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- 699_00【Small intestine小腸 Intestinum tenue】 The small intestine consists of the duodenum, jejunum, and ileum.
→(小腸は胃の幽門から始まり、回盲口によって盲腸に開くまでの細長い管。十二指腸、空腸、回腸からなる。その長さは成人の死体では、全長約7mであるが、小腸の長さは平滑筋層の張力に依存しているために、死後伸びる。生体では平均5mといわれている。食物の消化吸収の主な場所であり、その属腺として肝臓と膵臓がある。小腸は腸間膜を欠く十二指腸と腸間膜小腸が区別され、後者は空腸(はじめの2/5)と回腸(あとの3/5)に分けられる。吸収上皮は内腔への大小の突起を突出させ、表面積は約20m2にも達する。最大の突起は粘膜下組織までを含む輪走する輪状ヒダで、十二指腸で最も発達している。これより一段小さい突起は高さ約1mmの腸絨毛上皮と粘膜固有層とからなり小腸内面をおおう。十二指腸では養状を呈し、空腸、回腸では円柱状である。絨毛の粘膜固有層へは1~2本の動脈が侵入し、先端部で上皮直下の密な毛細血管網に移行したのち1本の小静脈へ注ぐ。絨毛の内輪には太いリンパ管があり脂質の吸収にあずかる。粘膜固有層にはリンパ球、形質細胞、大食細胞などが多数みられる。ことにリンパ球は集族増殖して孤立リンパ小節やそれらが集合して集合リンパ小節をつくる。後者は回腸に多い。発達したリンパ小節は粘膜筋板をおおって粘膜下組織へも侵入する。)
Lieberkuhn, Crypts of
- 699_01Lieberkuhn, Crypts of【Intestinal glands of small intestine腸腺(小腸の) Glandulae intestinales tenuis】 Cryptlike glands of the small intestine.
→(小腸の腸腺はリーベルキューン陰窩ともよばれる。陰窩状を呈する。)
- 699_02【Intestinal villi腸絨毛(小腸の) Villi intestinales intestini tenuis】 Villi of the small intestine measuring 0.5-1.5 mm in length.
→(小腸の腸絨毛は肉眼的には、小腸の粘膜表面はビロード状ないしはベルベット状を呈する。これは、小腸粘膜の指状ないし葉状の小突起(長さ長さ0.5-1.5mm)に起因する。腸絨毛の形態は各小腸各部によって若干異なっており、一般に十二指腸を含めた小腸上部では幅広い葉状、下部では指状を呈する。回腸下端では、腸絨毛は短く、まばらになり、大腸では認められない。腸絨毛は、組織学的には、粘膜上皮が粘膜固有層によって管腔壁へ押し上げられた構造になっている。腸絨毛の芯をなす粘膜固有層には、絨毛の尖端付近で盲端に終わるリンパ管(中心乳糜管central lacteal)や有窓毛細血管網が認められる。また、腸絨毛間には、腸陰窩(リーベルキューン腺)と呼ばれる上皮の陥入がある。腸陰窩の深さは300~500μmあり、十二指腸ではブルンナー腺Brunner's gland(十二指腸腺duodenum gland)がその底部に開口する。腸陰窩は緻密な配列はせずに、陰窩の間は粘膜固有層の結合組織によって埋められている。腸陰窩は、外分泌機能以外に、上皮細胞の分裂、増殖の場でもある。)
- 699_03【Solitary lymphoid nodules of small intestine孤立リンパ小節(小腸の) Noduli lymphoidei solitarii intestini tenuis】 Solitary lymphatic follicles in the lamina propria of the stomach and intestinal canals.
→(小腸の孤立リンパ小節は粘膜固有層内に孤立して存在する。)