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- 791_00【Penis陰茎 Penis】 Male genital organ consisting of the corpora cavernosa and the male urethra.
→(陰茎は男性の交接器であるが、泌尿器の一部である尿道をも含む。恥骨に付着する基部が陰茎根で、根より前方の自由部が陰茎体、先端の膨大部が陰茎亀頭、咽頭後縁の高まりを亀頭冠、その後方の溝の部分を亀頭頚という。陰茎上面を陰茎背といい、平たく、下面は尿道が通過する側で、尿道面という。陰茎の主体は、尿道を包む尿道海綿体と、二つの陰茎海綿体である。左右の陰茎海綿体が接着してできる下面の溝に尿道海綿体がはまる。陰茎海綿体の恥骨下枝への付着部を陰茎脚、尿道海綿体の基部のふくらみを尿道球という。亀頭は尿道海綿体が先端でふくらんだものである。各海綿体は結合組織性の強靭な陰茎・尿道海綿体小柱とよばれる平滑筋を含む柱が多数内腔を走る。陰茎海綿体洞には、深陰茎動脈などからの枝であるラセン動脈が直接に流入する。血液が急速に流入すれば、海綿体、海綿体静脈からの血流の還流が妨げられ、海綿体は腫脹して陰茎が膨起する。左右の陰茎海綿体の間の不完全な仕切りを陰茎中隔といい、亀頭内の正中にあるものを亀頭中隔という。三つの海綿体を深陰茎筋膜が共通に包み、さらにその外側を浅陰茎筋膜が包む。陰茎の皮膚はゆるく、前方では二重となってヒダをつくり、これを包皮という。包皮と亀頭下面を結ぶヒダを包皮小帯という。下面には陰嚢縫線につづく陰茎縫線が認められる。亀頭冠には包皮線があり、これは独立皮脂腺である。)
- 791_01【Corpus cavernosum penis陰茎海綿体 Corpus cavernosum penis】 Cavernous body that is divided into two halves by the septum penis.
→(陰茎海綿体は陰茎体の背側に左右1対ある。白膜とう厚い結合組織性被膜で被われている。)
- 791_02【Corpus spongiosum penis; Corpus spongiosum of urethra尿道海綿体 Corpus spongiosum penis; Corpus cavernosum urethrae】 Cavernous body surrounding the male urethra.
→(尿道海綿体は1個で、陰茎の尿道面側にあり、その中を全長にわたって尿道が貫き走っている。尿道海綿体は陰茎海綿体よりも小さいが、先端部は円錐状に肥大し陰茎海綿体の先端部に被いかぶさるように亀頭をつくる。尿道海綿体も白膜で覆われている。)
- 791_03【Glans penis; Glans of penis陰茎亀頭 Glans penis】 Enlarged end of the corpus spongiosum of penis.
→(尿道海綿体の膨大した末端部。(Feneis))
- 791_04【Prepuce of penis; Foreskin包皮(陰茎の);陰茎包皮 Preputium penis】 Double fold of skin over the glans penis.
→(陰茎の皮膚は陰嚢と同様に色素に富み、皮下脂肪がない。亀頭の基部を輪状に取りまく皮膚は包皮と呼ばれ、小児では亀頭を覆っている。包皮は亀頭の表面の皮膚に移行する。包皮が亀頭を覆っており、亀頭を越えて翻転できないものを包茎phimosisという。白人には日本人より包茎が多い。程度の強い包茎は手術で治す必要がある。ユダヤ人社会、イスラム教徒など一部では割礼circumcisionといって、男児の包皮を切り取る儀式が行われている。)
- 791_05【Septum penis; Septum pectiniforme of penis陰茎中隔;(陰茎海綿体)櫛状中隔 Septum penis; Septum pectiniforme corporis cavernosi penis】 Partition with spaces giving it a pectinate form which divides the right and left corpus cavernosum, it arises from the tunica albuginea.
→(陰茎中隔は陰茎海綿体を左右に分ける櫛状の隔壁である。)
- 791_06【Male urethra男性尿道 Urethra masculina】
→(男の尿道は長さ約15~20cmである。膀胱頚の内尿道口に始まり、前立腺内を走り、尿道生殖隔膜を貫通し、陰茎の体を通って亀頭の前端で外尿道口に開く。尿道は走行によって、前立腺部・隔膜部・海綿体部の3部に分けられる。まず前立腺を貫通し、これを尿道の前立腺部という。後(背)壁中央には尿道稜があり、膀胱垂の連続する縦の隆起である。尿同僚の中央部は紡錘状にふくらみ、これを精丘という。精丘には前立腺小室が盲嚢として開く。これは胎生期のMueller管の名ごりで、男性子宮または男性腟ともいう。前立腺小室の両側に射精管が開口し、これより先の尿道は尿路と精液の通路を兼ねる。精丘両側のへこみが前立腺洞で、多くの前立腺管が開口する。つづいて尿道は尿生殖隔膜を貫く。これが隔膜部で、約1cm長。さらに外尿道口までが海綿体部で、12~14cm長。亀頭内の部分が膨大し、ここを尿道腺窩という。その後端上壁に舟状窩弁とよばれるヒダがある。海綿体部の粘膜には陥凹が多数みられ、尿道腺(リットレ腺)が開口する。)