A14_1_08_649

外側腹側核群(視床の)Ventral lateral complex of thalamus; VL(Nuclei ventrales laterales thalami)

外側腹側核群(視床の)【がいそくふくそくかくぐん(ししょうの)】 Ventrolateral nuclear complex situated between the reticular nucleus of thalamus and the dorsomedial nucleus.(VL核とも呼ばれる。外側腹側核は前腹側核の尾方にあり、大、小のニューロンから成る。これらのニューロンは、この核の中における部位によって著しく異なる。この核は、これまでに更に、主要な次の2部に分けられていた。すなわち、①吻側部(VLo)、②尾側部(VLc)である。この中で最も大きな吻側部(VLo)には多数の濃宣する細胞が集塊をなして配列する。尾側部(VLc)には、細胞は少ないが、大型の細胞が散在する。サルで、前腹側核の大細胞部の尾方で外側腹側核の吻側部の内側方にある三日月形の視床領域は、”X野”と名づけられていて、線維結合に基づいて考えると、外側腹側核群の統合部であるらしい。外側腹側核の尾側部、”X野”および後外側腹側核の前部(VPLo)は、”細胞がまばらな”苔状の部分として呼ばれ、細胞学的に外側腹側核の吻側部、後外側腹側核の尾側部および後内側腹側核とは異なるものである。淡蒼球の内節から起こる神経線維は、視床束を経て、視床の外側腹側核に投射する。淡蒼球からの投射の大部分は、この核の前部、外側腹側核の吻側部に達する。淡蒼球から出る線維はまた吻側方には、前腹側核に投射し、中心正中核(CM)に側副線維をだす。これらの投射は、部位局在的に配列している。小脳核から起こり反対側の赤核を越えて上行する遠心性線維は視床束に入り外側腹側核の”細胞がまばらな”帯状部分(外側腹側核の尾側部、後外側腹側核の前部、X野)を構成している核群に投射している。単一ニューロンの研究では小脳核内のはっきりした体部位的機構を表さなかった。これらの遠心性線維をうける視床核では視床の体性感覚中継核のものと類似の体部位的表現をもっている。体の異なる部分は、内側方に、体の尾側の部分は外側方にと、系統的に表されている、四肢は腹側に表される。歯状核視床線にと中位核視床線維は同じ部位に終止するらしいが、それらの終末は重ならずに、組合わさった形式である。室頂核視床投射路は後交連の部位と視床の髄板内核の部位の両方かあるいはどちらか一方の部位で交叉する線維で、両側性である。視床の外側腹側核は中心前回の皮質からかなり多くの線維を受ける。サルにおける研究によって、大脳皮質の4野は、外側腹側核の吻側部、外側腹側核の尾側部および後外側腹側核の前部、ならびに中心正中核、中心傍核と外側中心核に投射することが証明された。大脳皮質4野から外側腹側核の尾側部への投射は、大脳皮質6野からの投射ほど多くない。6野は”X野”にも投射する。系統的な分析によれば後外側腹側核の前部と外側腹側核の尾側部からなる視床外側腹側核の”細胞がまばらな”帯状の部分は、4野に部位局在的に踏査していることがわかる。この核の内側部分からの線維が皮質の顔面野、外側部分からの線維が下肢野、また、中間部分からの線維が下肢野、また、中間部分からの線維が上肢および体幹腹現領域に至る。かくして、歯状核、栓状核および室頂核から視床への終止域は、ほとんど同じであって、一次運動野へのインパルスを中継する。淡蒼球の内節から入力を受ける外側腹側核の吻側部への皮質投射帯は外側腹側核の吻側部が補足運動野へ投射し、また運動前野に投射するのとは異なっているらしい。視床の外側腹側領域の、細胞構築学的に分けられたそれぞれの部分は、運動機能のいろいろな面に関係した皮質野へ投射している。)

Spalteholz

Pocket atlas of human anatomy

ネッター解剖学図譜

 

ページのトップへ戻る