Band1.465   

 作用:大腿および下腿を内転する.また下腿を曲げ且つ内方に回す.伸展した膝を固定することにあずかる.

 変異:この筋は時として六腿の下方1/3でいくつかの腱線維を大腿筋膜に送っている.

3. 長内転筋M. adductor longus. (図562, 563, 565, 568, 569) 

 この筋は三角形で,平たく,且つかなり長いもので,力づよい腱をもって恥骨結合と恥骨結節とのあいだの三角形の部分から起り,次第に幅が広くなりつつ外側下方にのびて大腿骨稜の内側唇の中央部に固着している.

 神経支配:閉鎖神経による.

 脊髄節との関係:L. II, III.

 作用:大腿を内転し,これを曲げ且つ外方に回すことにあずかる.

 変異:この筋を貫通する血管のために時として2分していることがある.

[図570] 右大腿骨の下部の外側面における筋の起始と停止

[図571] 右大腿骨の上部の外側面における筋の起始と停止

4. 短内転筋M. adductor brevis  (図563, 565, 568, 569)

 この筋もやはり三角形であって,恥骨筋および長内転筋のうしろにあり,恥骨枝の寛骨臼部と結合部とのあいだの境のところから起り,長内転筋より上方で大腿骨稜の内側唇に停止している.

 神経支配:閉鎖神経による.

 脊髄節との関係:L. II, III, IV.

 作用:この筋は長内転筋と同じく大腿を内転し,これを曲げ且つ外方に回すのを助ける.

 変異:この筋を貫通する」血管によってときどき2分されている.この筋は重複していることがある.

5. 大内転筋M. adductor magnus. (図558560, 563, 565, 566)

 この筋は非常に大きくて且つ厚いものであって,坐骨結節および坐骨枝の恥骨部から起り,扇形に広がる,そのさい上方の線維は斜めに下外側に,下方の線維はほとんどまっすぐに下方へと走り,大腿骨稜の内側唇の大部分(図568).ならびに1本の長い腱をもって大腿骨の内側上顆に固着している.

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最終更新日13/02/03

 

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