A02_1_00_049

中頭蓋窩Middle cranial fossa(Fossa cranii media)

中頭蓋窩【ちゅうとうがいか】 Fossa that is bounded by the lesser wing of the sphenoid and by the superior border of the petrous part of the temporal bone.(中頭蓋窩は蝶ネクタイのような形をした窩みで、主として蝶形骨からなるが、後外側部を構成するのは側頭骨である。中頭蓋窩の中央部は蝶形骨体の上面からなり、中頭蓋窩の中で特に隆起している。その前方は鞍結節、後方は鞍背として高まり、中央がくぼんでトルコ鞍となる。その中央に下錐体をのせる下垂体窩がある。鞍結節の前の視神経交叉溝の両側は視神経管に達する。両側部は蝶形骨大翼と側頭骨鱗部の大脳面、および岩様部(錐体)前面からなり、大脳側頭葉を容れる深いくぼみとなる。脳隆起と指圧痕が著しく、また、棘孔からひろがる動脈溝、静脈溝(中硬膜動静脈を容れる)が明瞭である。外側部が特に前方に陥入する前端、すなわち小翼と大翼の間に上眼窩裂がある。トルコ鞍の側面には内頚動脈溝が前後に走り、その後端は蝶形骨と岩様部(錐体)尖の間にある破裂孔に至る。内頚動脈溝の外側に、前方より後外方に向かって、正円孔、卵円孔、棘孔が並ぶ。破裂孔から後外方に、大翼と錐体の間にある蝶錐体裂がつづく。その内後方にある大錐体神経溝の前端は破裂孔に達し、小錐体神経溝は蝶錐体裂の後端から卵円孔に向かう。錐体前面には、そのほか、三叉神経圧痕、弓状隆起、鼓室蓋がみられる。中頭蓋窩は多くの管、孔によって蓋部と交通する。①視神経管により眼窩へ(視神経および眼動脈)、②上眼窩裂により眼窩へ(動眼神経、滑車神経、外転神経、眼神経、上眼静脈)、③正円孔により翼口蓋窩へ(上顎神経)、④卵円孔により側頭下窩へ(下顎神経)、⑤棘孔により側頭下窩へ(中硬膜動静脈および下顎神経硬膜枝)、⑥破裂孔の後壁に開く頚動脈管により頭蓋底外面へ(内頚動脈は破裂孔を通らず、頚動脈に至る)、⑦破裂孔より頭蓋底外面へ(ただし、生体では破裂孔の底面は線維軟骨で閉鎖され、その上に頚動脈が乗る。大錐体神経も軟骨を貫かず、翼突管に入る)。)

Spalteholz

実習人体解剖図譜(浦 良治)

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 I巻

人体局所解剖図譜 III巻

人体局所解剖図譜 IV巻

Rauber Kopsch

Band1(198)

Eduard Pernkopf

岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

ネッター解剖学図譜

 

ページのトップへ戻る