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原皮質;原始皮質Archicortex(Archaeocortex)

原皮質;原始皮質【げんひしつ;げんしひしつ】 Phylogenetically older portion of the cerebral cortex. It consists of three layers formed by the hippocampus and dentate gyrus. The limbic system is mainly located here.(原皮質は大脳皮質の中でもっとも早期に分化してくる領域であり、大脳半球の内側面で脈絡溝と海馬溝のあいだにある。半球胞が尾側方に、次いで吻腹側方に伸長するにつれて、原皮質は側脳室の下角まで伸びてゆく。原皮質は終脳の吻側部と背側部では痕跡的であるが、尾側部では海馬、歯状回、海馬支脚(海馬台)に分化する。海馬は原皮質の主体をなす領域であるが、発生途上で、側脳室の下角に突出して海馬溝の中に埋もれてしまい、外表からはみえなくなる。海馬支脚は海馬と海馬傍回の移行部である。ようするに原皮質は脈絡溝の周囲に分化してくる系統発せ的に古い領域で、組織学的には2層から出来ている皮質である。原皮質の背側部は痕跡的で脳梁の上にある灰白層となる。灰白層は吻側にいくと前海馬に続き、前海馬はさらに対角帯に続いている。対角帯はGiacomini帯に続いており、ここに原皮質の環ができることにあんる。歯状回は脳梁膨大をまわって灰白層に続いている。原皮質の発生に関して留意すべきことは、原皮質では、同皮質より3週間遅れて、胎生4ヶ月になって皮質板ができるこということと、皮質板には細胞が少なく中間帯とはっきりわけられないとうことである。したがって、原皮質の皮質板をそのまま同皮質の皮質板に相当するものと考えることは出来ない。原始皮質は両性類においてすでに発現し、海馬、歯状回、海馬支脚(一括して海馬体)、小帯回、脳梁灰白層などを含む。海馬支脚は海馬と海馬傍回との移行部をなす。海馬はヒトで比較的発育がよく、分子層、錐体細胞層および多形細胞層からなる。錐体細胞は分子層に一本の尖端樹状突起をだし、また多形細胞層に数本の樹状突起を出す。その軸索は海馬白板をへて海馬采に入る。多形細胞層(上行層)は散在性の細胞を含み、この軸索は分子層に向かい、または海馬白板に入る。歯状回は分子層、顆粒層および多形細胞層からなる。顆粒層の細胞は密集し、錐体細胞の変形したもの考えられ、2,3本の樹状突起を分子層に出し、また軸索を海馬の錐体細胞層に出すが、白板には直接に線維を送らない。小帯回は歯状回と連絡した構造を示すが、顆粒層を欠く。)

Pocket atlas of human anatomy

 

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