461
- 461_01【Acromion肩峰;カタサキ Acromion】 Free end of the spine of the scapula that projects over the head of the humerus.
→(肩峰は肩甲棘そのものは、尖端が扁平な大突起となって関節窩を越えて突き出ている。この部分を特に肩峰(肩甲棘から肩峰にかけて僧帽筋がつき、三角筋が起こる)と呼ばれ、その突起近くの内側面には鎖骨と連結する小楕円形の関節面(輪郭はあまり明瞭でない)がある。肩甲棘のつけ根(肩甲骨背側面から起こる基部)の外側端の所では、棘上窩と棘下窩が関節窩のすぐそばでたがいに交通している。)
- 461_02【Triceps brachii muscle上腕三頭筋 Musculus triceps brachii】 Three-headed arm muscle with a common attachment on the olecranon and the posterior wall of the joint capsule. Extends the elbow. I: Radial nerve.
→(肘を伸ばす筋。3つの起始のうち、軽く伸展する時は内側頭が働き、強く伸展する時には長頭や外側頭も協同する。長頭は肩甲骨の関節下結節、外側頭は上腕骨上部の後面、内側頭は上腕骨体の後面からおこり、合したのち尺骨の肘頭につく。なお、この筋は肩関節の内転にも働く。神経支配:橈骨神経(C5,C7,C8).動脈:上腕深動脈。(イラスト解剖学))
- 461_03【Long head of triceps brachii muscle長頭(上腕三頭筋の) Caput longum (Musculus triceps brachii)】 o: Infraglenoid tubercle. Retroversion and adduction of the shoulder joint. Divides the triangular (medial) and quadrangular (lateral) spaces between the teres major and minor muscles.
→(長頭は肩甲骨の関節下結節とそれに続く肩甲骨外側縁から起こる。この筋は、広い表層の腱板を介して肘頭に停止する。外側の腱線維束は前腕の筋膜に入り、肘頭が損傷された場合にも予備の伸筋としての働きをする。また、その深層の線維は肘関節の関節包に付着している。これらは肘関節筋と呼ばれている。)
- 461_04【Lateral head of triceps brachii muscle外側頭;橈側頭(上腕三頭筋の) Caput laterale; Caput radiale (Musculus triceps brachii)】 o: Posterior surface of humerus, lateral and proximal to the groove for the radia! nerve.
→(外側頭の起始は狭い帯状で、橈骨神経溝の近位にあり、内側頭の大部分を被っている。しかし、内側頭もまた外側上顆の上の狭い範囲の外側面に達している。)
- 461_05【Olecranon of ulna肘頭;尺骨頭 Olecranon】 Proximal, posterior end of the ulna. Attachment site of the triceps brachii muscle.
→(肘の端。尺骨の上端部を側方から見ると、滑車切痕の後上方には肘頭という丸みを帯びた突出部があって、肘頭の尖端は前方に曲がって滑車切痕の屋根を作っている。上腕三頭筋が停止する。)
- 461_06【Anconeus muscle肘筋 Musculus anconeus】 o: Posterior surface of epicondyle of lateral humerus. i: Posterior surface of ulna, proximal one-fourth. Extends the elbow joint. I: Radial nerve.
→(肘筋は、上腕三頭筋内側頭の外側部分の遠位への延長となっている。その線維は上腕骨外側上顆、関節包および外側側副靱帯に始まり、扇状に尺骨背側表面へ広がっている。)
- 461_07【Extensor carpi ulnaris muscle尺側手根伸筋 Musculus extensor carpi ulnaris】 Attachment on the base of the fifth metacarpal. Abductor. I: Radial nerve.
→(尺側手根伸筋は伸筋群の浅層内側の外形を形成してる。この筋の上腕頭は、肘筋と[総]指伸筋の起始領域の間の上腕骨の外側上顆から起こる。この筋の尺骨頭は前腕筋膜と尺骨の背側縁から起こる。この筋は第5中手骨底に停止する。羽状筋である尺側手根伸筋はは尺骨の背側表面に位置している。その腱は尺骨頭の上で茎状突起の内側に形成された溝を進み、伸筋支帯の下の第6腱区画を通過する。)
- 461_08【Extensor digitorum muscle; Extensor digitorum communis muscle総指伸筋;指伸筋 Musculus extensor digitorum; Musculus extensor digitorum communis】 o: Lateral epicondyle of humerus, radial collateral ligaments, anular ligament of radius, antebrachial fascia, i: Dorsal aponeuroses of the second through fifth phalanges. Dorsiflexion of the wrist joint, extension of the fingers. I: Radial nerve.
→([総]指伸筋は、尺側手根伸筋の橈側で前腕の中央に位置している。筋は肘関節の外側靱帯束、前腕筋膜および、この筋を短橈側手根伸筋から分けている結合組織中隔から起きる。筋は第2~第5指の指背腱膜に停止する。[総]指伸筋の4つの腱は同じ層に位置し、伸筋支帯の下の第4腱区画をともに通過する。中手骨領域で、腱は横走靱帯(腱間結合)で互いに結合し、指背で指背腱膜を形成する。腱の中央索は中節骨底に終わり、中節関節を越えた両側の腱索は中節骨の背側で合して第2~第5末節骨底に付く。)
- 461_09【Clavicle; Collar bone鎖骨 Clavicula】
→(鎖骨は胸骨上縁のところにある棒状の骨。鎖骨の内側端を鎖骨端といい、その内側面には四角形の頬骨関節面があって、頬骨の鎖骨切痕と連結する。また、外側端を肩峰端といい、その外側面には楕円形の肩峰関節面があって肩甲骨と連結する。鎖骨下面の胸骨端の近くには胸鎖靱帯圧痕、肩峰端のすぐ近くには円錐靱帯結節という粗面があり、それぞれ同名の靱帯が付着する。鎖骨は結合組織生骨であり、全身の骨の中では最も早く骨化がはじまる(胎生第5週)が、骨化の完了する時期は25最以後で長骨の中では一番遅い。鎖骨は一般の長骨と異なり髄腔がなく、内部は海綿質でみたされている。哺乳類のうち上肢を歩行以外にも使用する(たとえば、物をつかんだり、からだの前で上肢を交差させる動作など)動物では鎖骨は発達しているが、上肢を前後方向に動かして歩行だけに使用する動物では鎖骨はないか、あっても痕跡的である。したがって霊長目や齧歯目では鎖骨が発達し、食肉目や有蹄目には鎖骨がない。語源はClavis(腱、カンヌキ)の縮小形で小さな鍵という意味。)
- 461_10【Deltoid muscle三角筋 Musculus deltoideus】 Muscle consisting of three parts, all attaching on the deltoid tuberosity of the humerus and acting together to abduct the arm to about 90°. I: Axillary nerve.
→(三角筋は肩から上腕の上部にかけての丸みをつくる強大な筋。厚い筋性の被いで、上腕骨近位端を上、前、横および後から包んでいる。これは肩の弯曲を形どっている。しかしそれは筋自体によるものではなく、骨の形、特に大結節によっている。広げると、この筋は逆さにしたギリシャ文字のデルタに似ている。なぜなら肩関節における起始は非常に広がっており、上腕骨における停止は大変狭いからである。三角筋は鎖骨の外側1/3、肩峰および肩甲棘から起こる。肩峰部は複合羽状である(多数の線維-大きな生理的断面)、筋の内表面にあり三角筋粗面に停止しする腱に向かって筋線維の太い束が、集まっている。作用として上腕を外転する。しかし、三角筋は上腕を体幹に沿って下垂している状態から直ちに外転することはできない(三角筋の筋線維の走行が上腕骨の長軸に平行であるため、はじめは上腕を上方に引き上げるにすぎない)。したがって、上腕を下垂した位置から外転するためには、最初に棘上筋によって外転を起動しなければならない。)
- 461_11【Biceps brachii muscle上腕二頭筋 Musculus biceps brachii】 Two-headed muscle that attaches on the radial tuberosity and extends with the aponeurosis brachii toward the ulna to blend into the antebrachial fascia. It acts in elbow joint flexion and forearm supination. I: Musculocutaneous nerve.
→(上腕二頭筋は、長頭が関節上結節に起始し、短頭は烏口突起に起始する。二頭筋の長頭(長いのは腱の部分のみ)は上腕骨頭を越え、結節間滑膜鞘に包まれて、結節間溝へ入る。共通の筋腹の終止腱は、肘窩の奥で、橈側粗面に停止する。腱性の帯である上腕二頭筋腱膜は終止腱から分かれ、前腕筋膜に放散している。肘関節を屈曲すると、上腕二頭筋は特に突出する。なぜならば、この筋は関節から離れて、上腕筋によって前に押し出されるからである。機能として肘関節に作用して前腕をまげる。上腕前面に力こぶをつくる。筋腹の内外両側の溝をそれぞれ内側二頭筋溝および外側二頭筋溝という。前者を尺側皮静脈、後者を橈側皮静脈が走る。長頭の件は滑膜に包まれながら肩関節腔を貫く。また上腕骨の結節間溝を通るところでは、結節間滑液鞘に包まれる。)
Casserio's muscle
- 461_12Casserio's muscle【Brachialis muscle上腕筋 Musculus brachialis】 o: Anterior surface of the humerus below the deltoid tuberosity. i: Tuberosity of ulna. Flexes the elbow joint. I: Musculocutaneous nerve.
→(上腕筋は上腕骨前面の三角筋粗面(均一な三角筋-上腕筋系の骨付着部と考えらえている)より遠位部で起こり、尺骨粗面に停止する。[臨床]上腕筋は、上腕骨上に直に接しているため、筋を上腕骨に圧迫するような外力が加わるとか、上腕骨の(顆上)過伸展骨折(伸展骨折)の際に、骨折端によって穿通され、容易に損傷される。損傷した筋組織の部位に生じる結合組織の瘢痕は、収縮し、上腕筋の短縮が起こることがある。このような場合、腕は肘関節を伸展することが不可能になる。)
- 461_13【Lateral intermuscular septum of arm; Lateral brachial intermuscular septum外側上腕筋間中隔;橈側上腕筋間中隔 Septum intermusculare brachii laterale; Septum intermusculare brachii radialis】 Tendinous sheet that attaches the brachial fascia to the lateral border of the humerus and gives origin to muscle fibers.
→(外側上腕筋間中隔は上腕骨外側縁と上腕筋膜の間にある腱性の筋起始板。)
- 461_14【Brachioradialis muscle腕橈骨筋 Musculus brachioradialis】 o: Lateral supracondylar ridge of humerus, lateral intermuscular septum, i: Radial styloid process. Flexes the forearm from the intermediate position between pronation and supination. I: Radial nerve.
→(腕橈骨筋は橈骨の外側縁に位置し、上腕骨の外側縁、外側上顆の上と外側上腕筋間中隔から起始する。腕橈骨筋は橈骨の茎状突起基底部に停止する。)
- 461_15【Lateral epicondyle of humerus; Lateral humeral epicondyle外側上顆;橈側上顆(上腕骨の) Epicondylus lateralis humeri; Epicondylus radialis humeri】 Protuberance located lateral to the head of the humerus that gives origin to the extensor muscles of the forearm.
→(上腕骨小頭の外側にある隆起で、前腕伸筋が起こるところ。)
- 461_16【Extensor carpi radialis longus muscle長橈側手根伸筋 Musculus extensor carpi radialis longus】 o: Lateral supracondylar ridge of humerus, lateral intermuscular septum, i: Base of second metacarpal. Flexes the elbow joint. Dorsiflexion and radial abduction of the wrist joint. I: Radial nerve.
→(長橈側手根伸筋は腕橈骨筋起始部の下方の上腕骨外側縁と外側上腕筋間中隔から起こり、第2中手骨底に停止する。筋服の上縁は腕橈骨筋で被われているが、筋は外側上顆で外側に曲がり、短橈側手根伸筋の近位部を被っている。)
- 461_17【Extensor carpi radialis brevis muscle短橈側手根伸筋 Musculus extensor carpi radialis brevis】 o: Lateral epicondyle of humerus, anular ligament of radius, i: Base of third metacarpal. Dorsiflexion of the hand.
→(短橈側手根伸筋は外側上顆、橈骨輪状靱帯および総指伸筋と本筋とを分けている結合組織中隔から起こる。短い腱は第3中手骨の茎状突起につく。長および短橈側手根伸筋の腱は橈骨の外側縁を下方に進み、長母指外転筋と短母指外転筋の筋腹と交叉し、伸筋支帯のしたの第2腱区画を通る。)