目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Muscles of upper limb(上肢の筋)Musculi membri superioris じょうしのきん Feneis: 110_22

[A04_6_00_001] →(上肢の筋(上肢筋)をその筋腹のある位置に従って上肢帯の筋、上腕の筋、前腕の筋および手の筋に分けることができる。)

Compartments(区画(上肢の筋の))Compartimenta くかく(じょうしのきんの) Feneis: 110_23

[A04_6_01_001] →(上肢の筋の区画は、上腕の屈筋群、上腕の伸筋群、前腕の屈筋群を浅部と深部に、また前腕の伸筋群は橈側部に区画している。)

Anterior compartment of arm; Flexor compartment of arm(上腕の前区画;上腕の屈筋区画)Compartimentum brachii anterius; Compartimentum brachii flexorum じょうわんのぜんくかく;じょうわんのくっきんくかく Feneis: 110_24

[A04_6_01_002] →(上腕の屈筋は上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕筋である。)

Posterior compartment of arm; Extensor compartment of arm(上腕の後区画;上腕の伸筋区画)Compartimentum brachii posterius; Compartimentum brachii extensorum じょうわんのこうくかく;じょうわんのしんきんくかく Feneis: 110_25

[A04_6_01_003] →(上腕の伸筋は上腕三頭筋、肘筋である。)

Anterior compartment of forearm; Flexor compartment of forearm(前腕の前区画;前腕の屈筋区画;前腕屈筋群)Compartimentum antebrachii anterius; Compartimentum antebrachii flexorum; Musculi flexores antebrachii ぜんわんのぜんくかく;ぜんわんのくっきんくかく Feneis: 110_26

[A04_6_01_004] →(前腕の屈筋区画は、浅層筋と深層筋とに分けるとことが出来る。)

Superficial part of anterior compartment of forearm(浅部(前腕の屈筋区分の))Pars superficialis compartimenti antebrachii anterioris せんぶ(ぜんわんのくっきんくぶんの) Feneis: 110_27

[A04_6_01_005] →(前腕の屈筋区分の浅部には円回内筋、浅指屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋がある。上腕骨の内側上顆、またそのほか前腕骨からも起こる。この5筋のうち浅指屈筋はほかの4筋よりも深い。浅い4筋の内側上顆から起こる筋頭は起始腱膜をはさんでたがいに癒着しているので、上部ではメスを用いなければわけられない。また上部を被う筋膜は強く、筋束の一部はこれから起こる。)

Deep part of anterior compartment of forearm(深部(前腕の屈筋区分の))Pars profunda compartimenti antebrachii anterioris しんぶ(ぜんわんのくっきんくぶんの)Parona, Space of Feneis: 110_28

[A04_6_01_006] →(前腕の屈筋区分の深部には方形回内筋、深指屈筋、長母指屈筋がある。深指屈筋と長母指屈筋は前腕から起こり、指に至るが、方形回内筋は尺骨から起こって橈骨につく。)

Posterior compartment of forearm; Extensor compartment of forearm(前腕の後区画;前腕の伸筋区画)Compartimentum antebrachii posterius; Compartimentum antebrachii extensorum ぜんわんのこうくかく;ぜんわんのしんきんくかく Feneis: 110_29

[A04_6_01_007] →(前腕の伸筋区画も浅部と深部に分けることが可能であるがここでは分けていない。浅部には[総]指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋があり、深部には回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋がある。)

Lateral part of posterior compartment of forearm; Radial part of posterior compartment of forearm(外側部;橈側部(前腕の伸筋区分の))Pars lateralis compartimenti antebrachii posterioris; Pars radialis compartimenti antebrachii posteriori がいそくぶ;とうそくぶ(ぜんわんのしんきんくぶんの) Feneis: 110_30

[A04_6_01_008] →(前腕の伸筋区分の橈側部は短橈側手根伸筋、長と右側手根伸筋、腕橈骨筋がある。)

Muscles of upper limb(上肢の筋)Musculi きん(じょうしの) Feneis: 112_01

[A04_6_02_001]

Deltoid muscle(三角筋)Musculus deltoideus さんかくきん Feneis: 112_02

[A04_6_02_002] →(三角筋は肩から上腕の上部にかけての丸みをつくる強大な筋。厚い筋性の被いで、上腕骨近位端を上、前、横および後から包んでいる。これは肩の弯曲を形どっている。しかしそれは筋自体によるものではなく、骨の形、特に大結節によっている。広げると、この筋は逆さにしたギリシャ文字のデルタに似ている。なぜなら肩関節における起始は非常に広がっており、上腕骨における停止は大変狭いからである。三角筋は鎖骨の外側1/3、肩峰および肩甲棘から起こる。肩峰部は複合羽状である(多数の線維-大きな生理的断面)、筋の内表面にあり三角筋粗面に停止しする腱に向かって筋線維の太い束が、集まっている。作用として上腕を外転する。しかし、三角筋は上腕を体幹に沿って下垂している状態から直ちに外転することはできない(三角筋の筋線維の走行が上腕骨の長軸に平行であるため、はじめは上腕を上方に引き上げるにすぎない)。したがって、上腕を下垂した位置から外転するためには、最初に棘上筋によって外転を起動しなければならない。)

Clavicular part of deltoid(鎖骨部(三角筋の))Pars clavicularis (Musculus deltoidei) さこつぶ(さんかくきんの) Feneis: 112_03

[A04_6_02_003] →(三角筋の鎖骨部は三角筋のうち鎖骨から起始する部分。)

Acromial part of deltoid muscle(肩峰部(三角筋の))Pars acromialis Musculusdeltoidei けんぽうぶ(さんかくきんの) Feneis: 112_04

[A04_6_02_004] →(三角筋の肩峰部は三角筋のうち肩峰から起始する部分。)

Spinal part; Spine part (of deltoid muscle)(肩甲棘部(三角筋の))Pars spinalis; Pars spinae けんこうきょくぶ(さんかくきんの) Feneis: 112_05

[A04_6_02_005] →(三角筋の肩甲棘部は三角筋のうち肩甲棘から起始する部分。)

Supraspinatus muscle(棘上筋)Musculus supraspinatus きょくじょうきん Feneis: 112_06

[A04_6_02_006] →(棘上筋は肩甲骨の棘上窩(外側は肩甲骨頚まで)および、それをおおい肩甲骨縁と肩甲棘に付着している筋膜から起こっている。腱は肩峰の下を通り、肩関節包に線維を放散させ、上腕骨の大結節の上面に付いている。機能としては上腕外転にさいし三角筋を補助する。関節窩に上腕骨頭を固定する。上腕骨頭を外旋する。神経支配は肩甲上神経。動脈は肩甲上動脈(肩甲横動脈)から受ける。)

Supraspinous fascia(棘上筋膜)Fascia supraspinata きょくじょうきんまく Feneis: 112_07

[A04_6_02_007] →(棘上筋膜は棘上筋を被い、棘上窩の縁に着く。)

Infraspinatus muscle(棘下筋)Musculus infraspinatus きょくかきん Feneis: 112_08

[A04_6_02_008] →(棘下筋は棘下窩(肩甲骨頚を縁どる部分は除く)から起こり、肩関節包と上腕骨の大結節中央面につく。これは小円筋とともに肩甲骨縁に付着している筋膜によっておおわれている。機能としては小円筋とともに上腕骨頭を外旋する。神経支配は肩甲上神経。動脈は肩甲上動脈(肩甲横動脈)、肩甲回旋動脈より受ける。)

Infraspinous fascia(棘下筋膜)Fascia infraspinata きょくかきんまく Feneis: 112_09

[A04_6_02_009] →(棘下筋膜は棘下筋を被い、棘下窩の縁につく。)

Teres minor muscle(小円筋)Musculus teres minor しょうえんきん Feneis: 112_10

[A04_6_02_010] →(小円筋は肩甲骨外側縁に起始し、大結節後面にいたる。この筋はしばしば棘下筋に非常に接近して停止しているので、神経支配の違いを基にしてのみ境界線引くことができる。大円筋、小円筋、上腕三頭筋長頭の3者によって取り囲まれる三角形の隙間は内側腋窩隙triangular spaceと呼ばれ、ここを肩甲回旋動静脈が通っている。また大円筋、上腕二頭筋長頭、小円筋、上腕骨の4者によって囲まれる四辺形の隙間は外側腋窩隙quadrangular spaceとよばれる。ここは腋窩神経と後上腕回旋動脈が通っている。)

Teres major muscle(大円筋)Musculus teres major だいえんきん Feneis: 112_11

[A04_6_02_011] →(大円筋は肩甲骨下角の背側面で起こり、上腕三頭筋長頭の回りを曲がり、広背筋停止腱(下縁で一緒に成長する)の背側で小結節稜に付着する。大円筋は肩甲下筋の分かれたものである。さらに、同じ原基から生じる広背筋と遺伝的にも密接に関係している。大円筋、小円筋、上腕三頭筋長頭の3者によって取り囲まれる三角形の隙間は内側腋窩隙triangular spaceと呼ばれ、ここを肩甲回旋動静脈が通っている。また大円筋、上腕二頭筋長頭、小円筋、上腕骨の4者によって囲まれる四辺形の隙間は外側腋窩隙quadrangular spaceとよばれる。ここは腋窩神経と後上腕回旋動脈が通っている。)

Subscapularis muscle; Subscapular muscle(肩甲下筋)Musculus subscapularis けんこうかきん Feneis: 112_12

[A04_6_02_012] →(肩甲下筋は肩関節固有筋で、その腱は回旋筋腱板の形成に加わる。強い筋性の板として肩甲下窩を埋めている。これは肩甲骨肋骨面の筋線に付着する腱性の束から起こり、小結節に停止する、また腱線維のいくらかは関節包にも停止する。神経支配:第五・第六頚神経の腕神経叢後索からの上下肩甲下神経。作用:腕の内旋。持続的に収縮すれば上腕骨頭を関節窩に固定できる。)

Biceps brachii muscle(上腕二頭筋)Musculus biceps brachii じょうわんにとうきん Feneis: 112_13

[A04_6_02_013] →(上腕二頭筋は、長頭が関節上結節に起始し、短頭は烏口突起に起始する。二頭筋の長頭(長いのは腱の部分のみ)は上腕骨頭を越え、結節間滑膜鞘に包まれて、結節間溝へ入る。共通の筋腹の終止腱は、肘窩の奥で、橈側粗面に停止する。腱性の帯である上腕二頭筋腱膜は終止腱から分かれ、前腕筋膜に放散している。肘関節を屈曲すると、上腕二頭筋は特に突出する。なぜならば、この筋は関節から離れて、上腕筋によって前に押し出されるからである。機能として肘関節に作用して前腕をまげる。上腕前面に力こぶをつくる。筋腹の内外両側の溝をそれぞれ内側二頭筋溝および外側二頭筋溝という。前者を尺側皮静脈、後者を橈側皮静脈が走る。長頭の件は滑膜に包まれながら肩関節腔を貫く。また上腕骨の結節間溝を通るところでは、結節間滑液鞘に包まれる。)

Long head of biceps brachii muscle(長頭(上腕二頭筋の))Caput longum (Musculus biceps brachii) ちょうとう(じょうわんにとうきんの) Feneis: 112_14

[A04_6_02_014] →(上腕二頭筋の長頭は肩甲骨の関節上結節より起こり、橈骨粗面および尺骨に停止する。作用として肘関節の屈曲、肩関節の外転と軽度の外転。)

Short head of biceps brachii muscle(短頭(上腕二頭筋の))Caput breve (Musculus biceps brachii) たんとう(じょうわんにとうきんの) Feneis: 112_15

[A04_6_02_015] →(上腕二頭筋の短頭は烏口突起に起こり、橈骨粗面と尺骨に停止する。作用として肘関節の屈曲と回外。その他、肩関節で上腕を前方に上げる。)

Bicipital aponeurosis(上腕二頭筋腱膜;線維性腱膜)Aponeurosis musculi bicipitis brachii; Aponeurosis bicipitalis; Lacertus fibrosus じょうわんにとうきんけんまく;せんいせいけんまく Feneis: 112_16

[A04_6_02_016] →(二頭筋腱の腱膜性の分束で、内方へ向かい前腕筋膜へつく。上腕を回外するとき、二頭筋収縮力を尺骨へ伝える。(Feneis))

Coracobrachialis muscle; Pirogoff's aponeurosis(烏口腕筋)Musculus coracobrachialis うこうわんきんPirogoff's aponeurosis Feneis: 112_17

[A04_6_02_017] →(烏口腕筋は、発生学的には上腕の腹側筋の筋群(屈筋)に属し、上腕二頭筋と上腕筋のように、筋皮神経によって支配されている。しかし、この筋は肩関節においてのみ作用する。この筋は烏口突起から上腕二頭筋短頭とともに起こり、上腕骨内側面で、小結節稜の遠位に停止する。上腕を垂れ下げた状態では、烏口腕筋は腋窩に隠れている。この筋は上腕の神経血管幹を誘導する筋として働いている。)

Brachialis muscle; Casserio's muscle(上腕筋)Musculus brachialis じょうわんきんCasserio's muscle Feneis: 112_18

[A04_6_02_018] →(上腕筋は上腕骨前面の三角筋粗面(均一な三角筋-上腕筋系の骨付着部と考えらえている)より遠位部で起こり、尺骨粗面に停止する。[臨床]上腕筋は、上腕骨上に直に接しているため、筋を上腕骨に圧迫するような外力が加わるとか、上腕骨の(顆上)過伸展骨折(伸展骨折)の際に、骨折端によって穿通され、容易に損傷される。損傷した筋組織の部位に生じる結合組織の瘢痕は、収縮し、上腕筋の短縮が起こることがある。このような場合、腕は肘関節を伸展することが不可能になる。)

Triceps brachii muscle(上腕三頭筋)Musculus triceps brachii じょうわんさんとうきん Feneis: 112_19

[A04_6_02_019] →(肘を伸ばす筋。3つの起始のうち、軽く伸展する時は内側頭が働き、強く伸展する時には長頭や外側頭も協同する。長頭は肩甲骨の関節下結節、外側頭は上腕骨上部の後面、内側頭は上腕骨体の後面からおこり、合したのち尺骨の肘頭につく。なお、この筋は肩関節の内転にも働く。神経支配:橈骨神経(C5,C7,C8).動脈:上腕深動脈。(イラスト解剖学))

Long head of triceps brachii muscle(長頭(上腕三頭筋の))Caput longum (Musculus triceps brachii) ちょうとう(じょうわんさんとうきんの) Feneis: 112_20

[A04_6_02_020] →(長頭は肩甲骨の関節下結節とそれに続く肩甲骨外側縁から起こる。この筋は、広い表層の腱板を介して肘頭に停止する。外側の腱線維束は前腕の筋膜に入り、肘頭が損傷された場合にも予備の伸筋としての働きをする。また、その深層の線維は肘関節の関節包に付着している。これらは肘関節筋と呼ばれている。)

Lateral head of triceps brachii muscle(外側頭;橈側頭(上腕三頭筋の))Caput laterale; Caput radiale (Musculus triceps brachii) がいそくとう(じょうわんさんとうきんの) Feneis: 112_21

[A04_6_02_021] →(外側頭の起始は狭い帯状で、橈骨神経溝の近位にあり、内側頭の大部分を被っている。しかし、内側頭もまた外側上顆の上の狭い範囲の外側面に達している。)

Medial head of triceps brachii muscle; Deep head of triceps brachii muscle(内側頭;深頭;尺側頭;上腕骨粗線(上腕三頭筋の))Caput mediale; Caput profundum; Caput ulnare; Linea aspera humeri (Musculus triceps brachii) ないそくとう;しんとう;しゃくそくとう;じょうわんこつそせん(じょうわんにとうきんの) Feneis: 112_22

[A04_6_02_022] →(内側頭は上腕骨の後面、橈骨神経溝の内側遠位および両側間中隔(とりわけ、内側)から起こる。)

Articularis cubiti; Articularis cubiti muscle(肘関節筋)Musculus articularis cubiti ちゅうかんせつきんLecomite's pronator of ulna Feneis: 112_24

[A04_6_02_024] →(肘関節には上腕の筋が働く。大まかには上腕筋と上腕二頭筋が肘を曲げ、上腕三頭筋が肘を伸ばすと考えてよい。このほか、腕頭骨筋も肘の屈曲作用をもち、上腕骨からおこる前腕筋の一部も肘の運動に働く。このため、上腕屈筋を支配する筋皮神経が麻痺しても腕頭骨筋や前腕屈筋が働くので、肘関節を軽く曲げることはできる。(イラスト解剖学))

Anconeus muscle(肘筋)Musculus anconeus ちゅうきん Feneis: 112_23

[A04_6_02_023] →(肘筋は、上腕三頭筋内側頭の外側部分の遠位への延長となっている。その線維は上腕骨外側上顆、関節包および外側側副靱帯に始まり、扇状に尺骨背側表面へ広がっている。)

Pronator teres muscle(円回内筋)Musculus pronator teres えんかいないきん Feneis: 112_25

[A04_6_02_025] →(円回内筋の上腕頭は、前腕の浅層の屈筋群とともに上腕骨の内側上顆と内側上腕筋間中隔から起こる。発達の弱い尺骨頭は鈎状突起と尺骨粗面の間の尺骨内側面から起こる。円回内筋は尺骨と橈骨の上を斜走し、橈骨の前縁を回って、回外筋の停止部の下方の橈骨の前縁を回って、回外筋の停止部の下方の橈骨外側面につく。円回内筋は腕橈骨筋とともに肘窩の遠位側の境界となる。正中神経は円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を通る。)

Humeral head of pronator teres muscles(上腕頭;上腕骨頭(円回内筋の))Caput humerale (Musculus pronatoris teretis) じょうわんとう(えんかいないきんの) Feneis: 112_26

[A04_6_02_026] →(円回内筋の上腕頭は内側上顆から起こる部分。)

Ulnar head of pronator teres muscle(尺骨頭;尺側頭(円回内筋の))Caput ulnare (Musculus pronatoris teretis) しゃくこつとう(えんかいないきんの) Feneis: 112_27

[A04_6_02_027] →(円回内筋の尺骨頭は鈎状突起から起こる部分。)

Flexor carpi radialis muscle(橈側手根屈筋)Musculus flexor carpi radialis とうそくしゅこんくつきん Feneis: 114_01

[A04_6_02_028] →(橈側手根屈筋は上腕骨の内側上顆で浅層の屈筋群の共通起始部と、また同様に前腕屈筋および隣接する筋とを分けている結合組織中隔から起こる。筋は第2(しばしば第3)中手骨底に付く。羽状筋である橈側手根屈筋の長い腱は斜め下方に走り、橈骨の遠位1/3で橈骨動静脈の屈側に進み、屈筋支帯のしたのそれぞれ独自の管を通る。)

Palmaris longus muscle(長掌筋)Musculus palmaris longus ちょうしょうきん Feneis: 114_02

[A04_6_02_029] →(長掌筋は橈側手根屈筋と尺側手根屈筋の間に位置する。短い筋腹は長い腱に移行し、腱は橈側手根屈筋の腱の内側を手掌に下り、浅枝屈筋の浅層に進む。手を曲げると、屈筋支帯の上を通る腱が皮膚を通して観察できる。腱は手掌腱膜に移行し、広がる。手掌筋は(約20%で)欠如することも、2頭または2筋の発達もありうる。)

Flexor carpi ulnaris muscle(尺側手根屈筋)Musculus flexor carpi ulnaris しゃくそくしゅこんくっきん Feneis: 114_03

[A04_6_02_030] →(尺側手根屈筋は屈筋群の尺側外縁を形成している。上腕頭は上腕骨の内側上顆と内側上腕筋間中隔から起こる。尺骨頭は肘頭、尺骨後縁の近位2/3と前腕筋膜から起こる。2頭は腱性の帯で結合しており、この下を尺骨神経が前腕の屈側に向かう。筋の腱は(尺骨神経、尺骨動・静脈の)尺側前腕路の内側の境をなす。この腱は手根管を通らず、豆状骨に停止した後、豆鈎靱帯と豆中手靱帯で有鈎骨と第5中手骨に至る。筋の腱中に種子骨として豆状骨の停止部があるため、回転軸からの距離が増し、尺側手根屈筋は手掌を曲げるのに有利なトルク(回転力)を得られる。)

Humeral head of flexor carpi ulnaris muscle(上腕頭(尺側手根屈筋の))Caput humerale (Musculus flexoris carpi ulnaris) じょうわんとう(しゃくそくしゅこんくっきんの) Feneis: 114_04

[A04_6_02_031] →(尺側手根屈筋の上腕頭は上腕骨内側上顆から起こる部分。)

Ulnar head of flexor carpi ulnaris muscle(尺骨頭(尺側手根屈筋の))Caput ulnare (Musculus flexoris carpi ulnaris) しゃくこつとう(しゃくそくしゅこんくっきんの) Feneis: 114_05

[A04_6_02_032] →(尺側手根屈筋の尺骨頭は尺骨から起こる部分。)

Flexor digitorum superficialis muscle(浅指屈筋)Musculus flexor digitorum superficialis; Musculus flexor digitorum sublimis せんしくっきん Feneis: 114_06

[A04_6_02_033] →(浅指屈筋は2頭筋で、前述した屈筋よりやや深部に位置するので、これらの筋は浅指屈筋を部分的におおっている。上腕尺骨頭は上腕骨の内側上顆の浅屈筋群の起始部と鈎状突起から起きる。橈骨頭は円回内筋の停止部下方の橈骨の前面の細長い部分から起こる。その終末腱は第2~第4中節骨に付く。浅指屈筋は屈筋支帯近くで広がり、2個の浅筋膜(中指と薬指へ)と2個の伸筋腹(示指と小指へ)に不完全に分かれる。それらの腱は手根管を通り、基節骨の上で2分し、その間を深指屈筋の腱が末節腱に通り抜ける(そこで、浅指屈筋を“被貫通屈筋”、深指屈筋を“貫通屈筋”と呼ぶ。腱は第2~第5中節骨の両側縁に付く。浅指屈筋の深層腱線維は最初に(近位部で)分かれる。骨に直背側部分を形成する。この管(鞘)の壁側は長軸方向に走る浅指屈筋の分岐した腱で作られている。不完全で短い手掌部分は腱の近位浅層の不分岐部でつくられる。)

Humero-ulnar head of flexor digitorum superficialis muscle; Humeral head of flexor digitorum superficialis muscle(上腕尺骨頭;上腕骨頭(浅指屈筋の))Caput humeroulnare; Caput humerale (Musculus flexoris digitorum superficialis) じょうわんしゃくこつとう;じょうわんとう(せんしくっきんの) Feneis: 114_07

[A04_6_02_034] →(浅指屈筋の上腕尺骨頭は上腕骨および尺骨から起こる部分。)

Radial head of flexor digitorum superficialis muscle(橈骨頭(浅指屈筋の))Caput radiale (Musculus flexoris digitorum superficialis) とうこつとう(せんしくっきんの) Feneis: 114_08

[A04_6_02_035] →(浅指屈筋の橈骨頭は橈骨から起こる部分。)

Flexor digitorum profundus muscle(深指屈筋)Musculus flexor digitorum profundus しんしくっきん Feneis: 114_09

[A04_6_02_036] →(深指屈筋は尺骨(近位2/3)の前面と内側面、骨間膜、および前腕筋膜の広い範囲から起きる。その大きな筋腹は尺骨の前内側面を包み、浅指屈筋の滑走面となっている。4つの腱は手根管で互いに並び、浅指屈筋の腱を貫通し、第2~第5指の末節骨底に達する。)

Flexor pollicis longus muscle(長母指屈筋(手の))Musculus flexor pollicis longus ちょうぼしくっきん Feneis: 114_10

[A04_6_02_037] →(長母指屈筋は系統発生学的には独立した深指屈筋の一部である。その起始部は橈骨粗面から方形回内筋の上縁までの橈骨の前面、および骨間膜にまで広がっている。その腱は手根間を通り、短母指屈筋の2頭の間に入り込み、母指の末節骨底に付く。)

Pronator quadratus muscle(方形回内筋)Musculus pronator quadratus ほうけいかいないきん Feneis: 114_11

[A04_6_02_038] →(方形回内筋は尺骨と橈骨の下1/4の前面で両者を結合しているので、尺骨の起始部は前縁を少し回って内側面に達している。)

Brachioradialis muscle(腕橈骨筋)Musculus brachioradialis わんとうこつきん Feneis: 114_12

[A04_6_02_039] →(腕橈骨筋は橈骨の外側縁に位置し、上腕骨の外側縁、外側上顆の上と外側上腕筋間中隔から起始する。腕橈骨筋は橈骨の茎状突起基底部に停止する。)

Extensor carpi radialis longus muscle(長橈側手根伸筋)Musculus extensor carpi radialis longus ちょうとうそくしゅこんしんきん Feneis: 114_13

[A04_6_02_040] →(長橈側手根伸筋は腕橈骨筋起始部の下方の上腕骨外側縁と外側上腕筋間中隔から起こり、第2中手骨底に停止する。筋服の上縁は腕橈骨筋で被われているが、筋は外側上顆で外側に曲がり、短橈側手根伸筋の近位部を被っている。)

Extensor carpi radialis brevis muscle(短橈側手根伸筋)Musculus extensor carpi radialis brevis たんとうそくしゅこんしんきん Feneis: 114_14

[A04_6_02_041] →(短橈側手根伸筋は外側上顆、橈骨輪状靱帯および総指伸筋と本筋とを分けている結合組織中隔から起こる。短い腱は第3中手骨の茎状突起につく。長および短橈側手根伸筋の腱は橈骨の外側縁を下方に進み、長母指外転筋と短母指外転筋の筋腹と交叉し、伸筋支帯のしたの第2腱区画を通る。)

Extensor digitorum muscle; Extensor digitorum communis muscle(総指伸筋;指伸筋)Musculus extensor digitorum; Musculus extensor digitorum communis そうししんきん;ししんきん Feneis: 114_15

[A04_6_02_042] →([総]指伸筋は、尺側手根伸筋の橈側で前腕の中央に位置している。筋は肘関節の外側靱帯束、前腕筋膜および、この筋を短橈側手根伸筋から分けている結合組織中隔から起きる。筋は第2~第5指の指背腱膜に停止する。[総]指伸筋の4つの腱は同じ層に位置し、伸筋支帯の下の第4腱区画をともに通過する。中手骨領域で、腱は横走靱帯(腱間結合)で互いに結合し、指背で指背腱膜を形成する。腱の中央索は中節骨底に終わり、中節関節を越えた両側の腱索は中節骨の背側で合して第2~第5末節骨底に付く。)

Intertendinous connections of extensor digitorum(腱間結合;腱連結(指伸筋の))Connexus intertendineus; Juncturae tendinum けんかんけつごう;けんれんけつ(ししんきんの) Feneis: 114_16

[A04_6_02_043] →(手背において、指伸筋腱相互間にみられる斜走する腱性連結で[総]指伸筋の4腱互いにの間および小指伸筋腱との間に腱間結合がある。これは各指を独立に屈伸するのを妨げる。)

Extensor digiti minimi muscle(小指伸筋;固有小指伸筋)Musculus extensor digiti minimi; Musculus extensor digiti quinti proprius しょうししんきん Feneis: 114_17

[A04_6_02_044] →(小指伸筋は[総]指伸筋から分かれたもので、起始部では腱膜でのみこの筋から分離される。その腱は第5腱区画を通て、第5指の指背腱膜に停止する。)

Extensor carpi ulnaris muscle(尺側手根伸筋)Musculus extensor carpi ulnaris しゃくそくしゅこんしんきん Feneis: 114_18

[A04_6_02_045] →(尺側手根伸筋は伸筋群の浅層内側の外形を形成してる。この筋の上腕頭は、肘筋と[総]指伸筋の起始領域の間の上腕骨の外側上顆から起こる。この筋の尺骨頭は前腕筋膜と尺骨の背側縁から起こる。この筋は第5中手骨底に停止する。羽状筋である尺側手根伸筋はは尺骨の背側表面に位置している。その腱は尺骨頭の上で茎状突起の内側に形成された溝を進み、伸筋支帯の下の第6腱区画を通過する。)

Humeral head of extensor carpi ulnaris(上腕頭(尺側手根伸筋の))Caput humerale (Musculus extensoris carpi ulnaris) じょうわんとう(しゃくそくしゅこんしんきんの) Feneis: 114_19

[A04_6_02_046] →(尺側手根伸筋の上腕頭は上腕骨から起こる部分。)

Ulnar head of extensor carpi ulnaris muscle(尺骨頭(尺側手根伸筋の))Caput ulnare (Musculus extensoris carpi ulnaris) しゃくこつとう(しゃくそくしゅこんしんきんの) Feneis: 114_20

[A04_6_02_047] →(尺側手根伸筋の尺骨頭は尺骨から起こる部分。)

Supinator muscle(回外筋)Musculus supinator かいがいきん Feneis: 114_21

[A04_6_02_048] →(回外筋は上腕骨の外側上顆、肘関節の外側腱索と尺骨の回外筋稜から起こる。薄い筋板は橈骨の外側を回り、後面から、橈骨粗面と円回内筋の停止部との間の橈骨の前面に付く。橈骨神経深枝はこの筋の近位辺縁近くで筋に入り、ラセン状の“回外筋管”を通って筋の遠位に抜ける。)

Abductor pollicis longus muscle(長母指外転筋)Musculus abductor pollicis longus ちょうぼしがいてんきん Feneis: 114_22

[A04_6_02_049] →(長母指外転筋と短母指伸筋は1つの発生的、機能的単位を形成している:筋腹はしばしば形態学的に1つとなる。これらの筋は橈骨の背側面(2/4と3/4の間)と前腕骨間膜から起こる。羽状筋である長母指外転筋は回外筋の起始部下方からも起こり、また尺骨にも起始部をもつ。長母指外転筋は第1中手骨底に、短母指伸筋は母指基節骨底に付く。短母指伸筋の腱線維は長母指伸筋の腱終末に融合し、弱い指背腱膜を形成する。2つの筋は長および短橈側手根伸筋の腱と急角度で交叉し、これらの腱は橈骨の遠位端の背側の橈骨溝に進み、第1腱区画(手首の屈曲軸の掌側)を通過する。)

Extensor pollicis brevis muscle(短母指伸筋(手の))Musculus extensor pollicis brevis たんぼししんきん(ての) Feneis: 114_23

[A04_6_02_050] →(長母指外転筋と短母指伸筋は1つの発生的、機能的単位を形成している:筋腹はしばしば形態学的に1つとなる。これらの筋は橈骨の背側面(2/4と3/4の間)と前腕骨間膜から起こる。羽状筋である長母指外転筋は回外筋の起始部下方からも起こり、また尺骨にも起始部をもつ。長母指外転筋は第1中手骨底に、短母指伸筋は母指基節骨底に付く。短母指伸筋の腱線維は長母指伸筋の腱終末に融合し、弱い指背腱膜を形成する。2つの筋は長および短橈側手根伸筋の腱と急角度で交叉し、これらの腱は橈骨の遠位端の背側の橈骨溝に進み、第1腱区画(手首の屈曲軸の掌側)を通過する。)

Extensor pollicis longus muscle(長母指伸筋)Musculus extensor pollicis longus ちょうぼししんきん Feneis: 114_24

[A04_6_02_051] →(長母指伸筋は骨間膜と、長母指外転筋と短母指伸筋の起始部に隣接する尺骨の背側面の狭い帯状部分から起き、尺側に向かう。第3腱区画を通った腱は母指の末節骨底に付く。腱の停止腱は“嗅ぎタバコ入れ”と呼ばれる窩の尺側縁を構成する。この窩底で橈骨動脈と伴行静脈は手根の伸筋側に向かう。窩の骨性の底は大菱形骨と舟状骨で形成され、その橈側境界は短母指伸筋と長母指外転筋の腱で形成されている。これらの筋が収縮すると、皮膚に接している腱が突出して、明白な窩となる。)

Extensor indicis muscle(示指伸筋;固有示指伸筋)Musculus extensor indicis; Musculus extensor indicis proprius しじしんきん;こゆうしじしんきん Feneis: 114_25

[A04_6_02_052] →(示指伸筋は深層の伸筋群のさらに遠位内側に位置している。筋は尺骨(背側筋膜の遠心側1/3)のみから起こる。この腱は[総]指伸筋の腱とともに第4腱区画を通過し、示指の指背腱膜に付く。)

Palmaris brevis; Palmaris brevis muscle(短掌筋)Musculus palmaris brevis たんしょうきん Feneis: 114_26

[A04_6_02_053] →(小指球の所には退化した短掌筋がみられる。短掌筋は手掌腱膜と屈筋死体を手の尺側縁の皮膚とむすびつけている。神経指背は尺側神経の浅枝(C8,T1))

Abductor pollicis brevis muscle(短母指外転筋)Musculus abductor pollicis brevis たんぼしがいてんきん Feneis: 116_01

[A04_6_02_054] →(短母指外転筋は表層にあり、母指対立筋をほぼ完全におおっている。筋は屈筋支帯と舟状骨結節から起こり、母指基節関節包に埋め込まれている橈側種子骨、基節骨底の外側縁ならびに指背腱膜に付く。正中神経(C8とTh1)から支配を受ける。)

Flexor pollicis brevis muscle(短母指屈筋(手の))Musculus flexor pollicis brevis たんぼしくっきん(ての) Feneis: 116_02

[A04_6_02_055] →(短母指屈筋は短母指外転筋の内側に位置する。その起始部は長母指屈筋の腱で浅頭と深頭に分けられ、浅頭は屈筋支帯に、深頭は橈側遠位手根骨から起こる(2頭は発生的に異なる起源である)。短母指屈筋の終末腱は短母指外転筋の腱と融合し、短母指外転筋と並んで橈側種子骨、母指の基節骨ならびに指背腱膜に付く。浅頭は正中神経に、深頭は尺骨神経から支配を受ける(C8とTh1)。)

Superficial head of flexor pollicis brevis(浅頭(短母指屈筋の))Caput superficiale (Musculus flexoris pollicis brevis) せんとう(たんぼしくっきんの) Feneis: 116_03

[A04_6_02_056] →(短母指屈筋の浅頭は長母指屈筋腱の上にある筋頭で、正中神経により支配される。)

Deep head of flexor pollicis brevis(深頭(短母指屈筋の))Caput profundum (Musculus flexoris pollicis brevis) しんとう(たんぼしくっきんの) Feneis: 116_04

[A04_6_02_057] →(短母指屈筋の深頭は長母指屈筋腱の下にある筋頭で、尺骨神経により支配される。)

Opponens pollicis muscle(母指対立筋)Musculus opponens pollicis ぼしたいりつきん Feneis: 116_05

[A04_6_02_058] →(母指対立筋は屈筋支帯と大菱形骨からおこる。この筋は短母指外転筋の下を急角度で横切り、第1中手骨の橈側縁に至る。この筋は母指を対立位にもたらすと同時に、母指の内転に際しても協力的に働く。正中神経(C6とC7)から支配を受ける。)

Adductor pollicis muscle(母指内転筋(手の))Musculus adductor pollicis ぼしないてんきん(ての) Feneis: 116_06

[A04_6_02_059] →(母指内転筋は手掌腱膜、長指屈筋ならびに第1と第2虫様筋で被われ、2頭の起始を持つ。斜頭は手根骨、手根骨から放散する靱帯線維束および第2中手骨底から起こる。横頭は第3中手骨の掌側面から起始し、手掌の深部を横切る。両頭の総終末腱は近位中手骨指節関節の尺側種子骨と母指基節骨底に付く。この筋は内転筋で、母指を対立位にしたり屈曲したりするときに協力的に働く。尺骨神経の深枝(C8とTh1)から支配を受ける。)

Oblique head of adductor pollicis(斜頭(母指内転筋の))Caput obliquum (Musculus adductoris pollicis) しゃとう(ぼしないてんきんの) Feneis: 116_07

[A04_6_02_060] →(母指内転筋斜頭は手根骨、手根骨から放散する靱帯線維束および第2中手骨底から起こる。)

Transverse head of adductor pollicis(横頭(母指内転筋の))Caput transversum (Musculus adductor pollicis) おうとう(ぼしないてんきんの) Feneis: 116_08

[A04_6_02_061] →(母指内転筋横頭は第3中手骨の掌側面から起始し、手掌の深部を横切る。)

Abductor digiti minimi muscle of hand(小指外転筋(手の))Musculus abductor digiti minimi manus; Musculus abductor digiti quinti しょうしがいてんき(ての) Feneis: 126_08

[A04_6_02_062] →(小指外転筋は豆状骨、豆鈎靱帯および屈筋支帯から起きる。筋は小指の基節骨底の尺側縁に付き、指背腱膜へも放散する。この筋の一部は小指の伸筋腱膜へも入り込む。機能的にはこの筋は純粋な外転筋である尺骨神経の深枝(C8とTh1)から支配を受ける。)

Flexor digiti minimi brevis muscle of hand(短小指屈筋(手の))Musculus flexor digiti minimi brevis manus たんしょうしくっきん(ての) Feneis: 116_10

[A04_6_02_063] →(短小指屈筋は通常明確な境界がなく、橈側に付いており、屈筋支帯と有鈎骨鈎から起こる。停止部で小指外転筋と融合する。この筋は小指の中手指節関節の屈筋である。尺骨神経の深枝(C8とTh1)から支配を受ける。)

Opponens digiti minimi muscle of hand(小指対立筋(手の))Musculus opponens digiti minimi manus しょうしたいりつきん(ての) Feneis: 116_11

[A04_6_02_064] →(小指対立筋は小指外転筋と短小指屈筋の下に位置する。筋は有鈎骨鈎と屈筋支帯から第5中手骨の尺側縁に至る。この筋は小指を対立位にもたらす。尺骨神経の深枝(C8とTh1)から支配を受ける。)

Lumbrical muscles of hand(虫様筋[手の])Musculi lumbricales manus ちゅうようきん[ての] Feneis: 116_12

[A04_6_02_065] →(第4つの虫様筋は、各々深指屈筋の腱の橈側から起こり、そのため深指屈筋の収縮中緊張する。虫様筋は深横中手靱帯の掌側を遠位に向かい、したがって指の対応する基節関節の屈曲軸の掌側を走る。それらの腱は橈側から指背腱膜に入る。腱停止部の近位線維は基節骨の背側面をほぼ横断するのに対し、遠位線維は中節骨と末節骨の背側面を斜走する。)

Dorsal interosseous muscles of hand(背側骨間筋(手の))Musculi interossei dorsales manus [ての]はいそくこつかんきん Feneis: 116_13

[A04_6_02_066] →(掌側骨間筋は、それぞれ2頭が2つの中手骨の相対する面で起こり、第2、第3および第4指の指背腱膜に放散する。2個の背側骨間筋が第3指に付く。背側の腱は第2指では橈側から、第4指では橈側から指背腱膜に入る。)

Palmar interosseous muscles(掌側骨間筋)Musculi interossei palmares; Musculi interossei volares しょうそくこつかんきん Feneis: 116_14

[A04_6_02_067] →(掌側骨間筋は、それぞれ中手骨から起こり、対応する指の指背腱膜に付く。筋は第2、第3および第5指が中指に向かって内転できるように配列さえている。中指は掌側骨間筋を欠く。第1掌側骨間筋はしたがって第2中手骨の尺側に位置し、第2と第3掌側骨間筋は第4と第5中手骨の橈側から起こる。母指の“掌側骨間筋”は母指内転筋に取り込まれている。)

Fascia of upper limb(筋膜(上肢の))Fasciae きんまく(じょうしの)

[A04_6_03_001] →(筋や筋群、また内臓や腺を包みまたは境する結合組織性の膜で、多少の弾性線維を含み、表面に平行で交織する線維の層が重なっていることが多い。発達の程度はまちまちで、やや強い疎性結合組織の程度から腱膜状のものまである。筋上膜(外筋周膜)との間に疎性結合組織とがあって筋膜の鞘の中を筋が移動できる場合と、両者が癒着している場合とがある。筋膜は筋や内臓などをその位置に支持し、筋の過度の収縮を制限し、またしばしば筋束の起始・停止となる炎症は筋膜に妨げられて、これに沿って広がることが多い。最も表層の筋膜は、体の全周をおおう(浅筋膜)。体肢では筋群間の筋膜が厚くなって筋間中隔となり浅筋膜と骨との間に張ることがある。)

Axillary fascia(腋窩筋膜)Fascia axillaris えきかきんまく Feneis: 116_15

[A04_6_03_002] →(腋窩筋膜は結合組織性の板で、腕が外転されている場合は腋窩の外側と尾側を境界している。前腋窩ヒダにおいて、それは胸筋筋膜に合流し、後腋窩ヒダで背の筋膜と合流する。腕に向かっては上腕筋膜として続く。深部では腋窩筋膜は腋窩を縁どる筋の筋膜と鎖骨胸筋筋膜と連絡している。腋窩の皮膚の毛と汗腺のある部分においては、腋窩筋膜は薄く多くの孔があいている(腋窩篩板)多数のリンパ管、小動脈、静脈および神経の枝がこの卵円形の筋膜の中を通る。この粗でで穴のあいた部分を包む強い結合組織索は腋窩筋膜弓(腋窩篩板の内側縁)および腕弓(外側縁)と呼ばれる。筋線維が腋窩筋膜の中に放散し、神経血管索と烏口腕筋の上を腋窩筋膜弓に沿って走ることがある。これは広背筋の腱と大胸筋を連絡することがあり、筋性腋窩弓と呼ばれる(この筋は皮筋あるいは大胸筋からのみならず広背筋の原基からも生じ得る)。)

Suspensory ligament of axilla(腋窩提靱帯)Ligamentum suspensorium axillae えきかていいじんたいGerdy's ligament Feneis: 116_16

[A04_6_03_003] →(腋窩提靱帯は鎖骨頬筋筋膜に続き、下方で腋窩筋膜に付着する。腋窩の特徴的なくぼみを作っている。)

Deltoid fascia(三角筋膜;三角筋筋膜)Fascia deltoidea さんかくきんまく Feneis: 116_17

[A04_6_03_004] →(三角筋膜は三角筋を被う強い筋膜。)

Brachial fascia(上腕筋膜)Fascia brachii じょうわんきんまく Feneis: 116_18

[A04_6_03_005] →(上腕筋膜が屈筋と伸筋をつつんでいる。伸筋群と屈筋群との間には、上腕骨内側面と外側面にそれぞれ内側および外側上腕筋間中隔がみられる。この中隔を介して上腕筋膜は上腕骨と結合している。内側上腕筋間中隔は近位では烏口腕筋の停止の高さに始まるが、外側上腕筋間中隔は三角筋粗面のやや遠位ではじまる。上腕骨の側縁にかたく付着して、これら両筋間中隔はそれぞれ内側上顆または外側上顆に終わっている。上腕筋膜は腋窩筋膜からずっと続いてきて、前腕筋膜へ移行する。上腕の断面には肘窩の少し上方に尺側皮静脈裂孔という裂隙がみられる。)

Medial intermuscular septum of arm; Medial brachial intermuscular septum(内側上腕筋間中隔;尺側上腕筋間中隔)Septum intermusculare brachii mediale; Septum intermusculare brachii ulnaris ないそくじょうわんきんかんちゅうかく;しゃくそくじょうわんきんかんちゅうかく Feneis: 116_19

[A04_6_03_006] →(内側上腕筋間中隔は上腕骨内側縁と上腕筋膜の間にある腱性の筋起始板。)

Lateral intermuscular septum of arm; Lateral brachial intermuscular septum(外側上腕筋間中隔;橈側上腕筋間中隔)Septum intermusculare brachii laterale; Septum intermusculare brachii radialis がいそくじょうわんきんかんちゅうかく Feneis: 116_20

[A04_6_03_007] →(外側上腕筋間中隔は上腕骨外側縁と上腕筋膜の間にある腱性の筋起始板。)

Antebrachial fascia(前腕筋膜)Fascia antebrachii ぜんわんきんまく Feneis: 116_21

[A04_6_03_008] →(前腕筋膜は尺骨の背側面としっかり結合している。この前腕筋膜へ上腕二頭筋腱膜が入り込んでいる。前腕の個々の筋群の間へ前腕筋膜が深部へ向かって強い中隔を送り出している。前腕の下端ではこの筋膜は横走する線維束によって補強されて、背側面には伸筋支帯が作られる。これらの支帯は種々の筋を通す通路として利用される。こうして伸筋支帯の種々の伸筋の腱のための6つの区画(または管)がみられる。手掌面では、外側遠位へ下行する尺側手根屈筋の腱線維が、手根の近くで前腕筋膜へ入り込んでいく。これらの線維束と前腕伸筋群をおおう筋膜との間に固有の腔が生ずる。 )

Dorsal fascia of hand(手背筋膜)Fascia dorsalis manus しゅはいきんまく Feneis: 116_22

[A04_6_03_009] →(手背筋膜は浅在性で丈夫な横走する線維からなる厚い膜状の構造であって、伸筋支帯の直接の続きのことである。この筋膜は遠位へ向かって指背筋膜へ移行していく。またこの筋膜は多少とも腱間結合とも結びついている。手背筋膜は手背内側縁と外側縁で中手骨に付着している。長指伸筋の腱と背側骨間筋の間には、この筋膜のうすい深葉がみられる。)

Extensor retinaculum of hand; Dorsal carpal ligament(伸筋支帯(手の);背側手根靱帯)Retinaculum musculorum extensorum manus; Ligamentum carpalis dorsale [ての]しんきんしたい Feneis: 116_23

[A04_6_03_010] →(手の伸筋支帯は前腕筋膜が前腕か端部で厚くなったもので、橈骨下端からやや斜めに尺骨下端、三角骨および豆状骨に向かって走る。その下に前腕伸筋の腱が滑液鞘(腱鞘)に包まれて通る6管を作って、これらの腱をその位置に固定する。)

Superficial transverse metacarpal ligament; Natotary ligament(浅横中手靱帯;みずかき靱帯;皮下横掌靱帯)Ligamentum metacarpale transversum superficiale; Ligamentum natatorium; Ligamentum palmare transversum subcutaneum せんおうちゅうしゅじんたい Feneis: 116_24

[A04_6_03_011] →(浅横中手靱帯は手掌の遠位部には指のみずかきに相当する中手骨頭の高さで、掌側の筋膜を横に補強する靱帯がある。)

Palmar aponeurosis(手掌腱膜)Aponeurosis palmaris しゅしょうけんまく Feneis: 116_25

[A04_6_03_012] →(手掌腱膜は手のひらの皮下にある強靱な腱膜で長鞘筋腱から起こり、線維は四尖に分裂して第2~5指に向かって、扇状に放射する。この縦走線維(縦束)は横走する線維束(横束)で連結される。といい、指の根部にある。)

Transverse fascicles of palmar aponeurosis(横束(手掌腱膜の))Fasciculi transversi aponeurosis palmaris おうそく(しゅしょうけんまくの)

[A04_6_03_012_1]

Flexor retinaculum of hand(屈筋支帯(手の))Retinaculum musculorum flexorum manus [ての]くっきんしたい Feneis: 116_26

[A04_6_03_013] →(手の屈筋支帯は手根部にあって、舟状骨結節と大菱形骨結節から豆状骨と有鈎骨鈎に張る靱帯である。前腕から手掌に至る屈筋の腱の多くは滑液鞘に包まれて、この下にある手根間を通るかまたはこの支帯を貫く。)

Tendinous chiasm of digits of hand(腱交叉(手の))Chiasma tendium digitorum manus けんこうさ(ての) Feneis: 116_34

[A04_6_03_014] →(カンペル交叉Camper chiasmともいわれる。手の腱交叉は浅指屈筋腱と深指屈筋腱の交叉。)

最終更新日:19/10/13

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