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 それと同時に多くのばあいは(例外:嗅糸Fila olfactoria)細胞体からいくらか離れたところで,神経突起を周囲から隔離するための被いが初めてあわれる.この鞘の種類によって有髄と無髄神経線維markhaltige und marklose Nervenfasernが区別される.

 有髄神経線維の構造としては1本のガラス管に中に幾本かの細い糸を通して,且つ水をもって充たしたものを考えると,かなり真に近いのである.管のガラス壁が髄鞘に当たり,髄鞘でかこまれた内容すなわち軸索は上に述べた模型の細い糸と水にそれぞれ相当する神経原線維と原線維間物質から成っている.

 軸索Achsenzylinderは新鮮な標本では灰白色で,太さは0.5~1.0µである.髄鞘は輝いてみえる.末梢神経では髄鞘のまわりを神経鞘Neurilemm (Neurolemmというのがいっそう宜しい)がかこんでいる.

 したがって有髄神経線維がさらにシュワン鞘Schwannsche Scheideをもつものと,これをもたないものとに分類される.

[図125]新鮮な有髄神経線維 重複した輪郭をもち,またでこぼこした境界を示している.(Quainより.)

[図126]有髄神経線維の神経角質材.縦断.×1200.

[図127]1本の有髄神経線維の神経角質材.縦断.×1200.

[図128AB]オスミウム酸で処理した有髄神経線維.a軸索;sシュワン鞘;n, n神経角(髄鞘を軽く凹ませている);p, p角の両極に接している微細顆粒性の物質;r, rランヴィエ絞輪(ここでは髄鞘がなくなって,軸索がみえている);Bにおけるi, iはシュミット・ランターマン切痕に相当する円柱円錐節zylindrokonische Segmenteの境界線である.

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最終更新日13/02/03

 

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