A15_2_07_024

眼瞼;マブタEyelids(Palpebrae)

眼瞼;マブタ【がんけん;まぶた】(眼瞼(まぶた)は、上・下2枚よりなる眼の蓋で、眼球前面を外傷からまもる。上眼瞼が下眼瞼より大きく上眼瞼挙筋をもつので可動範囲が大きい。眼瞼が開いているとき、その空間を眼瞼裂といい、まじりと目頭の上・下移行部を外・内側眼瞼交連という。外側眼瞼交連はより鋭角的で、眼球結膜面に密接している。内側眼瞼交連は鼻方へ数mm引き寄せられている。そのために生じる上・下眼瞼と眼球結膜との間の三角錐形の空間を皮膚の小島(涙丘)が満たし、その周辺を涙湖という。前眼瞼縁に睫毛がある。①眼瞼の構造は眼瞼前面から後面へ向かい皮膚、皮下組織、眼輪筋、瞼板、瞼板腺、結膜などの構造があり、上眼瞼には、上眼瞼挙筋腱が加わる。皮膚は全身中ここが最も薄く、後眼瞼縁で眼瞼結膜に移行する。皮下組織は脂肪が少ない。上の前眼瞼縁に平行な上眼瞼溝が著しい物を二重まぶた、溝がないかあっても上野皮膚に覆い隠されている物を一重まぶたという。めがしらの上眼瞼の皮膚が内側交連を越えてつくるヒダを蒙古ヒダ(瞼鼻ヒダ)といい、日本人などモンゴロイド人種の特徴とされる。②瞼板は楕円形の密線維結合組織板。上瞼板は、幅25mm、縦径10mm、下瞼板は幅25mm、縦径5mm。前縁は厚く直線的、後縁は薄く眼窩中隔を介して眼窩骨膜につづく。③瞼板筋は上眼瞼挙筋腱から上瞼板筋(Muller筋)が分かれ、瞼板上縁に付着する。下結膜円蓋下結合組織または下直筋から弱い下瞼板筋が分かれ、ともに交感神経支配の平滑筋で眼瞼裂の開き具合に関係すると考えられる。眼瞼を固く閉じるときには、眼輪筋の働きも重要である。瞬目(マバタキ)blinking, nictitationは眼輪筋の眼瞼部の収縮によって起こる運動で、1分間に約10~25回みられる。)

Spalteholz

人体局所解剖図譜 I巻

Rauber Kopsch

Band2(617)

Pocket atlas of human anatomy

ネッター解剖学図譜

R.V. Krstić(HMA)

 

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