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歯状回Dentate gyrus(Gyrus dentatus)

歯状回【しじょうかい】 Curved convolution of gray substance that has a toothed appearance due to numerous indentations. It forms the inferior continuation of the fasciolar gyrus, extends to the medial surface of the uncus, and lies between the hippocampus and parahippocampal gyrus.(海馬と同様歯状回も3層からなる。すなわち分子層、顆粒層、多形細胞層である。これらの層は“U”字あるいは“V”字形となって、開いている部分が海馬采の方を向く。歯状回の分子層は海馬溝の深部で海馬の分子層と連続する。顆粒層は球状や卵形の細胞がぎっしりと並び、そこからでる軸索は多形細胞層を通り抜けて海馬の錐体細胞の樹状突起は主として分子層に入り込んでいる。多形細胞層には錐体細胞の変形や、いわゆる籠細胞など数種類の型が見られる。歯状回から海馬体を越えて出ていく線維はない。海馬体の働きに関係して、組織化学的研究が手掛かりをもたらした。中隔-海馬投射はアセチルコリン分解酵素(AChE)と、コリンアセチル転移酵素(ChAT)陽性の線維を含んでいる。海馬体へのノルアドレナリン性支配は青斑核から起始し、中隔領域を経由して投射する。エンケファリン様免疫反応陽性の軸索は歯状回門から出て、苔状線維として海馬錐体細胞の尖頭樹状突起の近位部に終止する。同じくエンケファリン含有軸索線維の第2グループは、嗅内野皮質の外側部から海馬に“貫通線維”として入ってくる。海馬体の線維連絡を解剖学的に調べてみると、嗅覚性入力をうけていて、その大部分が効果器であることを示唆している。主な求心性線維はそれ自身直接嗅覚線維を受けていない梨状葉の一部である嗅内野から起こっている。嗅内野(28野)からの線維は歯状回と海馬の後部全般に分布する。このうち内側部分から起こる線維はいわゆる海馬白板線維線維を通り、海馬の側脳室に面している側から入る。一方、嗅内野皮質外側部分からの線維は、いわゆる貫通線維を形成して海馬台を通る。これら両者は海馬、歯状回の境界部以外のすべての海馬の区域に分布している。その他、海馬台への入力には海馬采を経由する内側中隔核からの投射線維がある。帯状回から前海馬台と嗅内野皮質への投射は帯状束を経由するが、これは海馬台には入らない。嗅内野皮質は海馬へ投射するので、帯状回皮質からのインパルスは結局海馬に中継されることになる。)

Eduard Pernkopf

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

ネッター解剖学図譜

 

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