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- 309_00【Pectoral girdle; Shoulder girdle上肢帯;胸帯;肩帯 Cingulum pectorale; Cingulum membri superioris】 Its skeletal framework consists of the scapulae and the clavicles.
→(上肢帯とは肩(肩甲部)に相当し、体幹と上腕とを結合する役目をする(骨では鎖骨と肩甲骨が上肢帯骨である)。上腕と体幹との移行部で肩関節を包んでいる範囲を肩というが、その広がりははっきり規定されていない。)
- 309_01【Coracoacromial ligament烏口肩峰靱帯 Ligamentum coracoacromiale】 Thick band extending from the coracoid process of the scapula to the acromion, forming a roof over the shoulder joint.
→(烏口肩峰靱帯は肩甲骨烏口突起の水平部から広く起こり、やや上方に集まって肩峰の尖端で肩鎖関節の外側ととの間に張る比較的強い靱帯である。肩関節を上から被うが、両者の間に肩甲下筋と棘上筋の腱および肩峰下包が介在するため、関節包とは直接しない。肩関節を保護すると共に、上腕骨が水平より上方にあがることを抑制する。機能的には肩関節と関係が深い。烏口突起、肩峰とともに、いわゆるcoracoacromial arch, Shoulter-dachをつくり、肩関節の運動に際して上腕骨頭の働きを上方から制限する。このため肩関節だけの運動では、上肢の外転は水平位(90°)までで、それ以上の上肢の挙上には胸鎖関節や肩鎖関節の働きを必要とする。)
- 309_02【Acromioclavicular ligament肩鎖靱帯 Ligamentum acromioclaviculare】 Ligament that strengthens the superior wall of the joint capsule, holding the acromion and clavicle together.
→(肩鎖関節の関節包はゆるく、その前側がやや強いほか、前面は厚く強くなって肩鎖靱帯をつくる。運動の範囲は狭いが、肩甲骨の外側角が上方に向くような動きがあるほか、肩甲骨の少し回旋が行われる。たとえば、外側角が上を向く運動に際して、下角が前方へ移動し、上角が下降するような回旋運動が起こる。)
- 309_03【Acromion肩峰;カタサキ Acromion】 Free end of the spine of the scapula that projects over the head of the humerus.
→(肩峰は肩甲棘そのものは、尖端が扁平な大突起となって関節窩を越えて突き出ている。この部分を特に肩峰(肩甲棘から肩峰にかけて僧帽筋がつき、三角筋が起こる)と呼ばれ、その突起近くの内側面には鎖骨と連結する小楕円形の関節面(輪郭はあまり明瞭でない)がある。肩甲棘のつけ根(肩甲骨背側面から起こる基部)の外側端の所では、棘上窩と棘下窩が関節窩のすぐそばでたがいに交通している。)
- 309_04【Biceps brachii muscle上腕二頭筋 Musculus biceps brachii】 Two-headed muscle that attaches on the radial tuberosity and extends with the aponeurosis brachii toward the ulna to blend into the antebrachial fascia. It acts in elbow joint flexion and forearm supination. I: Musculocutaneous nerve.
→(上腕二頭筋は、長頭が関節上結節に起始し、短頭は烏口突起に起始する。二頭筋の長頭(長いのは腱の部分のみ)は上腕骨頭を越え、結節間滑膜鞘に包まれて、結節間溝へ入る。共通の筋腹の終止腱は、肘窩の奥で、橈側粗面に停止する。腱性の帯である上腕二頭筋腱膜は終止腱から分かれ、前腕筋膜に放散している。肘関節を屈曲すると、上腕二頭筋は特に突出する。なぜならば、この筋は関節から離れて、上腕筋によって前に押し出されるからである。機能として肘関節に作用して前腕をまげる。上腕前面に力こぶをつくる。筋腹の内外両側の溝をそれぞれ内側二頭筋溝および外側二頭筋溝という。前者を尺側皮静脈、後者を橈側皮静脈が走る。長頭の件は滑膜に包まれながら肩関節腔を貫く。また上腕骨の結節間溝を通るところでは、結節間滑液鞘に包まれる。)
- 309_04a【Long head of biceps brachii muscle長頭(上腕二頭筋の) Caput longum (Musculus biceps brachii)】 o: Supraglenoid tubercle. Abduction of shoulder joint.
→(上腕二頭筋の長頭は肩甲骨の関節上結節より起こり、橈骨粗面および尺骨に停止する。作用として肘関節の屈曲、肩関節の外転と軽度の外転。)
- 309_05【Glenoid cavity of scapula関節窩(肩甲骨の) Cavitas glenoidalis scapulae】 Articular fossa forming part of the shoulder joint.
→(肩甲骨の外側角は先がそぎ取られたようになっており、ここに上腕骨と関節する大きな関節窩が西洋ナシの輪郭をした浅いくぼみを作っている。)
- 309_06【Glenoid labrum of scapula関節唇(肩甲骨の) Labrum glenoidale scapulae】 Lip of fibrocartilage around the margin of the shoulder joint that augments the bony articular surface.
→(上腕骨頭は球の約3分の1にあたるが、卵円形の関節窩は小さく、関節頭としての上腕骨頭の関節面の約3分の1の広さにすぎない。関節窩の周縁は、線維軟骨性の関節唇によって補われる。)
- 309_07【Joint capsule of shoulder; Capsule of shoulder joint関節包(肩関節の) Capsula articularis humeri; Capsula articularis glenohumeralis】
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- 309_08【Coracoclavicular ligament烏口鎖骨靱帯 Ligamentum coracoclaviculare】 Ligament that consists of two parts and connects the coracoid process of the scapula and the clavicle. It transmits the weight of the arms to the clavicle.
→(烏口鎖骨靱帯は肩甲骨烏口突起の上面と鎖骨外側端の下面とを結ぶ強い靱帯で菱形靱帯と円錐靱帯の2部分よりなる。)
- 309_09【Trapezoid ligament菱形靱帯;菱形部(烏口鎖骨靱帯) Ligamentum trapezoideum; Pars trapezoides ligamentum coracoclaviculare】 Portion of the coracoclavicular ligament that extends from the coracoid process of the scapula anterolaterally to the clavicle. It lies between the conoid portion of the coracoclavicular ligament and the coraco-acromial ligament.
→(菱形靱帯は烏口鎖骨靱帯の前外側の部である。烏口突起の内側縁と一部上面から起こり、前部の線維は垂直に近く前上方および上方へ、後部の線維は斜めに外上方へ走って鎖骨の菱形靱帯線に着く。関節面が斜位を取る肩鎖関節の脱臼を防ぐことに与かり、また肩甲骨が前方、内方に動くのを制限する。)
- 309_10【Conoid ligament円錐靱帯;円錐部(烏口鎖骨靱帯) Ligamentum conoideum; Pars conoides ligamentum coracoclaviculare】 Portion of the coracoclavicular ligament medial to the trapezoid ligament. Triangular band, the base of which is attached to the clavicle and the tip to the coracoid process of the scapula.
→(円錐靱帯は烏口鎖骨靱帯の後内側の部である。烏口突起の屈折部附近の内側縁から起こり、上方に拡がりながら後の線維は外上方に走るようにひねった三角形をつくり、鎖骨の円錐靱帯結節に着く。肩甲骨が後方に動くのを制限する。菱形靱帯と円錐靱帯の間に鎖骨下筋の外側部がはさまれる。)
- 309_11【Clavicle; Collar bone鎖骨 Clavicula】
→(鎖骨は胸骨上縁のところにある棒状の骨。鎖骨の内側端を鎖骨端といい、その内側面には四角形の頬骨関節面があって、頬骨の鎖骨切痕と連結する。また、外側端を肩峰端といい、その外側面には楕円形の肩峰関節面があって肩甲骨と連結する。鎖骨下面の胸骨端の近くには胸鎖靱帯圧痕、肩峰端のすぐ近くには円錐靱帯結節という粗面があり、それぞれ同名の靱帯が付着する。鎖骨は結合組織生骨であり、全身の骨の中では最も早く骨化がはじまる(胎生第5週)が、骨化の完了する時期は25最以後で長骨の中では一番遅い。鎖骨は一般の長骨と異なり髄腔がなく、内部は海綿質でみたされている。哺乳類のうち上肢を歩行以外にも使用する(たとえば、物をつかんだり、からだの前で上肢を交差させる動作など)動物では鎖骨は発達しているが、上肢を前後方向に動かして歩行だけに使用する動物では鎖骨はないか、あっても痕跡的である。したがって霊長目や齧歯目では鎖骨が発達し、食肉目や有蹄目には鎖骨がない。語源はClavis(腱、カンヌキ)の縮小形で小さな鍵という意味。)
- 309_12【Superior transverse scapular ligament; Transverse scapular ligament上肩甲横靱帯;肩甲横靱帯 Ligamentum transversum scapulae superius】 Ligament that lies medial to the coracoid process of the scapula and bridges the suprascapular notch.
→(上肩甲横靱帯は肩甲切痕の上に張る扁平な小靱帯で、その一部または前部が骨化することがある。この靱帯の上を肩甲上動脈が越え、その下を肩甲上神経が通る。)
- 309_13【Scapula; Shoulder blade肩甲骨 Scapula】 Shoulder blade.
→(胸郭の背側上外部で三角形をした大型の平坦な骨で第2~第8肋骨に被さっており、左右両端は肩鎖関節で鎖骨と、肩関節で上腕骨と関節している。肋骨面(前面)と背面の2面、内側縁・外側縁・上縁の3縁、上角・下角・外側角の3角を区別する。外側角の部分は上縁と外側縁の合するところで肥厚しており、その外側端に楕円形の関節窩がある。関節下の上・下には関節状結節および関節下結節があって、それぞれ上腕二頭筋長頭、上腕三頭筋長頭がおこる。また、関節下の内方はやや細くなっており肩甲頚という。肋骨面は全体に浅くへこんでおり肩甲下窩という。背面の上部には肩甲棘というほぼ水平に走る隆起があり、その尖端は大きく扁平な突起となって関節窩の外方へ突き出していて肩峰とよばれる。肩峰の内側面には鎖骨との関節面である肩峰関節面がある。背側面は肩峰棘によって二分され、上方の比較的小さいくぼみを棘上窩、下方に広いくぼみを棘下窩という。上縁は外側に向かってやや下方に向いているが、その外側端には肩甲切痕という小さい切れ込みがある。また、肩甲切痕と関節窩の間から鈎状の烏口突起が前方に突き出している。語源はローマ時代にはscapulaは「背なか」を意味していた。17世紀にフランスの解剖学者リオランJ.Riolanがギリシャ語のSkaptein(掘る)に由来するscapulaを肩甲骨に初めて採用したという。この骨の形がシャベルに似ているからである。日本では肩甲骨のことを俗に「貝がらぼね」という。)