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- 795_00【Vagina腟 Vagina】 Fibromuscular canal about 10 cm long that is flattened frontally and appears H-shaped in cross-section.
→(腟は女性の交接器であり、産道の下部をなし、月経による産物を排出する経路となる。上方は子宮口を通じて子宮腔に、下方は腔口を通じて腟前庭で外界に開く。腟口を不完全に閉じる粘膜のヒダが処女膜で、その遺物が残るものを処女膜痕という。子宮の腟部が腟後壁の方を向くため、後壁は長く(7cm以上)、前腟はやや短い(6cm)。子宮腟部と腟壁の間で、腟部を輪状に取りまく陥凹を腟円蓋という。腟壁には横皺が多く、腟粘膜皺といい、前・後壁には縦の隆起があって、前皺柱、後皺柱という。前皺柱の下部は尿道により生ずる腟の尿道隆起に連続する。粘膜上皮は重層扁平上皮、筋層は平滑筋からなる。腟の刺激によって、性感特に絶頂反応(オルガスム)が起こるメカニズムについたは、ほとんど何もわかていなかった。産婦人科医の話によると、腟口の一部分を除けば、腟は機械的な刺激には鈍感らしい。メスで切っても鉗子でつまんでも、患者は痛みを訴えないという。組織学的にも、腟壁に豊富な知覚神経が分布している様子はなく、終末装置のようなものは全く見られない。それでは性交による腟の快感はどこからくるのだろうか?最近の研究によると、その答えは、腟の前方を走る尿道にありそうだ。免疫組織化学の発達によって、尿道の固有層と更に上皮の中に、知覚神経(Substance PとCGPRという、いずれも知覚神経に特徴的な伝達物質を含む)が、想像を絶するほど密な網を作っていることが分かってきた。それに加えて上皮の中には、セロトニン(5HT)というアミンを分泌する、神経細胞に似た正常の細胞(paraneuron)がたくさんに分布している。このパラニューロンは、上皮の中に樹枝状に突起を伸ばし、その分布と形態から見て、圧迫される、引き延ばされる、といった機械的な刺激を受ける機械受容細胞mechano-receptorと推定される。)
- 795_00a【Uterus子宮 Uterus】 Pear-shaped organ measuring about 7.5 cm in length.
→(子宮は骨盤腔のほぼ中央で膀胱の後ろ、直腸の前に位置する筋性の中空器官でで卵管から送られてきた授精卵が着床し、発育して胎児となり、分娩にいたるまでの間、必要な血液を供給し、発育の環境を与える器官である。子宮は妊娠していないときは非常に小さい(約2.5×4×7cm)が、妊娠とともに巨大になる。これは主として子宮筋層の平滑筋細胞の肥大と増殖、結合組織の増量による。子宮は西洋梨型の嚢状器官で、上縁(子宮底)の外側端に左右の卵管が開く。ほぼ球状の糸球体は下方にのびて円筒形の子宮頚となり、腟に向かって突出する子宮腟部を形成し、子宮頚を縦に貫く頚管は、上方は子宮腔に開き、下方は外子宮口によて腟の内腔にひらく。子宮の外面は子宮蓋膜であるが、その一部(子宮底と子宮体後面)のみを腹膜がおおって、子宮漿膜をなし、他は粗線遺精結合組織からなる蓋膜である。子宮壁は大部分を占める子宮筋層は非常に厚く、次の4層に分けられる(内方から外方の順)。(1)粘膜下層:大部分縦走筋、一部は斜走または輪走筋。(2)血管層:多くの血管を含み海綿状をなす。輪状ないし斜走筋。(3)血管上層:輪状ないし縦走筋。 子宮壁の内面をおおう粘膜を子宮内膜という。子宮体の内面をおおう子宮内膜は月経周期とともに形態変化をなし、妊娠によって脱落膜にかわる。しかし頚管内面の子宮内膜は周期的変化をしめさない。子宮内膜の表面上皮は単層円柱上皮で、線毛細胞と分泌細胞が混ざっている。内膜の厚さは月経周期の時期によって異なるが、厚い粘膜固有層(子宮内膜支質)の中を、表面から垂直に管状の子宮腺が伸びている。子宮腺の中にも少数の線毛細胞がある。頚管粘膜は丈の高い円柱上皮で被われており、その上皮細胞は粘液によって満たされている。子宮頚腺は複雑に分枝する大きな腺で、腺細胞は丈が高い円柱状細胞で粘膜を分泌する。この腺の導管が濃い粘液のために閉塞し、腺体が極端に貯留した粘液のために閉塞し、腺体が極端に貯留した粘液のために拡大して肉眼で小胞状にみえることがあり、古くからナボットの卵(嚢胞)とよばれてきた。子宮頚部の外表面は平滑で、腟と道央に重層扁平上皮でおおわれている。頚管の円柱上皮から重層扁平上皮への移行は外子宮口のすぐ内側で急激に代わる。頚管内の円柱上皮が斑点状に子宮腟部の重層扁平上皮の部分にまぎれこんだものを頚部ビランという。これは炎症をおこしやすい。また子宮頚癌の原因になる。)
Fallopian tube
- 795_00cFallopian tube【Uterine tube; Oviduct卵管;ファロッピー管 Tuba uterina; Salpinx】 About 10 cm long tube connecting the region around the ovary with the uterus.
→(ファロピウス管とも呼ばれる。卵巣から排卵された卵子を子宮に運ぶ管で、受精は卵管とくに膨大部で起こる。卵子が受精していれば子宮に子宮腔に達して着床する。漏斗部、膨大部、峡部、子宮部からなる。ガレノスらも記載しているが、ファロピウスの報告で知られたので彼の名が残った。なお、同じファロピウスの名を冠する顔面神経管は、日本では混乱をさけてファロッピオ管と呼ぶことが多い。卵管は卵巣と子宮とを結び、卵を子宮へ送る。卵巣側の端は卵管腹腔口で腹腔に開き、子宮側の端は卵管子宮口で子宮内膜へ開く。卵巣側2/3の部分はやや太く、卵管膨大部をなし、その卵巣右端はとくに拡がって卵巣漏斗をつくる。漏斗の縁からは房状の卵管采が放射状にひろがり、そのうちの一つ、卵管采は卵巣外側端へ達する。卵管の子宮側は1/3はやや細く、卵管峡部といい、その先で子宮壁内を通る部分を子宮部という。卵管内面には粘膜のヒダである卵管がよく発達して、複雑な形を示す。上皮は単層円柱で、繊毛細胞と分泌細胞が混在する。筋層は内輪外縦、その外側は漿膜におおわれる。イタリアの解剖学者Gabriele Fallopio [Fallopius] (1523-1563)の名を冠する。)
- 795_00d【Right ovary右卵巣 Ovarium dexter】
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Rosenmuller, Organ of
- 795_01Rosenmuller, Organ of【Epoophoron卵巣上体 Epoophoron】 Vestige of the mesonephros in the mesosalpinx.
→(卵巣間膜にみられる痕跡的細管の集合。尿生殖器の器官発生で中腎に由来し、中央部の中腎細管の遺残で男性の臓側の精巣上体管や迷管と相同なもの。)
- 795_02【Transverse ductules of epoophoron横小管(卵巣上体の) Ductuli transversi epoophori】 Ten to twenty transverse mesonephric ducts that open into the longitudinal duct.
→(横走する10~20本の中腎小管遺残で卵巣上体縦管に開く。 (Feneis))
Gartner's duct; Malpighian canal
- 795_03Gartner's duct; Malpighian canal【Longitudinal duct of epoophoron; Duct of epophoron卵巣上体管;卵巣上体縦管 Ductus longitudinalis epoophori; Ductuli epoophori】 Remnant of the mesonephric duct in the mesosalpinx.
→(ガントネル(ガルトナー)管ともいう。卵管間膜にある中腎管の遺残。Gartner, Hermann Treschow (1785-1827) デンマークの外科医。ウォルフ器官の残遺物、ガルトネル管を記す。これを1681年にMalpighiが牛で見つけていたが、1822年にガントネルが再発見。しばしばこれが悪性化してガルトネル嚢となる。)
- 795_04【Mesosalpinx♀卵管間膜(♀) Mesosalpinx♀】 Superior portion of the broad ligament of uterus containing scant connective tissue; peritoneal fold.
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- 795_05【Folds of isthmus (Uterine tube)峡部ヒダ(卵管の) Plicae isthmicae】
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- 795_06【Isthmus of uterine tube卵管峡部 Isthmus tubae uterinae】 Medial, narrowed one-third of the uterine tube. It adjoins the uterus at the tubal angle.
→(卵管峡部は膨大部につづく細い部で、長さ約3~4cm。おぼ直走して子宮側壁に達する。)
- 795_07【Uterine part of tube; Intramural part of uterine tube子宮部(卵管の);壁内部(卵管の) Pars uterina tubariae】 Part of the isthmus situated in the wall of the uterus.
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- 795_08【Uterine ostium of tube卵管子宮口 Ostium uterinum tubae uterinae】 Opening of the uterine part of the isthmus into the uterine cavity.
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- 795_09【Uterine cavity子宮腔;子宮体腔 Cavitas uteri; Cavum corporis uteri】 Cavity-like space within the uterus that is shaped like an inverted triangle and has a mucosal lining.
→(粘膜で被われた内腔。 (Feneis))
- 795_10【Endometrium粘膜(子宮の);子宮内膜 Tunica mucosa uteri; Endometrium】 Mucous membrane lining the uterine cavity. It lies directly on the myometrium.
→(子宮の粘膜で、単層円柱上皮および単一管状の子宮腺をもつ固有層で構成される。内膜の構造、厚さ、状態は月経周期に伴って大きく変化する。)
- 795_11【Border of uterus[右・左]子宮縁;外側縁 Margo uteri; Margo lateralis】 Blunt lateral borders of the uterus that provide attachment to the broad ligament of the uterus.
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- 795_12【Myometrium; Muscularis of ureter筋層(子宮の);子宮筋層 Tunica muscularis; Myometrium】 Very thick muscular wall of the uterus composed of three layers. Its middle layer of smooth muscle is arranged as a three-dimensional network in the fundus and body of uterus. The internal and external layers are composed of circular and longitudinal smooth muscle. In the cervix, myometrium cells tend to form circular bands.
→(子宮筋層は厚さ1cmを超える平滑筋の層である。直径10~15μmの平滑筋線維よりなる厚いそうで、内側より、粘膜下層、血管層、血管上層、漿膜下層の4層に区別されているが、実際には、ラセン状にとりまいており、平滑筋線維が交錯しているので、子宮体の横断標本でこれらの層を明瞭に区別することは出来ない。平滑筋線維の長さは約50~60μmであるが、妊娠時には、平滑筋細胞の分裂増殖および増大がみられ、長さ600μmにも達するが、出産後、再び原型に復帰する。なお、血管上層の平滑筋線維は、卵管の筋層に続いている。)
- 795_13【Isthmus of uterus子宮峡部;子宮狭 Isthmus uteri】 Transition between the body of uterus and the cervix of uterus. It widens during pregnancy to form what is referred to in clinical terms as the 「lower uterine segment.」
→(子宮腔は頚管に移行する所では特に狭くなっている(子宮峡部)。つまり子宮頚部とは子宮体と頚の間の約1cm長の部分である。)
- 795_14【Serosa of uterus; Serous coat of uterus; Perimetrium漿膜(子宮の);子宮外膜;子宮周囲組織 Tunica serosa uteri; Perimetrium】 Peritoneal covering of the uterus.
→(子宮の漿膜は子宮外膜ともよばれる。子宮底と子宮体の上面・前面・後面で子宮壁は腹膜で被われる。腹膜は子宮の左右両側では合わさって2重のヒダ、すなわち子宮広間膜をつくる。子宮外膜は広間膜の間につづく。とくに下部では外膜は周囲の結合組織につらなる。)
- 795_15【Supravaginal part of cervix腟上部(子宮頚の) Portio supravaginalis cervicis】 Part of the cervix above the vagina. It is fixed within subperitoneal connective tissues.
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- 795_16【Palmate folds of cervical canal棕状ヒダ(子宮頚管の) Plicae palmatae canalis cervicis uteri】 Mucosal folds that converge in a pattern resembling palm fronds inferiorly in the direction of the lumen.
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- 795_17【Posterior lip of external os後唇(外子宮口の) Labium posterius ostii uteri】 Posterior border of the external os of uterus.
→(子宮口の後縁。 (Feneis))
- 795_18【External os of uterus; External os of cervical canal外子宮口;子宮口;外頚管口 Ostium uteri; Orificium externum uteri; Orificium externum canalis cervicis】 Opening of the cervical lumen into the vagina. It has a pitlike shape in nullipara that after childbirth becomes slitlike.
→(子宮腔の腟への開口。子宮腟の腟への開口。未産婦では小窩状で、経産婦では裂目状である。 (Feneis))
- 795_19【Anterior lip of external os前唇(外子宮口の) Labium anterius ostii uteri】 Anterior border of the external os of uterus.
→(子宮口の前縁。 (Feneis))
- 795_20【Folds of ampulla (Uterine tube)膨大部ヒダ(卵管の) Plicae ampullares】
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- 795_21【Ampulla of uterine tube; Ampulla of oviduct卵管膨大部 Ampulla tubae uterinae】 Lateral enlargement of the uterine tube. Its lumen tapers to form the isthmus of uterine tube.
→(卵管膨大部は漏斗につづく太い部。長さ7~8cmで、卵管全長の約2/3を占める。卵巣の前上方をアーチ状に走る。膨大部は太いが、壁は薄い。粘膜には、きわめて複雑なヒダが発達し、内腔のほとんどを占めている。)
- 795_22【Infundibulum of uterine tube; Infundibulum of oviduct卵管漏斗;卵管漏斗部 Infundibulum tubae uterinae】 Funnel-shaped beginning of the uterine tube.
→(漏斗状の卵管起始部で卵巣に接する。 (Feneis))
- 795_23【Fimbriae of uterine tube; Fimbriae of oviduct; Tubal fimbriae卵管采 Fimbriae tubae uterinae】 Fringelike processes on the infundibulum.
→(房状の漏斗付属物。 (Feneis))
- 795_24【Ovarian fimbria of uterine tube卵巣采;漏斗卵巣縁 Fimbria ovarica; Margo infundibulo-ovaricus】 Long fimbria between the infundibulum of uterine tube and ovary. It acts to ensure contact between the end of the tube and the ovary.
→(漏斗底部から卵巣までのび、これに付着する長い1本の采。 (Feneis))
Morgagni, Hydatid of
- 795_25Morgagni, Hydatid of【Vesicular appendices of epoophoron胞状垂(卵巣上体の) Appendices vesiculosae epoophori】 Dispersed mesonephric ducts ending in vesicles, usually near the infundibulum of uterine tube.
→(多くは卵管漏斗の近くにある小胞状に終わる中腎小管。 (Feneis))
Graafian follicle
- 795_26Graafian follicle【Vesicular ovarian follicle胞状卵胞 Folliculi ovarici vesiculosi】 Vesicular follicle, tertiary follicle. Mature follicle with fluid-filled space.
→(グラーフ卵胞ともよばれる。卵巣の成熟卵胞。卵母細胞が完全に成熟した卵胞で、胞状卵胞ともいわれる。オランダの生理学・組織学者Regnier Graaf (1641-1673)の名を冠する。)
- 795_27【Corpus luteum黄体 Corpus luteum】 Gland arising from the corpus rubrum. Fat droplets lend it a yellow appearance. It is an endocrine gland that secretes progesterone and estrogen.
→(黄体は排卵後の卵胞から生ずるが、黄体細胞の起源は2通りあると考えられている。その大部分は顆粒層細胞から生じ、顆粒層黄体細胞(granulosa lutein cells)とよばれてる。ほかの種類は黄体の周辺部にある小さい細胞で、卵胞膜黄体細胞(theca lutein cells)とよばれる。黄体細胞は副腎皮質束状帯の細胞に似ていて、非常によく発育した滑面小胞体と多数の脂質滴を含み、糸粒体は球形の大型のものが多く、クリスタは管状である。粗面小胞体も平行板状に並んだ群が斑点状に分布する。黄体ホルモン(progesterone)はこのよく発達した滑面小胞体と糸粒体の共働のもとに合成されると思われる。そのほかに300nm前後の暗調な球形顆粒がみられることがあり、開口様式で放出される像が得られている。この顆粒は黄体から分布されるという蛋白ホルモンであるリラキシンではないかという説がある。)
- 795_28【Hilum of ovary卵巣門 Hilum ovarii】 Site of entry and exit of blood vessels as well as attachment of the mesovarium.
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- 795_29【Ovary卵巣 Ovarium】 It lies intraperitoneally on the wall of the lesser pelvis in the ovarian fossa. It is 2.5-4.5 cm long and 0.5-1 cm thick. Its long axis is vertical when standing.
→(女性の生殖細胞すなわち卵子を作り出す器官、女性の生殖腺は卵巣である。卵巣は腹腔(骨盤腔)内にあって、成人では平均1×2×3cmくらいの扁平楕円形の器官である。その一端は卵巣間膜によって、子宮広間膜に固定さえている。卵巣の表面は、1層の扁平ないし立方上皮でおおわれている。これは卵巣ばかりでなく、他の腹腔内器官の表面をおおっている腹膜中皮と本質的に異ならないので、卵巣の表面上皮とよばれる。しかし古くはこの上皮から原始卵細胞が発生すると考えられたので、胚上皮とよばれた。現在はこの考えは否定されている。表面上皮の皮膜を形成している。この膜を白膜とよぶ。卵巣の実質は皮膚と髄質に分けられるが、両者の区分は明瞭ではない。皮質には卵細胞を含む多数の胞状体が存在し、卵胞とよばれる。正常な女性の卵巣には両側に合わせて数十万個の卵胞があるた、この中一生涯(生殖期間中)に排卵されるのは1000個以下である。卵胞はその発育段階によって、(1)原始卵包、(2)一次卵胞、(3)二次卵胞、(4)成熟卵胞というように異なった名で呼ばれる。成熟卵胞はその内部の卵胞腔に大量の卵胞液を貯え、非常に大きくなって卵巣の表面にドーム状に隆起する。人では28日周期で、この成熟卵胞が表面に破裂して、卵細胞をふくむ卵胞内容が腹腔内に放出される。これを排卵という。排卵された卵はその表面に1層の卵胞上皮細胞の層(放線冠)を付着させている。卵胞上皮(果粒層細胞)の残りの大多数はそのまま排卵後の卵包内にとどまり、この卵胞はつぶれて果粒層はひだをなして内腔に落ち込む。さらに内卵胞膜の血管から出血して、内腔に凝血塊たまってくる。このような排卵後の卵胞はまもなく、多数の多角形の細胞の集団となり、その細胞が黄色の組織を有するようになるので、黄体とよばれる。排卵された卵は、卵管采の働きや、卵管粘膜の線毛上皮細胞の線毛運動による水流にさからって溯ってくる。これは精子自身の鞭毛運動による。授精は卵管内でおこり、授精卵は子宮粘膜(子宮内膜)に着床して妊娠が成立する。卵巣内では排卵後に形成された黄体が、卵の授精、妊娠の成立とともに、一層大きくなって妊娠黄体となり、6ヶ月の間成長するが、その後は徐々に縮小し、分娩後は急速に縮小して白体になり瘢痕化する。妊娠が成立しなかったときには、黄体はそれほど大きくならないので、月経黄体とよばれ、約14日間存続し、継いで急速に変性萎縮して白体となる。卵巣は生殖細胞を産生する器官であると同時に、内分泌腺でもある。卵巣は分泌されるホルモンに2種あって、卵胞ホルモン(エストロゲン)は一次卵包囲後の卵胞の外方をとり囲む間質組織(結合組織)に由来する卵胞膜の内方部分、すなわち内卵帆うまくの細胞で合成される。他のホルモンは黄体細胞で形成されるので、黄体ホルモン(プロゲステロン)とよばえ、卵胞ホルモンは子宮内膜を増殖肥厚させ、黄体ホルモンは妊娠を持続させ役立つ。)
- 795_30【Ligament of ovary; Proper ligament of ovary固有卵巣索;子宮卵巣索 Ligamentum ovarii proprium; Ligamentum uteroovaricum】 Band that passes between the uterine extremity of the ovary and the uterus, posterior to the tubal angle. It contains smooth-muscle cells and allows for a certain degree of mobility of the ovary, necessary during ovulation.
→(固有卵巣索は尾側生殖提に由来する。広靱帯のヒダの間を卵巣の下端から子宮の横に至る索状の線維束。)
- 795_31【Internal os of uterus内子宮口;内峡管口 Ostium internum uteri; Orificium Orificium internum uterei; Orificium internum canalis isthmi】
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- 795_32【Internal os of cervical canal外峡管口;内頚管口 Orificium externum canalis isthmi; Orificium internum canalis cervis】
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- 795_33【Cervical canal子宮頚管 Canalis cervicis uteri】 Tubular lumen of the cervix.
→(子宮頚管は子宮頚部から外子宮口に至る管状の内腔。)
- 795_34【Vaginal part of cervix; Vaginal part of cervix of uterus腟部(子宮頚の) Portio vaginalis cervicis】 Part that projects into the vagina and is lined with vaginal epithelium. Clinical term: 「portio.」
→(円錐状に腟に突出した頚の部分で、全面を腟粘膜で被われている。(Feneis))
- 795_35【Anterior wall of vagina前壁(腟の) Paries anterior vaginae】
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- 795_36【Vaginal mucosa; Mucous membrane of vagina粘膜(腟の);腟粘膜 Tunica mucosa vaginae】 It does not contain any glands and is lined with glycogen-rich nonkeratinized, stratified squamous epithelium.
→(腟の粘膜層。)
- 795_37【Muscular layer of vagina筋層(腟の) Tunica muscularis vaginae】 Thin muscular coat with smooth-muscle cells that cross each other, forming a network with collagenous and elastic fibers.
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- 795_38【Vaginal rugae腟粘膜ヒダ;腟粘膜皺;腟粘膜摺 Rugae vaginales】 Transverse folds in the vaginal mucosa.
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- 795_39【Anterior vaginal column前皺柱;前ヒダ柱;前摺柱;前腟摺柱 Columna rugarum anterior】 Longitudinal ridge in the posterior vaginal wall.
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