A16_0_00_009

表皮Epidermis(Epidermis)

表皮【ひょうひ】 Outer layer of skin covering the body, ranging in thickness from 30 Jim to 4 mm or more. It is stratified and keratinized, and consists of squamous epithelial cells.(表皮は皮膚の最表層を占める重層扁平上皮で、その最表層は上皮細胞が死滅し、乾燥した鱗片となり、角質層とよばれる。角質はケラチン(keratin)という硬蛋白の線維状のミセルが密に集合してできており、角質を形成する現象を角化と呼ぶ。手掌、足底の表皮は非常に厚い角質層を有し、その底部はエオジンに好染する明るい層として、淡明層とよばれるが、角質層の一部と考えてよい。角質層の細胞は死滅して、核を失っているが、その下方にある数層の上皮細胞は核を有し、種々の代謝活動を有している。表皮の深部にある、そのような生きている細胞の層を一括してマルピギー層(Stratum malpighii)ということがある。表皮を真皮から剥離して下面をみると、真皮乳頭に対応する所が凹みとなり、その凹みの間がもり上がった網状にみえるので、これをマルピギー網(Rete malpighii)とよんだのがはじまりである。マルピギー層は3層に分けられ、角質層に接する顆粒層、中間部のやや厚い数層の細胞から成る有棘層、最深部で真皮に接触する基底層(円柱層ともよぶ)に区分する。基底層は通常1層のやや高い円柱あるいは立方形の細胞からなっており、ここで細胞が分裂して増殖するので、胚芽層ともよばれる。胚芽層という語はマルピギー層と同義語に用いられることがありその場合は有棘層、顆粒層をも含む。表皮細胞(epidermocyte)は基底層で分裂新生し、次第に表層に移行して、最後には角化死滅して、剥離する。この期間は通常15~30日といわれる。このように必ず角化する細胞であるから、角化細胞(keratinocyte)ともよばれる。この細胞は互いにデスモゾームによって連結し、細胞内には多量の張細糸(tonofilaments)が含まれ、細胞周辺にあるデスモゾームに集中付着している。張細糸はしばしば集まって束をつくり、張細線維(tonofibrilis)とよばれる。張細線維は光顕でみえるが、張細糸は電顕でなければ認められない。有棘層の細胞は多数の突起をもった多角形の細胞で、突起の尖端は隣接する同種の細胞とデスモゾームを形成して連結する。このように棘状の突起を有するので有棘細胞(spinous cell)とよばれるのである。有棘層の顆粒がふくまれている。一つはケラトヒアリン顆粒とよぶのである。電顕的には球状のケラトヒアリン顆粒もあるが、大部分は不規則な星状を呈している。表面に膜はなく、その物質は張細糸の間にしみこんで細糸間物質(interfilamentous substance)を形成する。第2の顆粒は板層顆粒(lamellar granules)で、Odland小体、MCG(membrane-coating granule)、ケラチノゾームなどとよばれる。この顆粒は、こまかい平行層板を内部にもっていて、膜によって包まれている。光顕では認められなかったが、電顕でよく観察できる。顆粒はしばしば細胞の表面に開いて、その内容を放出する。この顆粒の機能は不明なところが多く、ある人々は表皮細胞を互いに分離するに役立つ蛋白分解酵素を含み、一種の水解小体であるというが、他の人々は表皮細胞を互いに結合する役目があるという。基底層の表皮細胞は真皮との間を基底膜あるいは基底板(basal lamina)によって境され、細胞表面には基底膜に対する結合装置として、半デスモゾーム(hemidesmosome)を有する。半デスモゾームのない基底表面には微細飲小胞(micropynocytotic vesicle)がみられる。基底細胞に含まれる色素顆粒(メラニン細胞(melanocyte)によってつくられ、一種の食作用によって、表皮細胞がとりこんだものである。表皮に常在する非上皮性細胞は多数の突起を出すゆえに樹状細胞(dendritic cell)とよばれる。その一つはメラニン細胞であって、基底層にあり、多数の突起を上方に出している。この細胞でつくられたメラニン小体(melanosome)またはメラニン顆粒、突起の中に入り、表皮細胞が突起の尖端を貪食することによってメラニンをとりこむ。メラニン細胞内にある未熟なメラニン顆粒をメラニン前小体(premelanosome)といい、これは表皮細胞はLangerhans細胞とよばれ、大食細胞の一種と考えられている。有棘層の上部にあり、特有の板状あるいはラケット状の顆粒(Birbeck顆粒)を含んでいる。)

Spalteholz

Moore人体発生学

20-1.皮膚の発生

Rauber Kopsch

Band2(683)

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

現代の組織学 237; 511

R.V. Krstić細胞篇

R.V. Krstić組織篇

R.V. Krstić(HMA)

 

ページのトップへ戻る