A15_2_04_018

内境界層;内境界膜(網膜の)Inner limiting layer of retina(Stratum limitans internum retinae)

内境界層;内境界膜(網膜の)【ないきょうかいそう;ないきょうかいまく(もうまくの)】 (網膜の内境界層はHE染色標本では網膜の内面を縁取る著明な細線として認められるものであるが、電顕によると網膜に特有の支持細胞であるミュラー細胞の扇状に拡大した末端部(これを小足または足板という)が横につらなったものであることが明らかとなった。内境界層は、発生の経過から明らかなように、狭義の網膜の基底面にあたり、網膜はミュラー細胞の小足を裏打ちする基底板を介して硝子体に接しているのである。ミュラー細胞は神経膠性細胞性の支持細胞で、光の入射する方向に一致して狭義の網膜の全層を貫く細長い細胞で、その核は内顆粒層に位置している。網膜の内境界膜と外境界膜はこの細胞の基底側端と自由表面側端によって作られている。ミュラー細胞は細長い胞体の側面からはなはだ多数の細胞質性の突起を出し、これによって視細胞および神経細胞の間の空間を埋めつくし、これらの細胞を栄養支持している。また自由表面からは錐状体および杆状体の内節の間に微絨毛を出している。ただし、HE染色標本ではこの細胞の小足以外の形態を識別することは不可能である。網膜にはミュラー細胞の他に通常の星状膠細胞も散在性にみられる。これらは視神経乳頭の近くの神経線維層の中に特に多数存在する。)

Rauber Kopsch

Band2(603)

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

現代の組織学 463

R.V. Krstić(HMA)

 

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