この核の神経細胞に強固にシナプするを形成しており、それは多数の脊髄レベルにおいて著明に互いに重なりあっている)は第1胸髄から第3腰髄までの第Ⅶ層にあり、筋紡錘や腱器官などからの固有感覚入力を受ける。胸髄核から発する軸索は同側上行性の後脊髄小脳路を形成する。また、第2~4仙髄での第Ⅶ層には、仙髄副交感核sacral autonomic nuclei(副交感系の節前ニューロン細胞体の集まり)があるがここではもはや側角を認めない仙髄副交感核は副交感神経性節前線維を出しており、その線維は仙髄前根から出て「骨盤神経」をつくる。胸髄並びに上部腰髄の中間質外側核、仙髄副交感核の細胞群はコリン作働性であって、コリン・アセチルコリントランスフェラーゼに対する抗体により免疫染色される。第Ⅶ層と、これに接する第Ⅴ層、第Ⅵ層の部分にある神経細胞は、明瞭な神経核を形成してはいないが、前脊髄小脳路anterior spinocerebellar tractをつくる交叉性の線維を出す。中心頚核central cervical nucleusは、上位4つの頚髄中にある継続的な神経細胞中であって、延髄下部にまでのびている。この核の比較的大きな多極性の神経細胞は、中間質内側核の外側にみとめられる。中心頚核の神経細胞には後根神経線維が到達しており、かつ、交叉性に小脳への投射線維をだしている。)

Pocket atlas of human anatomy

 

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