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- 395-401_01【Fusiform muscle紡錘状筋 Musculus fusiformis】 Spindle-shaped muscle.
→(紡錘状筋は中部が太く両端が細い。紡錘状筋は長い筋線維からなり、それらの筋線維は効率は良いが、力の弱い運動しか行うことしかできない。紡錘状筋では腱は比較的短い。)
- 395-401_02【Extensor carpi radialis brevis muscle短橈側手根伸筋 Musculus extensor carpi radialis brevis】 o: Lateral epicondyle of humerus, anular ligament of radius, i: Base of third metacarpal. Dorsiflexion of the hand.
→(短橈側手根伸筋は外側上顆、橈骨輪状靱帯および総指伸筋と本筋とを分けている結合組織中隔から起こる。短い腱は第3中手骨の茎状突起につく。長および短橈側手根伸筋の腱は橈骨の外側縁を下方に進み、長母指外転筋と短母指外転筋の筋腹と交叉し、伸筋支帯のしたの第2腱区画を通る。)
- 395-401_03【Semipennate muscle; Unipennate muscle半羽状筋;単羽状筋 Musculus semipennatus; Musculus unipennatus】 Muscle that is penniform on one side.
→(半羽状筋は筋の一側に腱があってこれに筋束が平行して停止するものをいう。)
- 395-401_04【Tibialis posterior muscle後脛骨筋 Musculus tibialis posterior】 o:Tibia, fibula, interosseous membrane, i: Navicular, cuneiform bones I-III, and metatarsals II-IV. Plantar flexion and supination. I: Tibial nerve.
→(後脛骨筋は骨間膜の広い領域から起こる。狭い辺縁部は腓骨と脛骨の近位部に起こり、浅い線維束は浅深の屈筋間にある結合組織から起こる。後脛骨筋の腱は内果上方で長趾屈筋の腱の下を横切り(下腿腱交叉)、その主束は舟状骨粗面につき、その外側束は(しばしば)すべての遠位足根骨と第2~4中足骨底の足底面に付く。内果溝で後脛骨筋の腱は腱鞘に包まれ、内果下方では屈筋支帯におおわれている。深屈筋群へ脛骨神経の筋枝の中で後脛骨筋への枝はほかの枝よりもずっと近位、ヒラメ筋腱弓のレベルで出る。母趾とそのほかの趾への長屈筋群に対する近位の枝は下腿中位1/3へうつるレベルで脛骨神経から分かれる。脛骨神経からの筋枝は普通下腿遠位1/2からも分かれる。後脛骨筋は脛骨神経の支配を受ける。この筋の収縮により距腿関節における足の底屈、距骨下関節および横足根関節による足の内反が得られる。この筋は内層の縦足弓を維持するうえにも重要である。この筋の収縮が足底で数個の骨を互いに引き寄せるうえに役立つことにも注意すべきである。)
- 395-401_05【Pennate muscle; Bipennate muscle羽状筋 Musculus pennatus; Musculus bipennatus】 Muscle that is penniform on two sides.
→(羽状筋は筋の腱中心があって、そこに向かって両方から筋束が平行して停止するものをいう。筋線維が筋の一側だけにある場合は半羽状筋といい、多くの羽状筋が集まって1つの筋を作る場合を多羽状筋という。羽状筋は紡錘状筋にくらべると多数の筋線維をもつので、強力な運動ができる。しかし、筋の線維は斜走するので、その収縮による筋としての運動の距離は比較的に小さい。したがって、羽状筋は短縮は小さくても、強力な運動をするのに適する筋である。たとえば、三角筋・大臀筋などである。)
- 395-401_06【Rectus femoris muscle大腿直筋 Musculus rectus femoris】 Two-headed muscle. Also flexes the hip joint. Contributes fibers to the lateral and medial patellar retinacula.
→(大腿直筋は大腿前側の筋で大腿四頭筋の中央浅層にある。羽状筋の大腿直筋は下前腸骨棘から起こる直頭と寛骨臼上縁や股関節から起こる反転頭からなる。起始腱中心部からの線維は膝蓋骨の上縁に終わるが、膝蓋骨前面を通って膝蓋靱帯となる。両側方の線維は膝蓋骨の両側へ放散し、膝蓋支帯になる。)
- 395-401_07【Two-heded muscle二頭筋 Musculus biceps】
→(二頭筋は2個の筋頭をもつもの。たとえば上腕二頭筋。)
- 395-401_08【Biceps brachii muscle上腕二頭筋 Musculus biceps brachii】 Two-headed muscle that attaches on the radial tuberosity and extends with the aponeurosis brachii toward the ulna to blend into the antebrachial fascia. It acts in elbow joint flexion and forearm supination. I: Musculocutaneous nerve.
→(上腕二頭筋は、長頭が関節上結節に起始し、短頭は烏口突起に起始する。二頭筋の長頭(長いのは腱の部分のみ)は上腕骨頭を越え、結節間滑膜鞘に包まれて、結節間溝へ入る。共通の筋腹の終止腱は、肘窩の奥で、橈側粗面に停止する。腱性の帯である上腕二頭筋腱膜は終止腱から分かれ、前腕筋膜に放散している。肘関節を屈曲すると、上腕二頭筋は特に突出する。なぜならば、この筋は関節から離れて、上腕筋によって前に押し出されるからである。機能として肘関節に作用して前腕をまげる。上腕前面に力こぶをつくる。筋腹の内外両側の溝をそれぞれ内側二頭筋溝および外側二頭筋溝という。前者を尺側皮静脈、後者を橈側皮静脈が走る。長頭の件は滑膜に包まれながら肩関節腔を貫く。また上腕骨の結節間溝を通るところでは、結節間滑液鞘に包まれる。)
- 395-401_09【Flat muscle扁平筋;板状筋 Musculus planus】
→(筋の形からまた扁平の腱、すなわち腱膜をもつ扁平筋は、三角形をした三角形筋と四角形で扁平な方形筋に区別される。)
- 395-401_10【External oblique muscle; Abdominal external oblique muscle; External abdominal oblique muscle外腹斜筋 Musculus obliquus externus abdominis】 o:Outer surface of the fifth through twelfth ribs, i: Iliac crest, inguinal ligament, rectus sheath, linea alba. Flexes the trunk, elevates the pelvis, raises intra-abdominal pressure, bends laterally, and rotates the trunk to the contralateral side. I: Intercostal nerves of fifth to twelfth ribs.
→(外腹斜筋の起始は下位8本の肋骨外側面から指状に出ている筋線維束。停止は最下部肋骨からの筋肉性の厚い線維は腸骨稜の外唇前半部に付着し、残りは前腹壁の広い腱膜に付着する。機能としては腹部の収縮、内臓の保護、強い呼気の場合も働く。神経支配は下部6本の胸神経と上部2本の腰神経の前枝。動脈は上および下腹壁動脈の筋枝より受ける。3つの側腹筋の中でもっとも広い領域を占める筋である。最初の起始筋束は、わずかに斜めに下る程度であるが、もっとも尾側の筋束は急角度で下方へ進む。腱膜への移行は、腹直筋の外側縁に並行に直線的に生じ、その線は、上前腸骨棘のやや頭側で急に直角あるいは鋭角に向きを変え、腸骨稜の上端に終わる。このようにして筋角が形成されるが、この角はしばしば皮膚の表面から認められ、古代の彫刻にも良く強調されている。この筋線維束は、筋が引き伸ばされない限りは腸骨稜を越えて膨出し、そのために骨盤の上縁をおおって鼡径隆起を形成する。多くの人において(男性より女性において頻度が高いが)広背筋は外腹斜筋に直接隣接しない。広背筋の前縁と外腹斜筋の後縁の間には尾側が腸骨稜によって境される三角形の領域、腰三角が形成され、この部位の腹壁は、内服斜筋と腹横筋にのみによって形成される。ここは、脊柱に生じ腸骨稜に沿って移動してきた膿瘍が、外へ逃げることが出きる場所であり、まれには(下)腰ヘルニアも出現する。)
- 395-401_11【Rectus abdominis muscle腹直筋 Musculus rectus abdominis】 o: Fifth to seventh costal cartilages, xiphoid process, i: Pubic crest and pubic symphysis. Anterior flexion of the trunk, lowering of the thorax, and elevation of the pelvis. 1: Thoracic nerves T7-T12.
→(前腹壁の筋で白線の両脇にあり腱画によって筋腹がいくつかに仕切られているのが特徴である。起始は、内側腱は恥骨結合から、外側腱は恥骨稜から起こる。停止は剣状突起の前面、第5,6,7肋骨の肋軟骨の表面。機能として、腹部の圧縮、腹部内臓の保護、強い呼気時に働く、骨盤と脊柱の屈曲。神経支配は下部6本の肋間神経の前枝、腸骨下腹神経と腸骨鼡径神経。動脈は上下腹壁動脈の筋枝から受ける。断面が楕円形のこの筋の停止腱から分かれた線維は、正中線を越え、白線の尾側への続きとして恥骨結合から陰茎(陰核)の背側面に向かう陰茎(陰核)提靱帯に加わる。腹直筋が強く働くのは背臥位から状態を起こすとき、ボートを漕ぐときなどである。腹筋の発達した人では腱画の位置が皮膚の上からくぼんで見える。)
- 395-401_12【Two-bellied muscle二腹筋 Musculus biventer】
→(二腹筋は中間腱によって2腹に分かれている筋をいう。)
- 395-401_13【Omohyoid muscle肩甲舌骨筋 Musculus omohyoideus】 o: Superior border of scapula, i: Body of hyoid bone. It is divided into two bellies by an intermediate tendon that passes over the jugular vein. Hence it also tenses the pretracheal layer of the cervical fascia.
→(肩甲舌骨筋は、肩甲骨上縁で肩甲切痕の内側から、そのほか上肩甲横靱帯から起こり舌骨に向かう。中間腱により下および上腹に分けられる。参考:上腹と下腹は別の神経枝を受ける。)
- 395-401_14【Head; Head of muscle筋頭 Caput】 Head of a muscle.
→(骨格筋の起始部を筋頭といい、これが2つある筋は二頭筋biceps muscle(例:上腕二頭筋・大腿二頭筋)、3つなら三頭筋triceps muscle(例:上腕三頭筋)、4つなら四頭筋quadriceps muscle(例:大腿四頭筋)といわれる。また、薄い筋では起始が区別されるもの(例:大胸筋の鎖骨部・胸骨部・肋骨部)や、鋸(のこぎり)の刃のような形のを示す物(例:前鋸筋)もある。(イラスト解剖学))
- 395-401_15【Belly; Belly of muscle筋腹 Venter】 Belly of a muscle.
→(筋の中部を筋腹という。筋の起始と停止の間の部分。ふつうこの部が最も太いため筋腹とよばれる。肩甲舌骨筋や顎二腹筋にように縦に並ぶ形の筋は2つの筋腹をもつため二腹筋digastric muscleとよばれ、筋腹が3つ以上ある筋は多腹筋polygastric muscle 例:腹直筋)とよばれる。筋腹と筋腹の間の部を中間腱という。(イラスト解剖学))
- 395-401_16【Muscle tail; tail of muscle筋尾 Cauda musculi】
→(筋の停止部を筋尾といい、その動きが筋の作用を決める。指の屈曲に働く浅指屈筋や深指屈筋、伸展に働く総指伸筋、下肢の内転に働く内転筋群、肩甲骨を挙上する肩甲拳筋、肛門を絞る肛門括約筋などの名前は、いずれも筋の作用を表している。(イラスト解剖学))
- 395-401_17【Tendon腱 Tendo】
→(筋の末端は筋線維が次第に結合組織線維に変わって紐あるいは帯状の構造。起始および停止は、しばしば種々の長さの伸縮性のない線維性の紐あるいは帯で、筋肉の一部を構成し筋腹部分を骨その他の付着対象物に結合している。腱は著しく長いことがある。筋の長さは筋腹だけでなく腱の部分も含めて測定する。腱はきわめて緻密に平行にそろったコラーゲン線維の束からなり細長い線維芽細胞(腱細胞)が縦列をつくって並んでいて、基質はきわめて少ない。)
- 395-401_18【Aponeurosis腱膜 Aponeurosis】 Flattened tendon.
→(腱は膜状をなすことがある。これを腱膜と呼ぶ。)
- 395-401_19【Tendinous intersection腱画 Intersectio tendinea】 Intermediate tendons of the rectus abdominis muscle.
→(短い中間腱が筋腹を横切って線状を成すときはこれを腱画という。)
- 395-401_20【Intermediate tendon中間腱 Tendo intermedius】
→(二腹筋では二つの筋腹の間に中間腱がある。)