980
- 980_00【Eyeball眼球 Bulbus oculi】
→(眼球は名前のように球状(直径約25mm・体積約8cm3)で、視覚器の主要部をなす。眼窩脂肪体、眼筋筋膜、眼球鞘などに包まれて眼窩中にあり、前方からは眼瞼により保護されている。また眼筋の働きにより球関節に似た自由度の高い体軸性運動を行う。眼球の内部には前方に眼房水、後方に硝子体が満ちて、12~22mmHgの内圧が保たれる。眼球の形状を規定するため、前極、後極、赤道、経線、外眼球軸(前・後極を結ぶ)、内眼球軸、視軸などを用いる。眼球軸は角膜と水晶体前・後面の曲率中心を通る軸で、網膜面では中心窩と円板の中間を通る。したがって水晶体後面の屈曲率中心と中心窩を結ぶ視軸とは一致しない。眼球壁は組織発生的に、①眼球線維膜(強膜、角膜)、②眼球血管膜(脈絡膜、毛様体筋、虹彩支質、角膜内皮、胎児期の瞳孔膜)、③眼球内膜(網膜視部、毛様体・虹彩色素上皮層)の3層よりなる。①と②は中胚葉、③は神経外胚葉に由来する。内部の水晶体は体表外胚葉、硝子体は中胚葉由来であり、眼瞼・眼球膜、角膜上皮は皮膚の表皮の続きである。)
- 980_01【Visual line視線 Linea visus】
→(最も鮮明に物体を見る。後極より約1mmの網膜中心窩を通り、眼球軸よりやや外方に傾いている。)
- 980_02【Lens水晶体 Lens; Lens crystallina】 Lens suspended by the ciliary zonule between the pupil and vitreous body. It measures 9-10 mm in diameter and is about 4 mm thick.
→(水晶体は虹彩の後方、硝子体の前方に位置し、双凸面レンズ構造をもつ。赤道直径約9mm、水晶体軸(前、後極を結ぶ直線)3.7~4.4mm、前面弯曲度から8mm、後面弯曲度~6mm、屈折率1.36(中央部)~1.42(辺縁部)。水晶体は無色透明な水晶体包(前面で厚く、後面で薄い粘液多糖体層で、水晶体上皮の基底膜が発達したもの)におおわれる水晶体質よりなる。水晶体質はより軟らかい上皮と硬い核に分かれやすく、胎児では雌で水晶体包に切れ目をいれるとはじけるように裂ける。生体では前、後極から発する数本の水晶体放線がわずかに認められ、胎児では前後両面放線がわずかに認められ、胎児では前後両面に、たがいに120°に交わる3本の放線(前面逆Y字、後面正Y字形)を示す。水晶体の構成要素は水晶体線維で、発生初期の単層の水晶体胞の後壁の細胞のみが著しく長大化したものである。前面に層単層の水晶体上皮は水晶体胞前壁の原型を保つ。赤道より後面にいくにしたがい長細い六角形の水晶体線維の束へと移行する。胎児期の放線は水晶体線維束の付着点をなす中隔に一致し、前極からおこる線維は後面の赤道近くの最寄りの放線に、前面赤道近くの中隔よりおこる線維は後極へ向かう。水晶体線維は緊密かつ生前と配列するが、微絨毛を出して細い細胞管腔を確保し、水および代謝物質の移送路を形成する。生体の水晶体には血管の神経の分布が認められない。胎児の水晶体包は硝子体動脈により養われるが、妊娠末期に道動脈が閉鎖する。老年者では前後面の弯曲度が減って扁平となり、黄白色を帯びる傾向にある。この変化が進行したものを白内障cataractという。全体の25%を占める水晶体蛋白はα-およびβ-クリスタリンと不溶性アルブモイドよりなり、そのほかにグルタチン、ビタミンCなどが含まれる。)
- 980_03【Cornea角膜 Cornea】 Transparent, anterior part (1/6) of the eyeball that is anteriorly convex and posteriorly concave. It is 0.9 mm thick in the middle and 1.2 mm thick at the margin.
→(角膜は眼球前方部の透明部分。厚さ約1mm、直径10~12mmの前弯した楕円形の膜で、角膜頂、角膜縁、前および後面を区別する。弯曲度は前面(曲率半径約7.8mm)よりも後面の方が強い。前面は光学的に縦径線が横径線に比してやや強く弯曲し、正視眼ではこの差は水晶体弯曲度の逆の関係により補正されるている。角膜の特徴として、角膜血管が入る辺縁部以外ではまったく血管が存在しない。組織学的に5層が区別される。①角膜上皮、②前境界板(Bowman膜)、③角膜固有質、④後境界板(Descement膜)、⑤角膜内皮)
- 980_04【Anterior chamber of eyeball前眼房(眼球の) Camera anterior bulbi oculi】 Space extending from the anterior surface of the iris to the posterior side of the cornea and communicating though the pupil with the posterior chamber.
→(眼球の前眼房は前方の角膜内皮と後方の虹彩内皮および水晶体前面瞳孔部との間の凸-凹レンズ形の間隙。周縁は虹彩角膜角(小柱網)、中央部は瞳孔縁を経て後眼房に交通枝、150~190mm3の眼房水にみたされ、一定の眼圧(20~22mmHg)が保たれている。前眼房では、角膜に接する前部は体表に近く温度が低いのに対して、後部は温度が高い。このように前眼房内では前部と後部との間に温度差があるので、眼房水は体流によって循環する。組織発生学的には脈絡膜の組織間隙がとくに発達したものである。病理学的原因により眼圧が以上に更新する症状を緑内障(glaucoma)という。)
- 980_05【Posterior chamber of eyeball後眼房(眼球の) Camera posterior bulbi oculi】 Space extending from the iris and ciliary body to the anterior surface of the vitreous body.
→(眼球の後眼房は前方は虹彩後面、後方は硝子体全面、外周は毛様体上皮面より境される水晶体を杆状にとりまく腔。毛様体小帯がこの腔を横切り、毛様体上皮から分泌される眼房水で満たされている。)
- 980_06【Conjunctiva結膜 Tunica conjunctiva】 Membrane covering the inner surface of the eyelids where it is composed of stratified (dual-layered or multilayered) columnar epithelium with goblet cells and a loosely organized, well-vascularized lamina propria containing numerous cells. It reflects at the conjunctival fornix onto the eyeball, covering it with stratified squamous epithelium as far as the corneal margin.
→(結膜は上・下眼瞼の内面(眼瞼結膜)と眼球前面(眼球結膜)をおおう粘膜である。眼球結膜は厚く不透明で血管に富み、表面に多数の乳頭をもつ。後眼瞼縁で結膜は眼瞼線分泌間の上皮にめがしらの半月ヒダの結膜は涙湖の底をつくり、涙点、涙管を経て鼻涙管粘膜上皮につづく。上眼瞼外側核の円蓋には6~12本の涙腺管が開く。上・下の結膜円蓋を経て、眼瞼結膜が眼球結膜に移行する。眼球結膜はゆるやかに強膜表面をおおい、薄く透明で乳頭を欠き血管分布に乏しく結膜輪で角膜上皮に移行する。円蓋の結膜には小形の杆状胞状腺(結膜腺、クラウゼ線)がある。)
"Schlemm, Canal of
- 980_07Schlemm, Canal of【Scleral venous sinus; Schlemm's canal; Canal of Schlemm強膜静脈洞;シュレム管 Sinus venosus sclerae】
→(シュレム管とも呼ばれる。強膜静脈洞は輪状に走る静脈性血管。内側は虹彩角膜角櫛状靱帯により境される。中断もしくは重複することあり。前眼房から眼房水を受け入れる。Schlemm, Friedrich (1795-1858) ドイツの解剖学者1830年に角膜と強膜の間にある環状小静洞について記載(""Arteriarum capitis superficialium icon nova"", Berolini, J.W. Boike)。)
"
- 980_08【Ciliary muscle毛様体筋 Musculus ciliaris】 Smooth muscle of the ciliary body. It draws the choroid anteriorly, thereby relaxing the zonular fibers, allowing the lens to take its own, more strongly convex form for near vision.
→(眼の遠近調節accommodation(ピント合わせ)はの仕組みは、近いものを見るときには、毛様体筋が収縮して毛様小体がゆるみ(毛様小体の付着部が前の方に引かれるため)、水晶体が自身の弾性によって膨らみ(球形に近付き)、屈折率を増す。長時間にわたって細かい字を読んだ時の眼の疲労は、主に毛様体筋の疲労である。)
Zinn, Zonule of
- 980_09Zinn, Zonule of【Ciliary zonule毛様体小帯;水晶体小帯 Zonula ciliaris; Apparatus suspensorius lentis】 Suspensory apparatus of zonular fibers and spaces encircling the equator. It is composed of system of radiating fibers of varying lengths and the folds between them.
→(チン小帯ともよばれる。水晶体被膜を毛様体突起に固定する索で、個々の線維を小帯線維という。毛様体突起の比較的後部よりおこる線維は、水晶体赤道の前方に、前方よりおこるものは、後方に付着する。したがって一部線維が交叉する。小帯線維の間に残る小帯隙を経て、後眼房から前眼房へ眼房水が移動する。ドイツの解剖学者Johann Gottifried Zinn (1727-1759)による。)
Hannover's canal, spaces; Petit, Canal of, Spaces of
- 980_10Hannover's canal, spaces; Petit, Canal of, Spaces of【Zonular spaces小帯隙 Spatia zonularia】 Interstices between the zonular fibers with aqueous humor flowing through them.
→(小帯線維間の眼房水の通る隙間。(Feneis))
- 980_11【Ciliary part of retina網膜毛様体部 Pars ciliaris retinae】 Part situated on the posterior surface ciliary body. It is composed of simple, cuboidal, pigmented epithelium.
→(網膜毛様体部は自由表面を互いに向かい合わせた2層の上皮細胞からできている。外層は眼球外板に由来し、網膜色素上皮層に直接つづくもので、毛様体色素上衣層と呼ばれ、大量のメラニン顆粒を含む単層円柱上皮である。これと外側を囲む血管層の間にはブルッフ膜につづく基底膜が存在する。内層は眼杯内板に由来するもので、毛様体上皮とも呼ばれる単層円柱内し立方上皮である。細胞はメラニン顆粒を含む、胞体はHE染色では明るい桃色に染まる。後眼房に向かうこの細胞の表面は、発生過程からあきらかなように、自由表面ではなくて基底面であり、基底膜に相当する内境界膜で裏打ちされている。この内境界膜に小帯線維が付着する。毛様体上皮は眼房水を分泌するものと考えられている。)
- 980_12【Ora serrata retinae鋸状縁(網膜の) Ora serrata retinae】 Serrated border between the light-sensitive and light-insensitive portions of the retina.
→(網膜の鋸状縁は網膜視部と毛様体部との間の鋸歯状の境界。)
- 980_13【Medial rectus muscle内側直筋;内側眼球直筋 Musculus rectus medialis; Musculus rectus bulbi medialis】 o: Common tendinous ring, i: About 5.5 mm from the corneal margin. Action: Adduction of the corneal pole. I: Oculomotor nerve.
→(内側直筋は眼球の鼻側および耳側を走り、その停止腱は角膜縁の後方約6mmの強膜に放射状に停止する。目の動き:視線を内側に向ける。)
- 980_14【Sclera強膜 Sclera】 Membrane of the eyeball composed of interwoven collagen fibers. It has a bluishwhite appearance and is visible through the conjunctiva.
→(眼球の形状を保つ強靱な膠原線維組織層。角膜となっている前部6分の1を除いた部分。前方では隔膜固有質に、後方では篩板から視神経外鞘を経て脳硬膜に、それぞれつづいている。強膜と角膜を合わせて眼球線維膜という。強膜の厚さは眼球後極で~1.0mm、前部で~0.6mm、赤道で~0.4mmである。視神経線維束を通す篩板は後極の内側3.5mm、視神経乳頭の直後方にあたる。視神経は~数十本の掌側としてこれを通る。渦静脈、長・短毛様体動脈および神経が強膜を貫く。強膜はは外から内へ、①強膜上皮、②強膜固有質、③強膜褐色板の3沿うよりなる。虹彩角膜角に沿って強膜固有質が内方へ皮厚し(強膜距)毛様体筋腱により貫かれる。この部の直前に輪状に走る強膜静脈洞(Schlemmn管)があり、眼房水は虹彩角膜間隙(Fontana腔)からこれを通って渦静脈に排出される。角膜縁をとり膜浅い強膜溝の深層にこれらの構造がある。眼球前部の強膜上板毛細血管網に富み、その炎症性変化を臨床的に「網膜充血」という。強膜前部は眼球結膜、後部は眼球鞘(Tenon鞘)によりおおわれる。内面は脈絡外隙を間に脈絡外板に接する。)
- 980_15【Choroid脈絡膜 Choroidea; Chorioidea】 Portion situated between the retina and sclera.
→(脈絡膜は網膜視部の外側に接してこれを包んでおり、内側から外側に向かって、①基底膜、②脈絡毛細血管板、③血管板、④脈絡上板の4層に分けられる。)
- 980_16【Retina網膜 Retina】 Inner lining of the eyeball whose greater portion (optic part) is light sensitive. It is derived from the two layers of the optic cup.B
→(網膜は大きく分けて、網膜視部、網膜毛様体部、網膜虹彩部の3つの部分からなる。視覚部分は、視光線を受ける生理的部分で、色素部と神経部の2つの部分かなる。光刺激を受容して神経興奮に変換し、上位中枢へ情報として伝達する主要な視覚器構成成分である。前脳胞の一部分として発生する眼杯は視室腔をはさむ内・外2枚の壁をもち、分化して眼球内膜となるが、網膜の構造はすべてこの2層よりなる内膜に属し、脳壁に相同である。内膜は視神経乳頭から瞳孔縁まで眼球内面の前域をおおうが、網膜の構造はすべてこの2層よりなる内膜に属し、脳壁に相同である。内膜は視神経乳頭から瞳孔縁まで眼球内面の前域をおおうが、機能と構造の異なる網膜視部、網膜毛様体部、網膜虹彩部が区別され、後二部分は合わせて網膜盲部という。視部と毛様体部の境界が鋸状縁である。盲部では内膜の2板がともに比較的単純な上皮構造を保ち、虹彩後上皮と毛様体色素上皮・色素上皮となる。視部では外板から網膜色素部、内板から網膜神経部が分化する。中心部で0.4mm、鋸状縁で0.1mmの厚さをもつ。)
- 980_17【Optic disc; Optic disk; Optic papilla視神経円板;視神経乳頭;視束乳頭 Discus nervi optici; Papilla fasciculi optici】 Beginning of the optic nerve in the fundus of the eye about 3 or 4 mm medial to the macula with a diameter of about 1.6 mm.
→(マリオット盲点Mariotte's bind spotとも呼ばれる。眼底における視神経のはじまり。黄斑の約3~4mm内側、直径約1.6mm。 視神経円板は視細胞を欠くため、視野においては盲点blind spotとなる。これをマリオット盲点という。生体において、検眼鏡でみると、視神経円板はピンク色を呈し、中央の凹みは白くみえる。フランスの物理学者Edem Mariotte (1620-1684)の視野実験によって発見された。)
- 980_18【Outer sheath of optic nerve; External sheath of optic neve (dura mater)視神経外鞘(硬膜) Vagina externa (Nervus optici)】 Dural sheath surrounding the optic nerve as far as the eyeball.
→(視神経外鞘は眼球へいたるまでの視神経に伴う硬膜鞘。(Feneis))
- 980_19【Inner sheath of optic nerve (pia-arachnoid mater)視神経内鞘(軟膜とクモ膜) Vagina interna Nervus optici】 Pial and arachnoidal covering accompanying the optic nerve as far as the eyeball.
→(視神経内鞘は視神経の眼球にいたるまでを取り囲む、軟膜およびクモ膜の被膜。(Feneis))
- 980_20【Optic nerve [II]視神経;視束[脳神経II] Nervus opticus; Fasciculus opicus [II]】 Nerve emerging medial to the posterior pole of the eyeball and extending to the optic chiasma.
→(視神経は脳神経の1つとして扱われてはいるが、実は前脳胞の延長部である。眼球網膜の第8層である神経細胞層中にある多極神経細胞から出る神経線維が集まって出来る神経である。すなわち杆状体細胞および錐体状細胞よりの興奮は網膜の内顆粒層の双極細胞に伝わり、それがさらに神経細胞層の細胞に連絡し、この神経細胞の出す神経突起である線維はまず眼球の後極よりやや内下方の一ヶ所に集まって、視神経円板を作り、強大な神経幹となり、網膜の続きである視神経鞘に囲まれて後内側に向かう。眼球から約15~20mm隔ったたところで、眼動脈の枝である網膜中心動脈およびこれに伴う静脈が外側から入り込み、その中軸を通って網膜に分布する。左右両側の視神経は眼窩後端の視神経管を通って頭蓋腔に入り、次第に相近づいて蝶形骨体上の視神経溝でほぼ半交叉をして視交叉を作り、そのつづきは視索と名が変わって間脳の外側膝状体および中脳の上丘などの第一次視覚中枢に達して、ここで終わる。網膜が眼胚から発達するので経路に相応する。ヒトの視神経は眼球網膜の神経細胞層中にある多極神経細胞から出る100万本以上の神経線維からなる。すなわち、杆状体細胞および錐体状細胞よりの興奮は網膜の内顆粒層の双極細胞に伝わり、それがさらに神経細胞層の細胞に連絡し、この神経細胞の出す神経突起である線維はまず眼球の後極よりやや内下方の一ヶ所に集まって、視神経円板を作り、強大な神経幹となり、網膜の続きである視神経鞘に囲まれて後内側に向かう。眼球から約15~20mm隔ったたところで、眼動脈の枝である網膜中心動脈およびこれに伴う静脈が外側から入り込み、その中軸を通って網膜に分布する。左右両側の視神経は眼窩後端の視神経管を通って頭蓋腔に入り、次第に相近づいて蝶形骨体上の視神経溝でほぼ半交叉をして視交叉を作り、そのつづきは視索と名が変わって間脳の外側膝状体および中脳の上丘などの第一次視覚中枢に達して、ここで終わる。)
- 980_21【Optic axis視軸 Axis opticus】 Imaginary line passing through the midpoints of the cornea and lens. It meets the retina between the fovea centralis and the optic disc.
→(角膜、レンズおよび硝子体の曲率中点を通る線。網膜上で中心窩と視神経乳頭間を通る。 (Feneis))
- 980_22【Corneal vertex角膜頂 Vertex corneae】 Furthest anteriorly projecting point on the anterior surface of the cornea.
→(角膜頂は角膜頂点。角膜前面のもっとも突出したところ。)
- 980_23【Iris虹彩 Iris】 Round disc with a central opening (pupil) situated in the frontal plane that varies in color in different individuals. It forms the posterior end of the anterior chamber and becomes continuous at its margin with the ciliary body. It has a diameter of 10-12 mm.
→(虹彩は、前頭面に位置し、眼の血管層の前方部分をつくる隔膜で、色に個人差のある円板。中央に開口部(瞳孔)があり、直径は約10~12mm。前眼房の後境界で、その縁は毛様体へ移行する。周囲辺縁は強膜岬角に付着している。瞳孔をかたちづくるあたかもカメラの絞りのような器官で、虹彩内皮、虹彩支質、虹彩筋、虹彩色素上皮層より構成され、血管に富む。虹彩の脈管と神経はは虹彩の動脈としては毛様体縁に沿う大虹彩動脈輪、瞳孔縁に沿う大虹彩動脈輪、瞳孔縁に沿う小虹彩動脈輪、両者を放射状につなぐ小動脈があり、長後毛様体動脈、前毛様体動脈、脈絡膜毛細血管叢より供給される。静脈血はこれらに伴う静脈のほか、渦静脈に流入する。虹彩の神経支配として長毛様体神経(三叉神経由来の体知覚性神経)と短毛様体神経(毛様体神経節由来の自律神経)があり、後者には動眼神経副核由来の節前線維から興奮を受けて伝達する節細胞の軸索すなわち副交感神経節後線維と、内頚動脈神経叢を経て毛様体神経節に達し、節内でそれに合流する胸部交感神経核由来の交感神経節後線維が含まれる。瞳孔括約筋は副交感神経、散大筋は交感神経の支配を受ける。)
- 980_24【Scleral sulcus; Sulcus sclerae強膜溝 Sulcus sclerae】 Shallow groove between the cornea and sclera produced by the stronger curvature of the cornea.
→(強膜溝は角膜と強膜の間の浅いみぞ。角膜が強く弯曲するため生ず。)
- 980_25【Zonular fibres; Zonular fibers; Suspensory ligament of lens小帯線維;水晶体の支持靱帯 Fibrae zonulares】 Suspensory fibers attached at the equator and adjacent anterior and posterior surfaces of the lens. They are fixed distally to the basal lamina of the ciliary body and the ciliary part of retina.
→(赤道および前、後面へつく懸垂線維。反対側では毛様体の基底板へつく。(Feneis))
- 980_26【Ciliary body毛様体 Corpus ciliare】 Thickened area situated between the ora serrata and root of the iris that contains the ciliary muscle and ciliary processes.
→(毛様体は虹彩支質と脈絡膜の移行部に生後発生する平滑筋(毛様体筋)の束により生じる肥厚部である。経線断面では全体として三角形の断面をもち、3頂点がそれぞれ網膜鋸状縁、虹彩基部、毛様体突起にあたる。毛様体突起には毛様体小帯が結合し、水晶体に連絡する。眼球を赤道面で切断し、その前半分を後ろから観察すると水晶体を一周する毛様体を一眺することができる。鋸状縁につづく、①毛様体輪(幅~3mm)と、②放射状に配列する約70個の毛様体突起とヒダよりなる毛様体間が区別される。輪部には細い経線方向に走る稜線が認められ、これが集中して毛様体突起(長さ2mm、幅1mm、高さ0.5mm)をつくる。)
- 980_27【Ciliary processes毛様体突起;大突起(毛様体の) Processus ciliares; Processus majores】 Between 70 and 80 radiating folds containing numerous capillaries measuring 0.1-0.2 mm wide, 1 mm high, and 2-3 mm long. Their epithelium produces aqueous humor.
→(毛様体突起は放射状に配列し、毛細血管に富むヒダ。70~80本あり、幅0.1~0.2mm、高さ1mm、厚さ2~3mmである。この上皮が眼房水を産出する。)
- 980_28【Posterior conjunctival arteries後結膜動脈 Arteriae conjunctivales posteriores】 Branches supplying the palpebral conjunctiva.
→(涙腺動脈と眼窩上動脈からでる。 (Feneis))
- 980_29【Posterior conjunctival veins後結膜静脈 Venae conjunctivales posteriores】
→()
- 980_30【Lateral rectus muscle外側直筋;外側眼球直筋 Musculus rectus lateralis; Musculus rectus bulbi lateralis】 o: Common tendinous ring and lesser wing of sphenoid, i: 5.5 mm behind the corneal margin. Action: Abduction of the corneal pole. I: Abducent nerve.
→(外側直筋は眼球の鼻側および耳側を走り、その停止腱は角膜縁の後方約6mmの強膜に放射状に停止する。目の動き:視線を外側に向ける。)
Ruysch' veins
- 980_31Ruysch' veins【Vorticose veins; Choroid veins渦静脈;眼球脈絡膜静脈;大脈絡膜静脈 Venae vorticosae; Venae chorioideae majores】 Four or five branches from the choroid of the eyeball that penetrate the sdera laterally.
→(渦静脈は毛様体血管系の静脈は眼球の赤道部で集まり、4本の渦静脈(眼球脈絡膜動脈)となって眼球をさる。)
- 980_32【Vitreous body硝子体 Corpus vitreum】 It consists of about 98 % water and contains trace amounts of protein and sodium chloride as well as a mixture of tiny fibers that become denser toward the surface and form a limiting membrane. Its gelatinous consistency is due to its high hyaluronic acid content.
→(硝子体は薄い硝子体被膜に包まれた無色透明のゼリー状の硝子体液と、はなはだ微細な膠原線維様の細線維が豊富に含まれている。硝子体は網膜盲部である毛様体上皮とは直接接しておらず、両者の間には後眼房が介在する。眼房から眼杯が形成されて生じる硝子体眼房にとりこまれた間葉組織が、水晶体と虹彩・網様体により封じ込められたものである。本来虹彩支質を経て脈絡膜につづき、眼球血管膜の一環をなしていた。胎生期には網膜中心動脈の終末枝(硝子体動脈)が視神経乳頭から硝子体眼房の中心を貫いて水晶体被膜に達しその発生をになうが、妊娠末期に閉鎖吸収される。)
- 980_33【Fovea centralis in macula中心窩(黄斑の) Fovea centralis】 Pit in the macula that is produced by a reduction of upper retinal layers. Its diameter, measured from the beginning of decreasing retinal thickness to the opposite side, is 1-2 mm.
→(中心窩は血管のない黄斑の中心にあるくぼみ。網膜上部層の減少により生ず。最も分解能のよいところ。直径約1~2mm。黄斑はものを最も明瞭に見ることができる部で、とくに中心窩は視力が最も良く、ここでいる視力を中心視力という。)
- 980_34【Long posterior ciliary arteries; Iridic arteries長後毛様体動脈;虹彩動脈 Arteriae ciliares posteriores longae; Arteriae iridicae】 One lateral and one medial artery. They pass from posterior between the sclera and choroid, supply the ciliary body, and terminate at the major circulus arteriosus of iris.
→(長後毛様体動脈は虹彩動脈ともよばれ内側と外側の2本ある。視神経の眼球進入部の内外両側で眼球に入り、強膜と脈絡膜との間を前進して虹彩に達する。虹彩では、毛様体縁で鱗状の大虹彩動脈輪をつくり、その枝はさらに瞳孔縁のまわりで小虹彩動脈輪をつくる。)
- 980_35【Short posterior ciliary arteries短後毛様体動脈;脈絡膜動脈 Arteriae ciliares posteriores breves; Arteriae chorioideae】 Between 10 and 15 arteries that penetrate the sclera around the optic nerve, supplying the choroid, ciliary body, and passing to the major circulus arteriosus of iris.
→(短後毛様体動脈は脈絡膜動脈とも呼ばれ6~15本あり、視神経の眼球進入部の付近で強膜を貫いて脈絡膜に分布する。)