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- 446_01【Transversus abdominis muscle; Transverse abdominal muscle腹横筋 Musculus transversus abdominis】 Inner surface of the seventh through twelfth costal cartilages, thoracolumbar fascia, iliac crest, anterior superior iliac spine, inguinal ligament, i: Rectus sheath, linea semilunaris. I: Intercostal nerves 7-12, iliohypogastric nerve, ilioinguinal nerve, genitofemoral nerve.
→(腹横筋の起始は下位6本の肋骨の肋軟骨内面、腰筋膜の内層、腸骨稜の内唇の前2/3、鼡径靱帯の外方1/3。停止は腱膜鞘につつまれて両腹斜筋とともに白線の中へ。機能としては腹部の圧縮、腹部内臓の保護、強い呼気時に働く。神経支配は下位6本の肋間神経の前枝、腸骨下腹神経と腸骨鼡径神経。動脈は深腸骨回旋動脈、下腹壁動脈。腹横筋は胸横筋の尾側に隣接している。この筋は、第7(6,5)から第12肋軟骨の内面、腰椎の肋骨突起(胸腰筋膜の深葉を介して)、腸骨稜の内唇および鼡径靱帯の外側部から起こる。この筋線維は、ほぼ水平に(腹直筋に直角)に走り、半月状の外側に凸の線、半月線を越えて腱膜となる。腹横筋の腱膜は腹直筋鞘の形成に関わる。その腱膜の線維は、白線で内腹斜筋の腱膜の線維と連結している。)
- 446_02【Internal oblique muscle; Internal abdominal oblique muscle内腹斜筋 Musculus obliquus internus abdominis】 o:Thoracolumbar fascia, iliac crest, anterior superior iliac spine, inguinal ligament, i: Tenth to twelfth ribs and rectus sheath. Flexes the trunk, elevates the pelvis, raises intra-abdominal pressure, bends laterally, and rotates the trunk to the ipsilateral side. I: Intercostal nerves of the eighth through twelfth ribs, iliohypogastric nerve, and ilioinguinal nerve.
→(内腹斜筋の起始は腰筋膜、腸骨稜の中間線の前部2/3、鼡径靱帯の外側2/3。停止は上部線維は最下位の3本の肋骨の軟骨へ着き、残りは第10肋骨へ着き、残りは第10肋軟骨から恥骨までわたっている腱膜に扇形にひろがって付着し腹部の中央線で白線を形成している。機能として腹部の圧縮、腹部の内臓を保護する、強い呼気の時活動する。神経支配は下部6本の胸神経と上部2本の腰神経の前枝、腸骨下腹神経と腸骨鼡径神経からの枝。動脈は上および下腹壁動脈と深腸骨回旋動脈の筋枝から受ける。この内腹斜筋の腱膜の線維は、白線において外腹斜筋の腱膜の線維と交織し、反対側の外腹斜筋の腱膜に連続する。こうして腹壁を斜めに取り巻く一続きの筋腱性の帯が形成され両側の2つの斜筋は1つの運動単位として結ばれることになる。内腹斜筋の筋線維束は、急角度で上昇し、筋性に第(9)10~12肋軟骨の下縁に停止する。これらの筋束は、頭側では明確な境界なしに内肋間筋に連続している。それより腹側で起こる内腹斜筋の筋線維束、腹側になればなるほど上に向かう角度がゆるやかになり、上前腸骨棘から起こる筋線維束はほぼ水平、鼡径靭帯から起こる筋線維束は斜め下方へ進むようになる。尾側部では、内腹斜筋を腹横筋から区別することが非常にむずかしい。2つの筋を頭側で隔てている結合組織層(その中を神経が走る)は、上前腸骨棘の高さで終わり、腸骨下腹神経の前皮枝と腸骨鼡径神経は、内腹斜筋の腹側面を走るようになる。)
- 446_03【External oblique muscle; Abdominal external oblique muscle; External abdominal oblique muscle外腹斜筋 Musculus obliquus externus abdominis】 o:Outer surface of the fifth through twelfth ribs, i: Iliac crest, inguinal ligament, rectus sheath, linea alba. Flexes the trunk, elevates the pelvis, raises intra-abdominal pressure, bends laterally, and rotates the trunk to the contralateral side. I: Intercostal nerves of fifth to twelfth ribs.
→(外腹斜筋の起始は下位8本の肋骨外側面から指状に出ている筋線維束。停止は最下部肋骨からの筋肉性の厚い線維は腸骨稜の外唇前半部に付着し、残りは前腹壁の広い腱膜に付着する。機能としては腹部の収縮、内臓の保護、強い呼気の場合も働く。神経支配は下部6本の胸神経と上部2本の腰神経の前枝。動脈は上および下腹壁動脈の筋枝より受ける。3つの側腹筋の中でもっとも広い領域を占める筋である。最初の起始筋束は、わずかに斜めに下る程度であるが、もっとも尾側の筋束は急角度で下方へ進む。腱膜への移行は、腹直筋の外側縁に並行に直線的に生じ、その線は、上前腸骨棘のやや頭側で急に直角あるいは鋭角に向きを変え、腸骨稜の上端に終わる。このようにして筋角が形成されるが、この角はしばしば皮膚の表面から認められ、古代の彫刻にも良く強調されている。この筋線維束は、筋が引き伸ばされない限りは腸骨稜を越えて膨出し、そのために骨盤の上縁をおおって鼡径隆起を形成する。多くの人において(男性より女性において頻度が高いが)広背筋は外腹斜筋に直接隣接しない。広背筋の前縁と外腹斜筋の後縁の間には尾側が腸骨稜によって境される三角形の領域、腰三角が形成され、この部位の腹壁は、内服斜筋と腹横筋にのみによって形成される。ここは、脊柱に生じ腸骨稜に沿って移動してきた膿瘍が、外へ逃げることが出きる場所であり、まれには(下)腰ヘルニアも出現する。)
Burn's ligament; Hey's ligament
- 446_04Burn's ligament; Hey's ligament【Falciform margin of saphenous opening鎌状縁;弓状縁(伏在裂孔の) Margo falciformis hiatus saphenus; Margo arcuatus hiatus saphenus】 Arched margin of the saphenous opening, mainly along its lateral border.
→(伏在裂孔の周縁をつくる大腿筋膜は肥厚して内側に向いたC字形を示し、その上縁を上角、下縁を下角といい、また両者の中間部を鎌状縁という。)
- 446_05【Superior horn of falciform margin of saphenous opening上角;上脚;近位角(伏在裂孔の鎌状縁の) Cornu superiu; Crus superius; Cornu proximale】 Upper arch of the falciform margin.
→(伏在裂孔の上角は鎌状縁の上部。)
- 446_06【Femoral vein大腿静脈 Vena femoralis】 Accompanying vein of the femoral artery that extends from the adductor hiatus canal to the inguinal ligament.
→(大腿静脈は大腿動脈に伴行して内転筋管裂孔において膝窩静脈からつづいておこり、大腿下部では動脈の外側に位置するが、上方に走るにつれて次第にその深層を通って、大腿近位部では動脈の内側に位置するようになる。鼡径靱帯の深層で血管裂孔を通過して腹腔に入り外腸骨静脈となる。)
- 446_07【Inguinal canal鼡径管 Canalis inguinalis】 Walls: inguinal ligament, aponeurosis of external oblique, transversalis fascia and its thickened portions, internal oblique, and transverse abdominal muscle. In the male it contains the spermatic cord and in the female the round ligament of the uterus.
→(鼡径靱帯内側半の直上で、腹壁筋を後上外側から前下内側に向かって貫く間隙を鼡径管という。腹腔と外陰部の連絡路であり、胎生期の精巣下降(卵巣下降)の結果として、精索(子宮円索)が通過している。管の外口を浅鼡径輪(外または皮下鼡径輪)、内口を深鼡径輪(内または腹膜下鼡径輪)という。鼡径管の構成は通常前後4壁に分けて記述される。(1)前壁:外腹斜筋腱膜である。腱膜は浅鼡径輪の近くで内側脚と外側脚に分離して、それぞれ輪の上内側付近は、上内側に走る脚間線維で補強されている。(2)下壁:鼡径靱帯と裂孔靱帯である。(3)上壁:内腹斜筋と腹横筋の下縁である。両筋の下縁と鼡径靱帯内側半の間には間隙があり、それが鼡径管の主部を構成している。なお両筋の下端は精索に対して、その表面をおおう精巣挙筋(睾丸筋)を送っている。(4)後壁:後壁全体に関与する要素は横筋筋膜である。外側部つまり深鼡径輪の内側縁では横筋筋膜は肥厚して窩間靱帯を形成する。またその後面を下腹壁動静脈が上内側に斜行する。内側部すなわち浅鼡径輪付近では、後壁は3層の膜状物で補強される。第1は反転靱帯である。第2は内腹斜筋と腹横筋の下縁内側が腱膜化し、合して恥骨櫛についたもので結合腱という。第3は腹直筋下端外側縁が三角形状に腱膜化したもので鼡径鎌という。通常、統合腱と鼡径鎌とは同じものとされているが、別の構造物であり、後者は前者の後方に位置する。以上述べたように、鼡径管の後壁は内側と外側で強く、中間で弱い。ここを内側鼡径窩といい、またやはり抵抗の弱い深鼡径輪を外側鼡径窩と称する。二つの鼡径窩は抵抗が弱いために鼡径ヘルニアの好発部位である。)
Henle's ligament
- 446_08Henle's ligament【Inguinal falx; Conjoint tendon鼡径鎌;結合腱 Falx inguinalis; Tendo conjunctivus】 Tendinous fibers forming an arch that extends from the aponeurosis of the transverse abdominal muscle into the pectineal ligament.
→(鼡径鎌(結合腱)は恥骨稜、恥骨櫛に停止する腹横筋と内腹斜筋の共通の腱。腹横筋腱膜から恥骨櫛靭帯へ弓状に入る線維。鼡径管の後壁を助成する。)
Riolan, Muscle of
- 446_09Riolan, Muscle of【Cremaster; Cremaster muscle精巣挙筋;挙睾筋 Musculus cremaster】 Muscle that is mainly derived from the internal oblique abdominal muscle and acts to elevate the testes.
→(清祥挙筋は内腹斜筋の最下部筋束から分かれ、鼡径管を通り、精索と精巣(女では子宮円索)を包む。なお、腹横筋最下部筋束も精巣挙筋となりうる。第2腰神経由来の陰部大腿神経から支配を受け、精巣を引き上げる働きがある。)
Colles' ligament
- 446_10Colles' ligament【Reflected inguinal ligment; Reflected ligament反転靱帯;反転鼡径靱帯 Ligamentum reflexum; Ligamentum inguinale reflexum】 Expansion of the inguinal ligament that forms the medial part of the floor of the inguinal canal.
→(裂孔靱帯ないし外側脚のつづきとして腹直筋鞘を作る内腹斜筋腱膜の前面に向かって線維が出る。これを反転靱帯といい鼡径管の壁の一部を作る。)
- 446_11【Spermatic cord精索 Funiculus spermaticus】 It consists of the ductus deferens, its accompanying vessels, nerves and connective tissues, as well as coverings.
→(精索は精管が血管、神経とともに皮膜に包まれ、精巣上体から深鼡径輪に達するまでの約11.5cm長の紐状の構造。蔓状静脈叢、精巣動脈、脂肪、平滑筋などを含む。精索と子宮円索とは共に鼡径管を通っているが、その由来は同じではない。精索(精管)に相当するものは女性ではほとんど退化して、わずかに卵巣状態(の縦管)として残り、子宮円索は男性の精巣導帯gubernaculum testis(精巣の下端と陰嚢の皮膚をつなぐ結合組織で、ハンター導帯Hunter's gubernaculumとも呼ぶ)に相当する。このように由来の異なるものが男女で同じ場所を通っている原因は、女性では卵巣下降descent of ovariesが子宮の高さで止まり、卵巣が腹腔外に出てこないからである。)