A04_5_01_026

鼡径管Inguinal canal(Canalis inguinalis)

鼡径管【そけいかん】 Walls: inguinal ligament, aponeurosis of external oblique, transversalis fascia and its thickened portions, internal oblique, and transverse abdominal muscle. In the male it contains the spermatic cord and in the female the round ligament of the uterus.(鼡径靱帯内側半の直上で、腹壁筋を後上外側から前下内側に向かって貫く間隙を鼡径管という。腹腔と外陰部の連絡路であり、胎生期の精巣下降(卵巣下降)の結果として、精索(子宮円索)が通過している。管の外口を浅鼡径輪(外または皮下鼡径輪)、内口を深鼡径輪(内または腹膜下鼡径輪)という。鼡径管の構成は通常前後4壁に分けて記述される。(1)前壁:外腹斜筋腱膜である。腱膜は浅鼡径輪の近くで内側脚と外側脚に分離して、それぞれ輪の上内側付近は、上内側に走る脚間線維で補強されている。(2)下壁:鼡径靱帯と裂孔靱帯である。(3)上壁:内腹斜筋と腹横筋の下縁である。両筋の下縁と鼡径靱帯内側半の間には間隙があり、それが鼡径管の主部を構成している。なお両筋の下端は精索に対して、その表面をおおう精巣挙筋(睾丸筋)を送っている。(4)後壁:後壁全体に関与する要素は横筋筋膜である。外側部つまり深鼡径輪の内側縁では横筋筋膜は肥厚して窩間靱帯を形成する。またその後面を下腹壁動静脈が上内側に斜行する。内側部すなわち浅鼡径輪付近では、後壁は3層の膜状物で補強される。第1は反転靱帯である。第2は内腹斜筋と腹横筋の下縁内側が腱膜化し、合して恥骨櫛についたもので結合腱という。第3は腹直筋下端外側縁が三角形状に腱膜化したもので鼡径鎌という。通常、統合腱と鼡径鎌とは同じものとされているが、別の構造物であり、後者は前者の後方に位置する。以上述べたように、鼡径管の後壁は内側と外側で強く、中間で弱い。ここを内側鼡径窩といい、またやはり抵抗の弱い深鼡径輪を外側鼡径窩と称する。二つの鼡径窩は抵抗が弱いために鼡径ヘルニアの好発部位である。)

Spalteholz

小解剖学図譜

人体局所解剖図譜 II巻

Moore人体発生学

13-4.鼡径管の発生

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Band1(376)

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岡島解剖学

Pocket atlas of human anatomy

 

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