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- 475_01【Lateral epicondyle of humerus; Lateral humeral epicondyle外側上顆;橈側上顆(上腕骨の) Epicondylus lateralis humeri; Epicondylus radialis humeri】 Protuberance located lateral to the head of the humerus that gives origin to the extensor muscles of the forearm.
→(上腕骨小頭の外側にある隆起で、前腕伸筋が起こるところ。)
- 475_02【Radial tuberosity; Tuberosity of radius橈骨粗面;橈骨結節 Tuberositas radii】 Roughened prominence on the medial aspect of the radius about 2 cm distal to its proximal end for attachment of the biceps brachii muscle.
→(橈骨体の前面の上端には、まず橈骨頭から約2cm下方の前内側方に卵円形に隆起した橈骨粗面(上腕二頭筋が着く)がある。)
- 475_03【Deep branch of radial nerve深枝(橈骨神経の) Ramus profundus nervus radialis】 Deep branch supplying the extensor muscles of the forearm. It penetrates the supinator muscle, and supplies it and all extensor muscles (except the extensor carpi radialis longus) as well as the abductor pollicis longus.
→(橈骨神経の深枝は橈骨神経共通幹が腋窩で浅枝と深枝とに分かれる。深枝は回外筋を貫いてこの筋および前腕の心筋に分布する。最終的には後骨間神経となり骨間膜を進んで前腕1/3に達する。)
- 475_04【Supinator muscle回外筋 Musculus supinator】 o: Lateral epicondyle of humerus, radial collateral ligaments, anular ligament of radius, and supinator crest of ulna, i: Anterior surface of radius. Supination. I: Radial nerve.
→(回外筋は上腕骨の外側上顆、肘関節の外側腱索と尺骨の回外筋稜から起こる。薄い筋板は橈骨の外側を回り、後面から、橈骨粗面と円回内筋の停止部との間の橈骨の前面に付く。橈骨神経深枝はこの筋の近位辺縁近くで筋に入り、ラセン状の“回外筋管”を通って筋の遠位に抜ける。)
- 475_05【Flexor pollicis longus muscle長母指屈筋(手の) Musculus flexor pollicis longus】 o: Anterior surface of the radius, distal to the radial tuberosity. i: Base of distal phalanx of thumb. Flexes hand and phalanges of thumb. Radial abduction. I: Median nerve.
→(長母指屈筋は系統発生学的には独立した深指屈筋の一部である。その起始部は橈骨粗面から方形回内筋の上縁までの橈骨の前面、および骨間膜にまで広がっている。その腱は手根間を通り、短母指屈筋の2頭の間に入り込み、母指の末節骨底に付く。)
- 475_06【Radius橈骨 Radius】 One of the two bones of the forearm. It is lateral to the ulna.
→(橈骨は前前腕の2本の骨のうち、外側の短い方にある長管状骨(男約22cm、女約20cm)で、上端と下端で前腕の内側(尺側または小指側)にある尺骨と関節する。下端は上端に比して著しく大きい。上端には円盤状の橈骨頭があり、円板の外周にあたる部分は尺骨の橈骨切痕と橈骨輪状靱帯に接する。また、橈骨頭の上面は浅いくぼみになっており(橈骨頭窩)、上腕骨の小頭と関節をつくる。橈骨頭のすぐ下で橈骨体に移行する部分は急に細くなってなってくびれており、橈骨頚という。橈骨体は上端を除く大部分が三角柱状で、全体として外側に弓形にまたがっており、前後および外側の3面と前後および内側の3縁が区別される。内側縁は他の2縁と異なり鋭い稜線になっており、骨間縁とよばれる。この縁と尺骨の同名縁との間には前腕骨間膜が張っている。橈骨頚のすぐ下で橈骨体の前内側には卵円形にもり上がった橈骨粗面があり、上腕二頭筋の腱が停止する。また、外側面には回内筋の停止する粗面(回内筋粗面)がある。橈骨下端の外側面には茎状突起という下方に伸びる突起があり、内側面には三角形の関節面をもった尺骨切痕があり、尺骨の関節環状面と関節をつくる。また、後面には3~4個の縦に走る溝がある。橈骨下端の下面にあるくぼみは手根関節面で中央にある弱い隆線によって内外二つの関節面に分けられている。内側の関節面には月状骨が、外側のものには舟状骨が接している。語源Radiusは一点から放散する光り、放線、転じて車輪の幅(スポーク)を意味し、この骨の形が幅に似ているところから命名された。また橈は、かい、オールを意味する。)
- 475_07【Humerus上腕骨 Humerus】 The bone of the upper arm.
→(上腕骨は典型的な長管状骨であるが、上端は半球状にふくらんで上内側を向き、下端は前後に扁平である。上端の半球状の部分は大きな関節面で上腕骨頭といい、その基部の周囲にある浅いくびれを解剖頚という。上腕骨頭の前外側には2個の隆起があり、口蓋側のものを大結節、前内側のものを小結節という。両結節の下部はともに下方へ細長く延び出して、それぞれ大結節稜および小結節稜を作っている。大小の結節および結節稜の間には上下に走る溝があり、結節間溝という。大小稜結節のすぐ下で、上腕骨体に移行する部位は骨折を起こしやすく外科頚とよばれる。上腕骨体は上腕骨の大部分を占める骨幹の部分で、上半は円柱状、下半は三角柱状であり、下端は前後に扁平である。上腕骨体の外側面には、第毛節稜のすぐ下からはじまり、上腕骨体の中央に達する三角筋粗面がある。この粗面の後下方には橈骨神経溝という浅い溝があり、上腕骨体の後面を状内側から下外側に向かってラセン状に走っている。上腕骨の下端部は著しく扁平に広がり、内側方に内側上顆、外側方に外側上顆が突き出しており、内側上顆の後面には尺骨神経溝がある。この二つの上顆の間には前腕の骨と連結する上腕骨窩があり、内側の上腕骨滑車と外側の上腕骨小頭に区別される。前者は中央が浅くくぼんだ円柱状で尺骨の滑車切痕と関節をつくり、後者は小半球状で橈骨頭窩に面している。上腕骨下端部前面には二つのくぼみがあり、滑車の上方にあるものを鈎突窩、小頭の上方にあるものを橈骨窩という。これは肘を強くまげたときに尺骨の鈎状突起および橈骨頭がはまりこむところである。また、後面には滑車のすぐ上方に楕円形の深いくぼみがあり肘頭窩という。これは肘をまっすぐに伸ばしたときに尺骨の肘頭がはまりこむ場所である。鈎突窩と肘頭窩はうすい骨質をはさんで前後面から互いに相接しているが、このうすい骨質に孔があいていることがあり、これを滑車上孔という。内側上顆の上方にはまれに小さい突起がみられることがあり、これを顆上突起という。顆上突起と内側上顆の間には靱帯が張り、その間を正中神経が通過する。また、この靱帯からは円回内筋の一部がおこる。)
- 475_08【Medial epicondyle of humerus; Medial humeral epicondyle内側上顆;尺側上顆(上腕骨の) Epicondylus medialis humeri; Epicondylus ulnaris humeri】 Protuberance that gives origin to the flexor muscles of the forearm.
→(上腕骨の下端部では、まず内側方に内側上顆が、外側方に外側上顆が突出している。内側上顆は指先でつまめるほどのおおきな突出であるが、外側上顆の突出は軽度である。)
- 475_09【Joint capsule of flexor pollicis longus muscle上腕骨頭(長母指屈筋の) Caput humerale (Musculus flexor pollicis longus)】
→()
- 475_10【Flexor digitorum profundus muscle深指屈筋 Musculus flexor digitorum profundus】 o: Upper twothirds of anterior surface of ulna, i: Bases of the distal phalanges of the second through fifth fingers. Flexes wrist and interphalangeal joints. I: Median and ulnar nerves.
→(深指屈筋は尺骨(近位2/3)の前面と内側面、骨間膜、および前腕筋膜の広い範囲から起きる。その大きな筋腹は尺骨の前内側面を包み、浅指屈筋の滑走面となっている。4つの腱は手根管で互いに並び、浅指屈筋の腱を貫通し、第2~第5指の末節骨底に達する。)
- 475_11【Pronator quadratus muscle方形回内筋 Musculus pronator quadratus】 o: Distal one-fourth of the anterior surface of ulna, i: Distal onefourth of the anterior surface of radius. Forearm pronation. 1: Median nerve.
→(方形回内筋は尺骨と橈骨の下1/4の前面で両者を結合しているので、尺骨の起始部は前縁を少し回って内側面に達している。)
- 475_12【Ulna尺骨 Ulna】 Medial forearm bone.
→(橈骨と並んで前腕の内側(小指側)にある長管状骨(男約24cm、女21~22cm)で、上下の両端と体が区分される。この骨は橈骨とは逆に上端部が大きく下端部が細い。上端には前上方から深く切れ込んだ滑車切痕があって上腕骨滑車と関節する。滑車切痕の中央には上腕骨の滑車のくぼみに対応する弱い高まりが縦に走っている。滑車切痕の下端は前方に付きだして鈎状突起となり、切痕の後面は著しく肥厚して肘頭を形づくっている。また、滑車切痕の下外側には橈骨切痕があり、橈骨の関節輪状面に接する。橈骨体は橈骨の骨間部でゆるくS状に弯曲しており、前面には、滑車切痕のすぐ下に尺骨粗面がある。橈骨切痕の下縁から下方に向かう高まりは回外筋の起始するところである(回外筋稜)。橈骨体には前後および外側の3縁と前後内側の3面が区別出来るが、外側縁は鋭く外側へ張り出し、骨間縁とよばれる。尺骨の下端は小さな鈍円状のふくらみになっていていて尺骨頭の外周には橈骨の尺骨粗面と関節をつくる関節環状面がある。また、尺骨下端の内側面には茎状突起という細くて小さな突起がみられる。語源はギリシャ語のOlein(ヒジ)に由来する。また、Olecranon(肘頭)はOleinのcranon(頭)という意味である。)