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- 412_01【Temporalis muscle; Temporal muscle側頭筋 Musculus temporalis】 o:Inferior temporal line, infratemporal crest, temporal fascia [temporal fossa], i: Its fibers converge at the coronoid process and continue inferiorly to the level of the occlusal plane and near the pterygomandibular raphe. It raises and retracts the mandible, and fixes the pharynx during swallowing. I: Mandibular nerve.
→(側頭筋は扇状になって側頭窩および側頭筋膜から起始する。筋線維は収斂して、頑丈な腱をもって下顎骨筋突起に付着する。付着腱は上方へ伸びて筋肉内にまで達する。側頭筋は頬骨弓下を通過して、その付着部に達する。その筋線維がかなりの長さであるので、筋はかなりの収縮可能性を有するし、かつ純粋な“咬むための筋”である。歯をかみ合わせると、側頭筋の収縮を耳介の上方で触れることができる。側頭部をコメカミというのは、コメをカムときに動くからである。)
- 412_02【Articular tubercle of temporal bone関節結節(側頭骨の) Tuberculum articulare ossis temporalis】 Rounded projection anterior to the mandibular fossa.
→(顎関節の直前で頬骨突起基部の下面に高まる関節結節は下顎窩の前方の境となるが、生体では関節結節と関節面が一続きの軟骨で被われて関節包の内にあり、顎関節の関節窩となる。)
- 412_03【Zygomatic bone頬骨 Os zygomaticum】 The zygomatic bone is inserted between the temporal bone, frontal bone, and maxilla. It forms a large part of the lateral wall of the orbit and part of the zygomatic arch.
→(頬骨は頬の突出した部分を形成するほぼ菱形の骨で、前頭骨、上顎骨、側頭骨、蝶形骨の4種の骨に囲まれている。体および2突起を有する。体は3面を有する。外側面は前方に軽度突出しており、ほぼ中央に頬骨顔面孔がある。この面より大・小頬骨筋が起こる。眼窩面は体の内側面にあり眼窩の前外側壁をなす軽度陥凹した面で頬骨眼窩孔がある。側頭面は体の表面にあり側頭下の前壁をなす凹面で、頬骨側頭孔にそれぞれひらく。ここには上顎神経の分枝である頬骨神経がとおる。前頭突起は体より上方に向かい前頭骨の頬骨突起および蝶形骨大翼前縁と結合する。側頭突起は体より後方に向かい、側頭骨の頬骨突起と結合して頬骨弓を形成する。前面からみると、頬骨の内側縁は眼窩外側縁および下縁を、外側縁および後下縁は遊離縁をなし、前下縁は上顎骨の頬骨突起結合する。眼窩内における頬骨は蝶形骨大翼眼窩面および上顎骨眼窩面と結合し、後面では既述のように蝶形骨大翼前縁と結合する。前頭突起の後縁が前頭頬骨縫合のやや下方で小さい円形の突起を出すことがあるが、この突起を縁結節という。Zygomaticumはギリシャ語のzygon(軛 yoke, Joch)に由来する形容詞である。したがってこの骨のラテン名には「頬」の意味はない。日本名の頬骨はよい名前であるが、胸骨と同音になるので注意を要する。)
Stensen's (Stenon) duct
- 412_04Stensen's (Stenon) duct【Parotid duct耳下腺管 Ductus parotideus】 Excretory duct that extends around the anterior border of the masseter, usually over the buccal fat pad, and opens opposite to the upper second molar tooth.
→(耳下腺管はステンセン管ともよばれる。または、ステノン管ともよばれ、日本ではステノ氏孔などともいう。耳下腺管は頬骨弓の下方約2cmの部を水平に走り、頬筋を貫いて上顎第2大臼歯対側の口腔粘膜に開口する。デンマークの解剖学者Niels Steno [Nicholas Stensen] (1638-1686)によって、1661年頃に発見された。後年、ステンセンはローマカトリックの司教となっている。)
- 412_05【Buccinator muscle頬筋 Musculus buccinator】 Muscle arising from the pterygomandibular raphe and adjacent areas of the maxilla and mandible to the height of the first molar teeth, and inserting into the orbicularis oris at the angle of the mouth. It forms the cheek, moves food from the oral vestibule between the dental arcades during mastication, prevents entrapment of the mucous membrane of the mouth, and is active during laughing and crying. I: Facial nerve.
→(頬筋は頬の筋性土台に該当し、口角部で口輪筋に付着する。頬筋は弓状に上顎骨歯槽突起の臼歯部、かつ下顎骨歯槽突起から起こる。上および下顎間は腱性の翼突下顎放線によって橋渡しされ、この放線もまた頬筋の起始である。上咽頭収縮筋の一部がこの放線の後部で起始する。口角付近で、線維索が交叉するので、頬の上方に位置する部分は下唇に広範囲わたって達することもあるし、達しないこともある頬筋は上顎の第2大臼歯のレベルで耳下腺管によって貫通され、しかも本筋は脂肪体からこれを隔てる浅筋膜(頬咽頭筋膜)を有する唯一の顔面筋である。頬筋は上・下歯列弓および頬粘膜間に入り込んだ植物片を再度歯列弓間に押し戻し、咀嚼および植物片のかたちづくりに重要な役割を果たしている。本筋は口腔前庭を圧縮して、空気あるいは液体を口裂を通してふき出す(泡をふき出す、口笛をふく、吐き出す:“トランペット吹きの筋”)。両側の頬筋の収縮はは口角の外側部をくぼませる。参考:この筋は頬粘膜に密に結合しているが、皮膚との間は脂肪組織で隔てられている。上顎第2大臼歯の高さで耳下腺管に貫かれる。)
- 412_06【Maxillary origin of orbicuaris oris muscle上顎起始(口輪筋の) Origo maxillaris (Musculus orbicularis oris)】
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- 412_07【Mandibular origin of orbicuaris oris muscle下顎起始(口輪筋の) Origo mandibularis (Musculus orbicularis oris)】
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