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青斑核Caerulean nucleus; Coerulean nucleus(Nucleus caeruleus; Nucleus locus coerules)

青斑核【せいはんかく】 Elongated column of bluish-black cells situated posterolateral to the anterior tegmental nucleus in the lateral wall of fourth ventricle. It is part of the central catecholamine system.(青斑核は、中脳水道に近い菱形窩の最前端の外側にある浅い凹みで、新鮮脳では青色をしている部分。その中にノルエピネフリンを含有するニューロンがニューロンが発見されるまでは、長いあいだにわたり、三叉神経核群の一部とみなされてきた。しかし、それ以後は青斑核は独立の構造とみなされている。青斑核には、細胞構築の所見に基づいて、腹側部と背側部が区別できる。背側部は中等大の紡錘形の細胞を含み、三叉神経中脳路核と前庭神経上核の間に位置する。腹側部は細胞の密度は粗であるが、大形多極性の細胞を含む。多極性細胞の樹状突起は長くのびて青斑核の境界を越え、三叉神経中脳路核や中心灰白質の細胞と接する。青斑核の神経細胞の細胞体からは軸索に似た細い突起が出ている(細胞体棘somatic gemmules)。また青斑核細胞はノルエピネフリンとドーパミン水酸化酵素(ノルエピネフリンをドーパミンに替える)を含んでいる。これらのエピネフリン含有ニューロンは中枢神経系のきわめて広い範囲にわたって投射している。多数のノルエピネフリン含有神経終末が脳血管の周囲にみられることから、ノルエピネフリン含有神経線維が脳血流の調節に関係していると推定している研究者もある。さらに、青斑核は呼吸調節、排尿、覚醒睡眠リズムなどの機構にも参加している可能性がある。①青斑核への入力線維は橋の縫線核、大縫線核、同側の黒質、孤束核、顔面神経核周囲部などから起こる。②青斑核からの出力線維は大部分は背側ノルエピネフリン線維系を形成するが、その他は小脳・延髄・脊髄へも達する。背側エピネフリン線維系の分布は非常に広範囲に及ぶ。主線維群は脳幹被蓋部の外側部を上行し、外側視床下部を経て中隔部に達し、さらに帯状束にも加わる。この主線維群からは多くの線維が分かれて、視蓋、視床、扁桃体、海馬、新皮質など、中脳や終脳の広範囲にわたって分布する。比較的少数の細胞がこれほど広範な領域に直接投射しうる事実は驚くべき事である。小脳へ達する青斑核線維は上小脳脚を通り、小脳核と小脳皮質に分布する。脊髄へ達する青斑核線維にはその全長にわたって走り、前角と後角基部に分布する。)

人体局所解剖図譜 IV巻

Pocket atlas of human anatomy

 

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